■JVCケンウ <6632> 296円 (+80円、+37.0%) ストップ高
東証プライムの上昇率トップ。JVCケンウッド <6632> [東証P]がストップ高。10月31日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。売上収益を3000億円から3300億円(前期比17.0%増)へ、純利益を40億円から152億円(同2.6倍)へ引き上げており、これを好感した買いが向かった。新製品の受注獲得が進んでいることや世界的な危機管理への機運の高まりによる需要拡大などを背景に、パブリックサービス分野の無線システム事業が好調に推移していることが業績を押し上げる。固定資産譲渡益の計上も寄与する見込み。同時に発表した4-9月期決算は、売上収益が1581億800万円(前年同期比27.1%増)、純利益が36億7700万円(前年同期2億5600万円の赤字)だった。
■日食品 <2892> 2,238円 (+400円、+21.8%) ストップ高
日本食品化工 <2892> [東証S]がストップ高。10月31日の取引終了後、23年3月期の単独業績予想について、売上高を585億円から630億円(前期比24.5%増)へ、営業利益を10億円から30億円(同99.3%増)へ、純利益を9億円から25億円(同82.5%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を65円から180円(前期100円)へ引き上げたことが好感された。3年ぶりに行動制限のない夏となり、夏場も高温が続いたことで飲料向け糖化製品の販売が好調だったことに加えて、穀物価格上昇を受けて副産物価格が上昇していること、原料とうもろこし相場や為替相場の影響を受けた製品価格の適正化を進めていることが寄与する。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高326億7000万円(前年同期比25.4%増)、営業利益27億1900万円(同46.9%増)、純利益20億9100万円(同34.3%増)だった。
■冶金工 <5480> 3,335円 (+503円、+17.8%) ストップ高
東証プライムの上昇率2位。日本冶金工業 <5480> [東証P]が急伸しストップ高の3335円に買われた。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1900億円から1980億円(前期比33.0%増)へ、営業利益を200億円から270億円(同93.3%増)へ、純利益を120億円から170億円(同2.0倍)へ上方修正し、あわせて70円を予定していた期末配当を130円へ引き上げたことが好感された。ステンレス特殊鋼業界として、一般材や家電製品向けシーズヒーター及びバイメタルなどで在庫調整が見受けられる一方、太陽光発電向けや水電解装置をはじめとした環境分野の高機能材は堅調な需要が見込まれていることに加えて、コスト上昇に対する受注価格改定の成果が下期以降に顕在化すると見込まれることが要因としている。なお、年間配当予想は200円(前期120円、従来予想140円)となる予定だ。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高963億6600万円(前年同期比50.2%増)、営業利益126億5100万円(同91.0%増)だった。中国での太陽光発電向けのほか、半導体製造設備向け需要が引き続き堅調に推移した。
■メルカリ <4385> 2,895円 (+420円、+17.0%)
東証プライムの上昇率4位。メルカリ <4385> [東証P]が3連騰。10月31日の取引終了後に発表した第1四半期(7-9月)連結決算が、売上高400億2900万円(前年同期比19.0%増)、営業利益31億1900万円(同3.7倍)、最終利益4億1200万円(前年同期1億1900万円の赤字)と大幅営業増益となったことが好感された。「メルカリ」アプリ内部の大幅なアップデートに加えて、BtoCでショップをサポートする機能の改善を行った結果、マーケットプレイス事業のGMV(流通取引総額)が前年同期比8.0%増の2204億円に増加したことが牽引した。また、クレジット事業の順調な伸長により、 フィンテック事業の調整前営業損益が2四半期連続で黒字化したことも寄与した。なお、23年6月期通期業績予想は引き続き非開示としている。同時に、子会社メルペイがクレジットカード事業を11月中に開始すると発表した。独自の特徴を持つ与信事業をさらに拡大することを目的としており、マーケットプレイス事業における商品の売買、フィンテック事業における決済・与信の連携を強化し、グループシナジーの最大化を目指している。
■スミダコーポ <6817> 1,135円 (+150円、+15.2%) ストップ高
東証プライムの上昇率5位。スミダコーポレーション <6817> [東証P]がストップ高の1135円に買われた。10月31日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を1190億円から1360億円(前期比29.6%増)へ、営業利益を55億円から72億円(同35.2%増)へ、純利益を31億円から39億円(同48.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を15円から22円へ引き上げ年間配当予想を36円(前期28円)としたことが好感された。車載市場でEV/xEV関連向けなどが堅調に推移しているほか、為替市場で想定よりも円安傾向が続いていることが要因。また、原材料価格の高騰に対する製品販売価格対応の効果も利益押し上げに貢献する。なお、第3四半期累計(1-9月)決算は、売上高1009億5700万円(前年同期比30.3%増)、営業利益53億4800万円(同14.3%増)、純利益30億3300万円(同13.4%増)だった。
■旭有機材 <4216> 2,750円 (+359円、+15.0%)
東証プライムの上昇率6位。旭有機材 <4216> [東証P]がカイ気配スタートで続急騰。31日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。売上高は715億円から760億円(前期比17.4%増)、最終利益は57億円から71億円(同48.8%増)に上方修正し、好感された。管材システム事業部で国内外の売り上げが4-9月期に伸びたほか、円安の影響も利益を押し上げる見通しとなり、業績予想に反映した。4-9月期の連結決算は、売上高が前年同期比22.1%増の359億3800万円、最終利益が同2.1倍の38億1300万円と、計画を上回って着地した。半導体製造装置向けのダイマトリックス製品などが好調に推移した。
■テクノプロH <6028> 4,045円 (+500円、+14.1%)
東証プライムの上昇率7位。テクノプロ・ホールディングス <6028> [東証P]が5日続急騰、年初来高値を更新した。同社は10月31日取引終了後、23年6月期第1四半期(7-9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比52.4%増の60億700万円となり、上半期計画の92億円に対する進捗率が65.3%となったことが好感されたようだ。売上収益は同15.8%増の482億2500万円で着地。グループが注力する技術者派遣・請負業務で、顧客需要がコロナ前の水準を上回る回復をみせるなか、国内稼働人数が増加したことや技術者1人当たりの売り上げ単価が増加したことが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想については従来計画を据え置いている。
■マクニカHD <3132> 3,390円 (+412円、+13.8%)
東証プライムの上昇率8位。マクニカホールディングス <3132> [東証P]が続急騰し年初来高値を更新した。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を9300億円から9700億円(前期比27.3%増)へ、営業利益を440億円から510億円(同38.9%増)へ、純利益を280億円から315億円(同22.1%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各60円の年120円を予定していた配当予想を各65円の年130円に引き上げたことが好感された。製造業DX化や各国政府主導による半導体への投資、脱炭素化によるEV化などを背景に、産業機器市場や車載市場向けが引き続き堅調に推移する見通し。また、クラウドの利活用の加速を背景に、ネットワーク事業でクラウドサービス関連商品、エンドポイントセキュリティー関連商品の導入が進むとみられることも寄与する。第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高4925億6200万円(前年同期比35.9%増)、営業利益268億100万円(同73.6%増)、純利益168億2100万円(同40.3%増)だった。同時に、上限を250万株(発行済み株数の4.01%)、または60億円とする自社株買いを実施すると発表したことも好材料視された。取得期間は22年11月1日から23年3月24日まで。また、取得した自社株のうち、譲渡制限付株式報酬への充当を見込む30万株を除いた全株と、9月30日時点で保有する自社株を23年3月31日付で消却するとあわせて発表した。
■中国塗 <4617> 1,023円 (+109円、+11.9%)
東証プライムの上昇率9位。中国塗料 <4617> [東証P]が続急騰で年初来高値を更新した。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を830億円から900億円(前期比6.8%増)へ、営業利益を5億円から25億円(同3.6倍)へ、純利益を3億円から20億円(同7.8倍)へ上方修正しており、これを好感した買いが入った。為替の円安推移による海外売り上げの押し上げや、原材料調達コストの上昇に見合った販売価格の見直しが進んでいるとともに、主力の船舶用塗料の販売が好調に推移すると見込まれることが要因。また、保有する投資有価証券5銘柄を下期に売却することに伴い投資有価証券売却益を特別利益として計上することや、原材料価格の上昇が一服傾向にあることなども利益を押し上げる。なお、第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高444億6800万円(前年同期比8.5%増)、営業利益2億3400万円(同78.5%減)、最終損益3100万円の赤字(前年同期9億4600万円の黒字)だった。同時に上限を100万株(発行済み株数の2.0%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は22年11月1日から23年3月24日まで。また、11月22日付で200万株(発行済み株数の3.2%)の自社株を消却すると発表した。消却後の発行済み株数は6000万株となる予定だ。
■SREHD <2980> 4,200円 (+410円、+10.8%)
SREホールディングス <2980> [東証P]が急騰、上値指向を継続した。10月31日の取引終了後に4-9月期決算を発表。売上高が前年同期比91.2%増の65億1700万円、営業利益が同2.4倍の7億6100万円と大幅な増収増益で着地しており、これを好感した買いが入った。企業のDX気運の高まりを追い風に、クラウドツールやテーラーメイド型アルゴリズムを提供するAIクラウド&コンサルティング事業が着実に伸長した。また、不動産投資運用や売買仲介、各種不動産の開発・販売を手掛ける不動産テック事業も好調だった。なお、通期予想は据え置いた。
■フクダ電 <6960> 8,590円 (+830円、+10.7%)
フクダ電子 <6960> [東証S]が続急騰。一時900円高の8660円まで上値を伸ばし、今年の大発会につけた年初来高値8670円にあと10円と迫る場面があった。医療用電子機器メーカーで心電計の業界シェアでトップに位置する。10月31日取引終了後、23年3月期上期(4-9月)の決算を発表、営業利益は前年同期比7%増の110億7000万円と堅調だった。対通期進捗率も55%で5割を超えた。株価を強く刺激したのは同時に発表した株式分割。11月末時点の株式を2分割することを発表、これにより株式流動性が高まることが予想され、分割権利取り狙いの買いを引き寄せた。
■栗田工 <6370> 5,990円 (+530円、+9.7%)
栗田工業 <6370> [東証P]が続急伸、年初来高値を更新した。同社は10月31日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の365億円から380億円(前期比6.3%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も従来の3380億円から3500億円(同21.4%増)に上方修正。第2四半期累計期間(4-9月)に、国内及びアジア地域の電子産業向け大型水処理装置案件を複数受注したことが寄与するとみているほか、海外を中心に水処理薬品の売り上げが伸長することを見込んでいる。
■JT <2914> 2,698円 (+234円、+9.5%)
JT <2914> [東証P]が続急伸。2019年4月以来、およそ3年半ぶりの高値水準をつけた。10月31日取引終了後、22年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。年間配当予想も増額修正し、これらをポジティブに受け止めた投資家の買いが集まった。売上高に相当する売上収益は2兆4860億円から2兆6680億円(前期比14.8%増)、最終利益は3620億円から4450億円(同31.5%増)に引き上げた。年間配当予想も48円増配の188円と、従来の予想(150円)から38円増額した。たばこ事業では総販売数量の落ち込みが想定よりも小規模となる見込みとなった一方、追加的な価格改定の効果や円安進行を受け、同事業の収益が想定を大幅に上回る見通しとなった。1-9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比13.7%増の2兆85億4800万円、最終利益が同19.2%増の4038億700万円だった。
■東祥 <8920> 1,235円 (+96円、+8.4%)
東祥 <8920> [東証S]が3日続急伸。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を206億円から215億円(前期比21.3%減)へ、営業利益を20億円から26億円(同42.0%減)へ上方修正し、2円としていた配当予想を3円(前期6円)に引き上げると発表したことが好感された。ホテル事業において、各都道府県などが実施している宿泊キャンペーンなどが寄与し、客室単価の回復並びに食品ロスの減少を含めたコスト削減効果が見込めるとしている。なお、スポーツクラブ事業において1店舗の閉店が決定したことによる特別損失の計上などを勘案し、純利益は9億円(前期比62.9%減)の従来見通しを据え置いた。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高108億3300万円(前年同期比11.7%増)、営業利益14億8800万円(同2.1倍)、純利益4億7000万円(同32.4%増)だった。
■AZ丸和HD <9090> 1,527円 (+112円、+7.9%)
AZ-COM丸和ホールディングス <9090> [東証P] が4日ぶりに急反発。10月31日の取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比15.9%増の52.6億円に伸びたと発表したことが好感されたようだ。通期計画の115億円に対する進捗率は45.7%となり、5年平均の47.7%とほぼ同水準だった。
※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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