日経平均は4日ぶりに反落、ハイテク株売られるも金融株が下支えに
20日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は299.90ドル高(+0.77%)の39134.76ドル、ナスダックは140.65ポイント安(-0.79%)の17721.59、S&P500は13.86ポイント安(-0.25%)の5473.17で取引を終了した。寄り付きはまちまち。新規失業保険申請件数の減少を受けた金利の上昇が嫌気された一方、住宅着工件数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数が経済の減速を示し、米連邦準備制度理事会(FRB)
の利下げ観測が支えとなった。ナスダックは朝方過去最高値を付けたが、午後に入り軟調に推移。株価指数先物と株価指数オプション、個別株オプションの満期日が重なるトリプルウィッチングを21日に控え、連日上昇を続けていたエヌビディアを中心に売られた。
米ハイテク株の下落を受けて、東京市場はやや売り優勢で取引を開始した。寄り付き後の日経平均は一時切り返す場面も見られたが、手掛かり材料難のなか積極的な買いは入らず失速。金利上昇を受けて金融株が上昇したことでTOPIXはしっかりとなったが、日経平均は前日終値水準でのもみ合い推移となった。なお、前場のプライム市場の売買代金は1.7兆円に留まった。
日経平均採用銘柄では、ナスダックの下落を受けて、足元買われていたTDK<6762>、アドバンテスト<6857>、信越化<4063>、日東電工<6988>、ミネベアミツミ<6479>
が下落したほか、レーザーテック<6920>も弱い動き。このほか、塩野義製薬<4507>、第一三共<4568>など製薬銘柄の一角が売られた。
一方、タイ発電公社とのバイオマス燃焼試験検討が材料視されてIHI<7013>が買い優勢となったほか、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>、日本郵船<9101>な海運株がしっかり。このほか、住友ファーマ<4506>、大塚ホールディングス<4578>、資生堂<
4911>が買われた。
業種別では、電気機器、その他金融業、金属製品、電気・ガス業、不動産業などが下落した一方、海運業、保険業、陸運業、鉱業、石油・石炭製品などが上昇している。
為替が1ドル159円台に乗せるなど前日比で円安ドル高が進行している。米財務省は20日、半期ごとの外国為替政策報告書を公表し、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。監視リスト入りは1年ぶりとなる。足元の原油価格の下落により、今回の対象期間だった2023年に経常黒字の総額が形式的な基準を上回ったためで、24年4-5月の為替介入を非難する文言などはなかった。ただ、監視リスト入りを受けて、政府・日銀による為替介入はやや実施しにくくなったとの見方もできよう。神田財務官のコメントも伝わっているが、思惑先行で円安ドル高が進行する可能性はある。後場の東京市場は前場同様、静かな推移を想定するが、為替動向には注意したい。
<AK>
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