―消費電力を抑える技術として再評価、SiCやGaNのほかダイヤモンド素材に注目―
人工知能(AI)をはじめとしたデジタル技術の発展に伴い、データセンター(DC)の建設が相次いでいる。総務省が2025年7月に公表した「情報通信白書」によると、国内のDCサービスの市場規模は23年の2兆7361億円から28年には5兆812億円に達する見通し。ただ、サーバーなどの運用には大量の電力が必要で、DC市場が急成長する裏で慢性的な電力不足という問題が深刻化している。こうしたなか、電流や電圧を制御する「パワー半導体」が消費電力を抑える技術として改めて注目されており、関連銘柄をマークしておきたい。
●AI時代の重要部品
パワー半導体は一般的な半導体と比べて、より大きな電力を効率よく制御・変換するための電子部品。電力の損失を大幅に低減できることから家電のほか、電気自動車(EV)のモーターやバッテリー、太陽光発電などに利用されている。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が今年1月に公表したデータでは、23年度まで減少基調が続いていた国内の需要電力量(使用端)は24年度から増加傾向に転じ、35年度には約8461億キロワット時と25年度比で5.3%の増加となる予想。電力需要の増加にはさまざまな要因が関係しているが、DCや半導体工場の新増設が大きな要因だと指摘している。
大量の電力を必要とするDCの迅速な整備を実現するためには、電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携)を行うことが重要であり、経済産業省と総務省が25年6月に公表した「ワット・ビット連携官民懇談会取りまとめ1.0」は、計算資源の効率的な運用のため両インフラを整備し新たな複数の大規模DC集積拠点を造成する方針を明記。エネルギー効率の面でも明確な目標が設定され、新設されるDCについては29年度以降に稼働開始から2年以内にPUE(電力使用効率)を1.3以下とすることが求められている。
パワー半導体は、需要の牽引役として期待されていたEV販売の苦戦で事業環境は厳しいものの、長期的な視点に立てば世界的な脱炭素化の流れから再生可能エネルギー向けなどの需要は着実に伸びる見通し。DCへの投資増も追い風となりそうで、省エネ効果が高い炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を使った製品のニーズが拡大しそうだ。
●SiC半導体関連
トレックス・セミコンダクター <6616> [東証P]は1月20日、突入電流やサージ電流に強いパワー半導体を開発したと発表。SiCデバイスならではの高速スイッチング特性と低損失性能に加え、スタートアップ時や突入電流発生時にも余裕を持った設計になっているという。
新電元工業 <6844> [東証P]は1月5日、京セラ <6971> [東証P]のSiCパワー半導体事業を会社分割により承継する新設会社の全株式取得が完了したと発表。このシナジーを原動力にグループの企業価値向上と持続的な成長を実現させる構えだ。
マイポックス <5381> [東証S]は12月18日、半導体結晶ウエハー内部に存在する貫通転位プロファイルを高感度かつリアルタイムに可視化する「XS-1 Sirius」で、8インチSiCウエハーの評価対応を開始したことを明らかにしている。
●GaN半導体関連
サムコ <6387> [東証P]は12月17日、原子層レベルでの精密なエッチング制御を可能にする装置を開発したと発表。GaNデバイスの加工などでナノレベルの精密制御と理想的な界面形成を実現でき、GaNパワーデバイスの更なる高性能化につながるという。
旭化成 <3407> [東証P]は12月9日、名古屋大学との研究グループが窒化アルミニウム基板を使ったGaNの高電子移動度トランジスタを実現し、従来比2倍以上の耐圧性能や低抵抗化などを実証したことを明らかにした。
ノリタケ <5331> [東証P]は8月20日、GaNウエハー用の研磨パッドを開発したことを明らかにしている。この製品は有機物と無機物を複合する独自技術により強酸性領域での使用が可能で、研磨速度は従来の30倍、パッド寿命は15倍以上だとしている。
●ダイヤモンド半導体関連
また、ダイヤモンド半導体の関連銘柄にも注目したい。ダイヤモンドはパワー半導体の性能を示す指標(バリガ性能指数)や高周波デバイスの適性を示す指数(ジョンソン性能指数)がSiCやGaNよりも高いほか、放射線量の高い環境でも半導体としての性質を失わないなど多くの優れた特性を持っているため、究極のパワー半導体と呼ばれている。
関連銘柄としては、グループ会社が工業用人工ダイヤモンドの製造・販売を手掛ける住石ホールディングス <1514> [東証S]、ダイヤモンド基板の研磨工程で使用されるプラズマ援用研磨装置を展開するジェイテックコーポレーション <3446> [東証S]、合成ダイヤモンド単結晶を扱う住友電気工業 <5802> [東証P]、人工ダイヤモンドの製造に用いる工具を販売する冨士ダイス <6167> [東証P]、硬脆性材料の精密切断加工機メーカーのタカトリ <6338> [東証S]など。
直近ではイーディーピー <7794> [東証G]が2日、産業技術総合研究所との研究成果として、汎用的な半導体製造装置で加工が可能なダイヤモンドデバイス用ウエハーを作製したことを明らかにした。ダイヤモンドとシリコンにおいて、熱膨張量の差によって生じる熱歪みが接合温度の上昇によって抑制できることを見いだし、強固に接合されながら反りの少ないダイヤモンド/シリコン複合ウエハーの開発に成功したとしている。
株探ニュース
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