船井電、前期経常を一転黒字に上方修正

　船井電機 <6839> が4月20日大引け後(16:00)に業績修正を発表。21年3月期の連結経常損益を従来予想の15億円の赤字→1.4億円の黒字(前の期は15.9億円の赤字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなった。

　会社側が発表した上方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結経常損益も従来予想の17.8億円の赤字→1.4億円の赤字(前年同期は2.1億円の黒字)に上方修正し、赤字幅が縮小する計算になる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
　当社グループの第３四半期累計期間までの売上高は、2020年３月期第４四半期から持続している北米市場における液晶テレビの好調な販売が第３四半期まで継続しておりましたが、前連結会計年度に実施した年末商戦向けの販売を実施しなかったことにより、前年同四半期比11.4％減の622億円となりました。営業利益は、北米市場における液晶テレビ事業の収益率が改善したことに伴い480百万円（前年同四半期は1,889百万円の営業損失）となりました。第４四半期の売上高は北米市場では引き続き液晶テレビに対する需要は旺盛であったものの、一方で液晶パネルの価格が高騰したことに伴い利益率が悪化したため、販売数量を調整したことにより約182億円となる見込みであります。営業損益は前述の通り液晶パネルが昨年５月の直近底値に比べ約２倍以上に高騰し続けていることに加え、半導体の値上がりや海上運賃の高騰なども続いており、第４四半期の営業損失は大幅に悪化することを見込んでおりました。しかしながら、コロナ禍で生じた巣ごもり需要等により国内外のテレビ需要が引き続き拡大したことにより、液晶パネルや半導体等が一部で不足が発生し、液晶テレビ生産が減少し在庫不足が生じた結果、期末において液晶パネル在庫の評価損や各種引当金等が減少し、当初の想定に比べ収益悪化が下げ止まる結果となりました。しかし、液晶パネルの価格上昇や半導体の品薄等が継続しており、足元の損益状況は引き続き厳しさを増している状況です。この結果、通期の売上高は公表値より約４億円増の約804億円、営業損益は公表値より約10億円改善して約３億円の赤字となる見込みであります。経常利益は前述の営業損益の改善約10億円に加えて、為替が想定より円安となったことなどにより公表値より約16億円改善して約１億円となる見込みであります。円ドルの為替レートは、通期では円高ドル安の105円（2020年3月末は108.83円）となり約３億円の為替差損の計上を予想しておりましたが、第４四半期に入り急激な円安ドル高となり、約４億円の為替差益となる見込みであります。親会社株主に帰属する当期純利益は約0.15億円の赤字となる見込みであります。前述までの経常利益において予想値よりも約16億円改善したことに加え、過年度で売却したプリンティングソリューション事業関連特許の資金化が進展したことにより、一過性の収益として特別利益を約12億円計上したことによる改善がありました。一方、連結子会社がコロナ禍の影響を受け将来収益の見通しが悪化したことに伴いのれんの一時償却を行ったことやその他の固定資産の減損損失等の特別損失を約９億円計上しております。この他、別の連結子会社において第３四半期までに計上していた繰延税金資産を見直したことで法人税等の計上額が減少いたしました。これらにより予想値に比べ約21億円の改善を見込んでおります。