C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。
1. 2020年12月期第2四半期決算:期初予想を下回ったが黒字を維持
2020年12月期第2四半期決算は、売上高が1,976百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益が140百万円(同12.2%減)、経常利益が96百万円(同43.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が34百万円(同60.2%減)となり、期初予想(売上高2,178百万円、営業利益197百万円)を下回った。第1四半期(2020年1〜3月)までは順調に推移したが、第2四半期に入ってから新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けて売上高、営業利益ともに急減した。ただし、第2四半期(会計期間)も営業黒字を維持したのは、売上高の約半分を占める保守契約サービスが収益を支えたからと言える。セグメント別では、CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業ともに減収・減益であったが、両部門ともに営業黒字を維持した。コロナの影響を受けて厳しい状況であったが、営業黒字を維持した点は評価できるだろう。
2. 2020年12月期通期予想:先行き不透明で、一旦白紙
会社は、期初には2020年12月期の通期業績予想を発表していたが、コロナの影響で事業環境の先行きが不透明であり業績予想を合理的に算定することが困難になったことから、通期の業績予想を一旦白紙とした。今後、予想の合理的算定が可能となった段階で改めて発表される予定だ。したがって、通期の配当予想も未定となっている。
3. 安定した既存収益源の拡充に加え次世代収益源を育成
同社では中長期事業方針として、1)既存事業の維持拡張、2)金型隣接市場向け製品開発(部品加工)、3)内製化(+海外)対応製品開発(マルチプラットフォーム化)、4)ASEAN強化と海外向け製品開発、5)積層&切削ハイブリッドCAM開発、6)金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)、という6つの柱を掲げている。足元の業績はコロナの影響で足踏みをしているが、これらの事業方針は今後も継続して推進する計画だ。ただし、2020年12月期の業績が確定した段階で、これらの中長期事業方針での成長イメージを見直す可能性もある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は7,000事業所超
・2020年12月期第2四半期業績はコロナの影響あるも黒字を維持。通期予想は一旦白紙
・中長期事業方針は継続:主に6つの分野の拡充で成長を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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