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サイジニア Research Memo(2):ZETAの経営統合を契機に成長に弾み

配信元:フィスコ
投稿:2023/08/21 14:42
*14:42JST サイジニア Research Memo(2):ZETAの経営統合を契機に成長に弾み ■会社概要

1. 会社概要
サイジニア<6031>は、ターゲティング広告などネット広告サービス及びサイト内検索やOMO※1などのCX改善サービスを事業領域に、ブランドやリテーラー※2といったEC事業者に対し、デジタルマーケティングサービスを提供している。AIやビッグデータに関する技術ノウハウと開発力、EC全般に対応可能な一気通貫したハイエンドサービスの提供などに強みがあり、顧客に有力な小売企業が多いことや、小売にとって喫緊の課題であるEC事業拡大やOMO強化への支援ができることを特長としている。2023年6月期は、既存事業の収益改善やZETAの経営統合※3を契機に、売上総利益率を徹底的に重視する施策を展開して収益力の強化を図っており、CX改善サービスによる成長に弾みをつける考えである。

※1 OMO(Online Merges with Offline):オンライン(EC)とオフライン(実店舗)を融合しユーザー中心の顧客体験を実現する店頭接客DX(Digital Transformation)。
※2 ブランドやリテーラー:ブランドは自社商品(ブランド)を中心に扱っている小売、リテーラーは他社商品も扱う小売またはマーケットプレイスを指す。前者の例はメーカーのDtoC(メーカー直販)やアパレル、SPA型小売、後者は品揃え型(編集型)小売やECモールなど。
※3 2021年7月1日を効力発生日として、同社を株式交換完全親会社、ZETAを株式交換完全子会社とする株式交換を行った(連結は2022年6月期第2四半期から)。経営統合により、今後も高い成長が続くと見込まれる両社の事業領域で、経営資源と技術開発力の相互活用、顧客基盤の拡大、機動的な事業戦略を策定する経営体制の確立を進めることで、業績の向上を図る。



ZETAの経営統合を契機にCX改善サービスに経営資源を集中
2. 沿革
同社は2005年、北海道大学大学院情報科学研究科の准教授だった吉井伸一郎(よしいしんいちろう)氏によって創業した。2007年にビッグデータ解析技術を用いたレコメンデーションなどCX改善サービスを開始、その後ネット広告の分野にも進出した。2014年に東証マザーズに上場すると提携などにより業容拡大のピッチを加速し、2021年にはハイエンド向けCXソリューション等を提供するZETAを株式交換により完全子会社化、吉井氏が代表取締役会長、ZETAの山崎徳之(やまざきのりゆき)氏が取締役社長として共同で経営を行う体制を構築した。なお、2006年に山崎氏によって創業されたZETAは、ECサイト内検索や商品レビュー、OMOなどハイエンド向けCXソリューションに特長のある高収益・高成長企業である。現在、高収益・高成長のCX改善サービスに経営資源を集中するため、競争が激しいネット広告サービスを事業売却し、同社のホールディングス化を進めているところである。

※ZETAの株式交換契約の効力発生日は2022年7月1日だが、決算月のズレ(ZETAは5月決算)を考慮して企業結合日を8月31日とし、損益計算書には2022年5月期第2四半期から取り込んでいる。



クッキー規制を背景に企業のマーケティング予算に変化
3. 市場環境
同社が属する市場は国内インターネット広告市場とデジタルマーケティング関連ソフトウェア市場で、いずれも同社の顧客が強化している国内EC市場と関連が深い。国内EC市場は、スマートフォンなどデジタルデバイスの普及を背景に成長を続けてきたが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)のなかで特に物販系ECの成長スピードが加速した。アフターコロナで物販系ECが踊り場を迎えるという見方もあるが、世界のEC市場と比較すると依然国内EC市場の伸びしろは大きいと考えられることから、国内経済の伸び悩みを横目に中長期的に成長が続くと予測されている。国内のインターネット広告市場は、本来EC市場の拡大とともに成長を続けていくはずだったが、クッキー規制により企業がマーケティング予算をインターネット広告から自社ECサイトの強化へとシフトし始めたため伸びが弱まっており、残存者メリットを得るための競争が激化している。一方デジタルマーケティング市場は、EC事業者の売上高やEC市場そのものの拡大に伴い、マーケティングツールの導入や周辺システムとの連携、データ統合などによりハイエンドな需要が拡大しており、今後もさらなる市場拡大が予測されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ

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