予想株価
4,050円
現在株価との差
+3,047.0
円
登録時株価
3,920.0円
獲得ポイント
-211.67pt.
収益率
-74.41%
期間
短期投資 (数分~数日単位で売り買い)
理由
その他
ひとまずは好発進といえるだろう。シャープの2013年度第1四半期(13年4~6月)の営業利益は30億円と941億円の赤字だった前年同期から大幅に改善した。
健闘したのは太陽電池だ。昨年の固定価格買い取り制度導入により、今や国内の太陽電池市場は、バブルが指摘されるほどの活況ぶり。「営業人員が足りず、他部門から回した」(同社社員)ほど、住宅用、メガソーラーともに想定以上に売れた。生産設備を堺工場に集約したことも採算改善に寄与した。
主力の液晶事業も改善している。懸案となっていた亀山工場の稼働率向上だが、サムスン電子に続き、LG電子にもテレビ用パネルの供給を開始。結果、昨年12月に約5割だった亀山第2工場の稼働率は、目標とする第2四半期の稼働率9割に近づいている。1ドル=100円近い円安も液晶事業には追い風となった。
シャープにとって今期の好発進には二つの意味がある。
一つは銀行との関係。9月末に予定される2000億円の転換社債の償還資金などで計5100億円の融資契約を結んでおり、その条件の一つは今通期での最終黒字達成である。主力2行からはこの6月から取締役を2名迎えている。第1四半期があまりに悪ければ、事業売却や追加の人員削減など、さらなるリストラを早々に迫られかねない。とりあえず、そうした事態は回避できた。
もう一つは、資本増強の可能性を高められたということ。3月にはサムスン電子、6月には米クアルコムに対して第三者割当増資を実施したものの、6月末時点での自己資本比率は6%と危険水域が続く。すでに事業提携先のLIXILやマキタへも出資を要請。さらに公募増資も検討している。公募増資のハードルは高いが、業績改善を示せたことは好材料にはなる。
【詳細画像または表】
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■ 尽きない懸念材料
ただし好発進といっても今期計画自体が下期偏重なだけに、まだまだ安心できる状況にはない。
太陽電池は、官製特需という意味で、地デジ移行前の液晶テレビと似た構図だ。「今は国内需要が支えているが、長くは続かない」(シャープ社員)。特需が去った後の反動減の怖さも液晶テレビで学んだとおりだ。
液晶も稼働率こそ高まったが、安値受注で収益性は低い。中計に掲げる好採算の中小型へのシフトも進んでいない。会社方針では中小型を今期中に約5割に高め、その多くを独自液晶「IGZO」で占めたいとするが、「(中小型の)ウルトラブックの需要はまだ見えておらず、IGZOも予想より伸びていない」(シャープ関係者)。アイフォーン向け液晶を製造する亀山第1工場も「次期機種向けが順調に立ち上がっていない」(同)といい、6月からフル稼働としていた計画は未達だ。
加えて、NTTドコモの「ツートップ戦略」が打撃となった携帯電話・スマートフォンなど、早くも年間計画を下方修正した事業もある。7月末には発火のおそれがあると洗濯機72万台のリコールを発表。白モノ家電は比較的安定していただけに、影響の広がりが心配される。
今期末には新会計基準適用に伴い、年金積み立て不足約1200億円を計上する予定であり、資本増強が実現しなければ、そうとう苦しくなることは間違いない。さらに来期には計1300億円の普通社債の償還も控えており、資金繰りでも綱渡りは続く。
懸念されるのは、好発進で社内に安堵感が広がることだ。シャープは中計達成に向け、脱自前主義などの改革を掲げる。多少明るさが見えた今こそ、その徹底が不可欠だ。
(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2013年8月10-17日合併特大号)
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今回の増資で財務基盤を改善し、成長事業にも投資する
第三者割当増資の調達額は約175億円。電動工具大手マキタが約100億円、住宅設備大手LIXILが約50億円、自動車部品大手デンソーが約25億円を引き受ける。それぞれ従来から協業関係があり、資本提携は、奥田隆司会長が社長時代に働きかけた案件だ。
マキタは過去にシャープから「空気清浄機などのOEM供給を受けていた関係で、人的な縁があった」(堀司郎マキタ社長)。
同社は、液晶ビジネスが順調だった時代には、50%近い自己資本比率という万全の財務体質を維持していました。しかし経営危機が表面化したことで巨額赤字の計上に迫られ、現在では自己資本比率が6%台にまで低下してします。大規模な設備投資を伴う製造業としては、これはかなり危険な水準であり、増資を実施して財務体質を強化しないことには、会社の存続が難しいという状況です。
2000億円の社債償還も控える
しかも9月末には投資家向けに発行していた2000億円の転換社債(CB)償還が控えており、この償還原資を得るために銀行からさらに追加融資を受けている状況です。少なくとも数字の上ではシャープの経営危機はまだ終わっていないのです。
今回の増資に成功すれば、同社の自己資本比率は10%を超えることになり、とりあえず危機的な状況からは脱することができます。同社が名実ともに完全復活するためには、今後の成長シナリオを明らかにする必要があると考えられますが、現時点においてその見通しは立っていません。
シャープの経営危機が表面化した当初は、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の支援を受けて事業を再生する計画でした。しかしシャープの経営陣は、ホンハイ傘下に入ってしまうと厳しいリストラを要請されるのではないかと懸念し、同社からの支援を断ってしまいました。ホンハイはよく知られているように、アップルのiPhoneやiPadを製造している巨大メーカーで、液晶パネルを得意とするシャープとは、非常によい相互補完関係にあります。
鴻海に代わる提携先は
シャープは経営再建のため、ホンハイに代わる新しいパートナーを探す必要に迫られていますが、よい提携先がなかなか見つかりません。韓国サムスン電子との複写機事業の提携交渉は頓挫し、米クアルコムとの提携も一部の液晶パネル分野に限定されています。今回、第三者割当増資を引き受けるLIXILグループ、マキタ、デンソーの各社は、部分的な提携相手にはなりますが、ホンハイのような包括的な提携関係を結べる相手ではありません。
今のところシャープは独力で今後の成長戦略を描く必要に迫られているわけですが、そもそも独力の展開が可能であれば、今のような経営危機にはなっていなかったと考えられます。その意味で、今回の増資はあくまで数字上の経営改善でしかなく、本質的な経営環境の改善には至っていないと理解した方がよいでしょう。
【明日の“うちのカイシャ”かも…】シャープの苦境なぜ? ツケ、一気に噴出(12年9月掲載)
同社の7~9月期は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に支えられ、太陽電池事業の売り上げが好調を維持。スマートフォン(多機能携帯電話)向けの液晶の出荷好調も寄与した。猛暑でエアコンの売り上げも伸びたようだ。今年5月に示した同期の営業利益は250億円の見込みだったが、これを上回る見通し。
4~6月期は当初100億円の営業赤字の見込みだったが、好調な太陽電池事業などに支えられ、30億円の営業黒字だった。これらの要因から、同社は営業損益を150億円前後、上方修正する見通し。最終赤字も従来予想の200億円(前年同期は3875億円の赤字)から縮小するとみられる。
同社は18日、2期連続の巨額赤字で大幅に減った資本を増やすため、増資策を発表する見通し。一般投資家を対象にした公募増資を1500億円程度行うほか、住宅設備大手のLIXIL(リクシル)グループ、電動工具大手のマキタ、自動車部品最大手のデンソーを引受先に行う計200億円程度の第三者割当増資も実施する。これらの資本増強策で、経営の健全性を示すシャープの自己資本比率は6月末の6%から10%台に回復する見通しだ。【安藤大介】
18日にも13年4~9月期の業績予想の上方修正と大型増資を発表する。営業損益は300億円前後の黒字(前年同期は1688億円の赤字)の見通し。太陽電池やエアコンなどの白物家電がけん引するほか、希望退職の実施など人件費削減を柱にしたリストラ策も寄与する。
業績回復の兆しが出てきたことで、企業や投資家はシャープの発行する新株を取得しやすくなる。第三者割当増資はマキタが100億円、LIXILが50億円、デンソーが25億円を引き受ける見通し。公募増資は機関投資家などから募るとみられる。
最大1700億円にのぼる大型増資が実現すれば、シャープを悩ませていた財務面の課題にひとまず決着がつく。
財務の健全性を示す自己資本比率は6月末の6%から10%台まで回復する見込み。会計基準の変更に伴う企業年金の積み立て不足約1200億円の負債計上への備えのほか、来年9月までに期限を迎える1300億円の普通社債の償還にもめどがつく。
今後の焦点は本業の立て直しの進捗。下期以降は液晶パネルの価格低下も予想され、先行きはいぜん不透明だ。シャープは16年3月期の純利益を800億円とする中期経営計画の達成に照準を合わせ再建を急ぐ。
参考までに五輪関連銘柄といえるものを挙げてみましょう。競技場や選手村などの建設では大成建設/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000061;dv=pc;sv=NXや大林組/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000062;dv=pc;sv=NX、鹿島/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000071;dv=pc;sv=NX、清水建設/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000063;dv=pc;sv=NXなど。高速道路の補修・整備ではNIPPO/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000113;dv=pc;sv=NXやショーボンドホールディングス/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0031512;dv=pc;sv=NX、ピーエス三菱/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000743;dv=pc;sv=NX、横河ブリッジホールディングス/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000923;dv=pc;sv=NXなど。セメント需要では住友大阪セメント/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000733;dv=pc;sv=NXや太平洋セメント/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000734;dv=pc;sv=NXなど。都市再開発では三井不動産/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001801;dv=pc;sv=NX、三菱地所/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001802;dv=pc;sv=NX、住友不動産/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001815;dv=pc;sv=NXなど。観光需要で日本航空/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001941;dv=pc;sv=NXやANAホールディングス/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001942;dv=pc;sv=NX、東日本旅客鉄道/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0005301;dv=pc;sv=NX、東海旅客鉄道/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0005302;dv=pc;sv=NX、京成電鉄/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001839;dv=pc;sv=NX、東京急行電鉄/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001835;dv=pc;sv=NX、日本空港ビルデング/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0014824;dv=pc;sv=NX、帝国ホテル/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0002094;dv=pc;sv=NX、オリエンタルランド/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0010942;dv=pc;sv=NXなど。スポーツ用品ではミズノ/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001670;dv=pc;sv=NXやデサント/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001713;dv=pc;sv=NX、アシックス/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001508;dv=pc;sv=NXなど。警備・警護ニーズの高まりが見込まれる綜合警備保障/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0002397;dv=pc;sv=NX(ALSOK)やセコム/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0002104;dv=pc;sv=NXなどがあります。開催が迫ってテレビの買い替え需要が起これば、シャープ/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001209;dv=pc;sv=NXやソニー/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0001213;dv=pc;sv=NXなどが買われる可能性もあります。
では五輪招致の成功は日本の景気や株価にどのような影響を与えるのか、前回の東京五輪を振り返ってみましょう。国際オリンピック委員会(IOC)総会で東京開催が決まったのが1959年5月26日。実際に五輪が開かれたのは64年10月10日から24日までの15日間でした。
当時の東京五輪には、競技場などの施設整備に164億円、大会運営に94億円、選手強化に24億円と、計282億円が国家予算として計上され、使われています。しかし東海道新幹線や東京モノレール、首都高速道路など五輪に向けたインフラ整備を含めると、使われた国のお金(予算)は約1兆円とも言われています。
週明けにも取締役会で決議して発表する。払い込みは10月初旬になる見込み。予定通りの金額を調達できれば、6%まで低下したシャープの自己資本比率は10%以上に回復する見通し。
第三者割当増資はLIXILグループ 5938.T、マキタ 6586.T、デンソー 6902.T が引き受ける。資本提携に加え、製品の共同開発など事業上の相乗効果も見込む。
シャープは自己資本が低下しているうえ、2014年3月末には年金資産の積み立て不足1200億円を債務に計上しなくてはならず、資本増強が急務だった。
4─6月期決算は30億円の営業黒字で3四半期連続黒字を確保。7―9月期も黒字を計画するなどシャープの業績は上向きつつある。