ストップ高買い気配。筆頭株主である信越化学工業がTOBを実施して完全子会社化することを発表している。同社ではTOBに対して賛同の意見を表明している。TOB価格は3700円で前日終値に対して35.4%のプレミアムとなり、TOB価格に完全サヤ寄せを目指す動きが強まる形に。TOBは7月下旬をめどに開始予定としているが、国内外の競争法に基づく必要な手続及び対応に一定期間を要することで正式には決まっていない。
MRO<3064>:1801.5円(-131円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は89億円で前年同期比10.9%増となり、市場予想を小幅に上回る着地となっている。販管費の削減効果などが想定以上に進んだもよう。一方、粗利益率は29.2%で前年同期比0.8ポイント低下し。会社計画も下振れたもよう。大企業からの受注が増加してPBのウェイトが低下したことが主因となっているもよう。株価は足元で高値圏にあり、粗利率低下をマイナスに捉える動きが優勢に。
富士通<6702>:2390円(-92.5円)
大幅続落。前日に24年3月期の決算を発表している。営業利益は1603億円で前期比52.2%減となり、従来予想の2500億円を大きく下振れ。下振れ自体は想定線であったが、1-3月期の構造改革費用計上も重しとなった。25年3月期は3300億円で同2.1倍の見通し、ほぼコンセンサス水準。強気のガイダンス開示からスタンスは変更されているようだ。中計の株主還元施策に沿った形で、自社株買いの実施も発表されている。
キーエンス<6861>:68570円(+3990円)
大幅反発。前日に24年3月期の決算を発表、営業利益は4950億円で前期比0.8%減となり、市場予想は50億円強上振れたとみられる。人員増加がトップライン成長につながり、1-3月期は売上増ペースが拡大する形になっている。営業利益率も52.1%となり、前四半期50.5%から改善へ。25年3月期見通しは例年通り開示されていないものの、足元の底堅い業績推移を評価する動きが先行へ。
信越化<4063>:5933円(-375円)
大幅続落。前日に24年3月期の決算を発表、営業利益は7010億円で前期比29.8%減となり、市場予想を300億円程度下振れた。機能材料事業での減損計上のほか、電子材料や生活環境基盤材料などもそれぞれ想定を下振れ。25年3月期第1四半期計画1650億円も、市場コンセンサスを200億円程度下振れのもよう。実績、見通しともに想定下振れでネガティブに捉えられる。なお、シリコンウエハー需要は1-3月期が底との見方を示している。
ソシャルワイヤ<3929>:293円(+37円)
大幅高。ジーニー<6562>と資本業務提携契約を締結すると発表している。第三者割当増資でジーニーにソーシャルワイヤー株573万6200株を割り当てる。異動後のジーニーの議決権所有割合は49.0%で、筆頭株主となる。調達資金の約12.9億円は、デジタルPR事業の新機能開発投資やM&A費用などに充てる。販売活動で相互の提供サービスを優先的に紹介・斡旋し、既存顧客へのクロスセル推進に努めるなどし、両社の事業基盤を拡大する。
QPS研究所<5595>:3435円(+135円)
大幅に反発。国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」の大規模技術実証事業2件に採択されたと発表している。「次世代機器等を活用した河川管理の監視・観測の高度化に資する技術開発」(自社に交付される補助金は0.88億円)と「次世代機器等を活用した道路管理の監視・観測の高度化に資する技術開発」(同0.49億円)。事業期間は、いずれも28年3月まで。25年5月期以降の業績に与える影響は精査中としている。
MacbeeP<7095>:13340円(+760円)
大幅に反発。5月31日を基準日として1株につき4株の割合で分割すると発表している。投資単位を引き下げ、幅広い投資家層の市場参加を促し、株式の流動性を高めることが目的。また、今回の株式分割で流通株式数が増加し、東証プライム市場への市場区分変更の形式要件を全て満たすことになるとしている。ただ、上場市場区分変更は検討中であり、実施を確約するものではないと付言している。 <ST>
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