~医薬品製剤用機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~
【ポイント】
・機械部門の受注残は2023年3月末で128億円(前年度比+21.3%)となっている。今期から業績は回復局面に入り、来期には本格回復が期待できよう。
・2年前にフロイント‐ベクターの受注が急増したが、ポストコロナ下でサプライチェーンがうまく回らず、大幅なコストアップを招き、前2023年2月期の米国は大幅赤字となった。今期は採算重視の受注で黒字化を目指し、来期は収益性も戻ってこよう。
・国内のジェネリックメーカーからの製剤機械の受注は好調であったが、前期の売上は低調であった。納入は今期から増加するので、次第に好転してこよう。
・前期はイタリアの子会社コスメックで、約9億円の減損損失が発生した。アジア、中東、中南米、アフリカを市場とするが、コロナの影響もあり、買収当初の見通しに比べて、業績の回復を慎重に見ている。前期は既に黒字化しているが、のれん等の減損を余儀なくされた。コスメックの戦略上の重要性は何ら変わっていない。
・2020年に買収したイタリアのCos.Mec(コスメック)は、当社と重複しない搬送装置を有し、当社とは別の新興国市場に強く、米国ベクターとの連携も始まっている。また、上海に合弁で技術開発研究所(上海FCセンター)を設立したが、製剤機械と医薬品添加剤のラボは、今夏には稼働し、今後日本からの輸出増に寄与しよう。
・もう一つの主力分野である医薬品添加剤は、採算が大幅に改善し順調に伸びている。海外向けにも伸びている。品質保持剤も生産効率が改善し、収益性が高まっている。この化成品部門の業績は過去最高で好調を維持している。
・中長期のビジョンとして、日米伊中印の5極体制で、新市場の開拓を進めることがテーマである。今期中に、次期の中期計画を策定する方向である。当面の目標として、過去のピークである営業利益20億円への復帰に注目したい。その道筋が見えてくれば、PBR1.0倍をクリアしてこよう。
目次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、世界でも3強の1社
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 好調な受注増は今2024年2月期の業績から貢献
5.企業評価 新市場の開拓に期待
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2023年6月14日) |
648円 |
時価総額 | 119億円 (18.4百万株) |
PBR | 0.77倍 |
ROE | 3.2% |
PER | 24.1倍 |
配当利回り | 3.1% |
総資産 | 22758百万円 |
純資産 | 14117百万円 |
自己資本比率 | 62.0% |
BPS | 843.1円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.2 | 17424 | 1150 | 1249 | 695 | 40.4 | 15.0 |
2016.2 | 19027 | 1346 | 1394 | 961 | 55.7 | 12.5 |
2017.2 | 21164 | 2041 | 2097 | 1064 | 61.7 | 20.0 |
2018.2 | 19801 | 1971 | 1994 | 1477 | 85.7 | 20.0 |
2019.2 | 18408 | 1223 | 1326 | 843 | 50.2 | 20.0 |
2020.2 | 16772 | 558 | 582 | 381 | 22.8 | 20.0 |
2021.2 | 16765 | 1111 | 1308 | 970 | 58.0 | 20.0 |
2022.2 | 17632 | 981 | 1032 | 543 | 32.5 | 20.0 |
2023.2 | 19658 | 451 | 559 | -538 | -32.2 | 20.0 |
2024.2(予) | 20000 | 700 | 650 | 450 | 26.9 | 20.0 |
2025.2(予) | 21500 | 1300 | 1250 | 860 | 51.3 | 20.0 |
(2023.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは2024.2期予想ベース。2009年6月に1:2、2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/furoinntosanngyou202306.pdf
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