日経平均は3日ぶりに反発、エヌビディア決算を好感した買いが先行
22日の米国株式市場は反落。ダウ平均は201.95ドル安(-0.51%)の39671.04ドル、ナスダックは31.09ポイント安(-0.18%)の16801.54、S&P500は14.40ポイント安(-0.27%)の5307.01で取引を終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や半導体エヌビディアの決算発表を控え、様子見気配が強まり、小動きで寄り付いた。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した前回開催分のFOMC議事要旨では、政策金利を一段と長期にわたり高水準で維持する姿勢が再表明されたほか、必要であれば追加引き締めを支持する参加者もいたことが明らかになり、利下げ期待の後退で売りに拍車がかかった。ナスダックは過去最高値付近からの利益確定売りに押されたが、エヌビディア決算への期待が根強く、終盤にかけて下げ幅を縮小し終了。
注目されたエヌビディアの決算内容が市場予想を上回り、同銘柄が時間外取引で一時1000ドル台まで買われたことから、東京市場は買い優勢で取引を開始した。値がさ半導体株が上昇したため、日経平均は38938.67円まで上げ幅を拡大したが、プライム市場の値上がり、値下がり銘柄数はトントンに留まるなど市場全体に買いは続かず。売買代金は2.2兆円台に留まるなど、半導体株以外は盛り上がりに欠ける展開となった。
日経平均採用銘柄では、大株主にオアシスジャパンが名を連ねたことが判明したことで帝人<3401>が急騰したほか、エヌビディア決算を受けて、ディスコ<6146>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>
など半導体株が買われたが、東京エレクトロン<8035>、スクリーンHD<7735> SUMCO<
3436>は買い一巡後は上値が重くなった。
一方、足元上昇していた住友鉱<5713>、DOWAホールディングス<5714>、三菱マテリアル<5711>、三井金<5706>など非鉄関連銘柄の一角が下落。また、しずおかフィナンシャルグループ<5831>、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>もさえないほか、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>、東急不HD<3289>など不動産株が売られた。
業種別では、繊維製品、精密機器、電気機器、機械、金属製品などが上昇した一方、石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業、不動産業、卸売業などが下落した。
午前の債券市場では、長期金利の指標である新発10年物国債利回りは前日比0.005%下落の0.995%で推移した。前日の反動に伴う債券の買戻しとの見方だが、1.000%を付ける場面も見られるなど引き続き、日銀による国債買入減額への思惑が強まっている。株式市場では、不動産株が総じて弱い一方、銀行株ははっきりしない動きと物色の方向感には乏しい。金利上昇に伴うデメリットの反応のみ強まっている状況で、投資家のモメンタムはさほど強くないと見る。前場はエヌビディア決算に対する半導体株の上昇が日経平均を押し上げたが、東京エレクトロンの上値の重さを見る限り、後場の日経平均はじりじりと上げ幅を縮小する可能性もあろう。
<AK>
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