<動意株・7日>(大引け)=東芝テック、大平金、山一電機など
大平洋金属<5541.T>=上値追い鮮明。きょうで7連騰と上げ足に弾みがついている。日本製鉄系の合金大手でフェロニッケル製錬では世界屈指の実力を有する。年明けからニッケル市況の上昇が際立っているが、ニッケルは電気自動車(EV)用電池材料に使用されており、EV市場の拡大に合わせて需要が増勢基調にあるほか、世界的なインフレモードで投機資金が同市況に流れ込んでいるという背景もある。同社の業績はニッケル価格高騰により収益性が高まっており、22年3月期経常利益は期中3度にわたる上方修正を行っている。直近では1月末に従来予想の43億2100万円から99億1300万円(前期比3倍)に大幅増額し脚光を浴びた。注目されるのは株価指標面の割安さだ。依然としてPER6倍台、PBR0.8倍近辺、配当利回り4.3%台で水準訂正余地の大きさを見込んだ買いが続いている。
山一電機<6941.T>=動意。同社は半導体検査用として使うICソケットの製造販売を主力としているが、世界的な半導体メーカーの設備投資増強の動きを背景に業績は絶好調で、会社側の想定を大きく上回って推移している。前週末4日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の56億円から75億円(前期比2.4倍)に大幅増額した。期中3度目の上方修正ということもあり株価へのインパクトは大きい。また、年間配当も63円から80円(前期実績は37円)に引き上げておりこれも物色人気を増幅、前週末終値換算で配当利回りは3.8%強となっている。
新日本製薬<4931.T>=急反発。同社は4日取引終了後に、22年9月期第1四半期(21年10~12月)の連結経常利益が8億3100万円になったと発表。同社は21年9月期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期との単純比較はできないが、通期計画30億2000万円に対する進捗率が27.5%となったことが好感されているもよう。1月27日に昨年来安値を更新したばかりとあって買いが入りやすくなっているようだ。連結売上高は92億7300万円で着地。オールインワン美容液ジェルシリーズの堅調な成長に加え、クッションファンデーションの販売拡大などが寄与した。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置いている。
三菱製鋼<5632.T>=マド開けて急伸。4日の取引終了後、22年3月期の連結経常損益を従来予想の32億円の黒字から42億円の黒字(前期は55億900万円の赤字)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入っている。原材料市況やエネルギー価格の上昇が逆風となるものの、特殊鋼鋼材事業における生産コストの改善や在庫評価益の発生などが寄与し、利益は上振れする見通しになった。売上高は自動車メーカー減産の影響がある一方、建設機械需要は好調が継続し、計画並みの水準を見込む。併せて、今期の年間配当を従来計画の40円から50円(前期は無配)に増額修正したことも好材料視されているようだ。
ダイフク<6383.T>=3日ぶり急反発。前週末4日に昨年来安値をつけるなど株価は大底圏にあったが、きょうは値ごろ感も意識されるなかリバウンド狙いの買いが優勢だ。4日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の450億円から485億円(前期比9%増)に増額しており、これを評価する買いを引き寄せている。巣ごもり消費などを追い風とした世界的なEC市場の拡大を背景に、物流センター向けマテハン機器が好調で、半導体関連の設備投資増強の追い風も受けている。また同日、同社の子会社で6割強の株式を保有するコンテック<6639.T>をTOBによって完全子会社化(コンテックは上場廃止見込み)することも合わせて発表しており、これも株価を刺激している。
※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。
出所:MINKABU PRESS
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