東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500を超え、全体の8割超を占めた。セクターでは、石油石炭、保険の2業種を除く31業種が上昇し、電気ガス、鉱業、卸売、その他金融、証券商品先物、サービスの上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>、信越化<4063>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、東エレク<8035>、TDK<6762>、エプソン<6724>が軟調だった。
日経平均は米国株の上昇が支援材料となり、上げ幅は一時300円を超えた。また、米経済指標の悪化を受けて、米長期金利が低下したため、金利動向に敏感なグロース株の一角にも投資資金がシフトしたほか、電力ひっ迫のなかで原発再稼働への思惑も広がり、東電力HD<9501>など電力株が軒並み上伸したほか、再生可能エネルギー関連のレノバ<9519>も値を上げた。一方、米半導体株が総じて軟調だったことから、東エレクなどの半導体関連株が売られたほか、大規模な通信障害を起こしたKDDIは軟調。
今週は、6日に発表される6月のISM非製造業景況指数や8日の6月の米雇用統計に投資家の関心が集まっている。これまでは景気後退懸念が高まる中で株高・債券安の展開が続いたが、足元で長期金利が2%台まで下落したほか、パウエルFRB議長が重視する期待インフレ率の水準も低下しているため、FRBの利上げペース鈍化が株価のプラス材料として捉えられる動きが出てくるのか見極めたいところだ。一方、国内では上場投資信託(ETF)の分配金捻出のための換金売りによる需給悪化が警戒されることから、再び波乱含みの展開になる可能性は警戒されやすい。
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