クニミネ工業(5388)保守的なガイダンスを織り込む展開、決算発表を機に見直される転機となるか◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆
保守的なガイダンスを織り込む展開、決算発表を機に見直される転機となるか
【事業内容】
ベントナイト(粘土鉱物)最大手企業で、多岐にわたって用いられる特殊粘土は鋳物用、土木・地熱、その他で約200億円程の市場であるが同社シェアは5割強を占める。世界トップレベルの高品質を誇る同社製品は原子力の汚染水処理をはじめ土壌汚染における止水材、さらには化粧品・医薬、塗料、ケイ酸を多く含むため稲作など農業用途としても用いられる。
【業績面】
業績面においては5/8に本決算発表を行っており、売上高7.2%増収、営業利益11.0%増益で前期はともに過去最高を更新。非開示だった今期業績予想は5/22発表で売上高17.9%減収、営業利益65.6%減益と自動車向けの需要減を背景に厳しい見通しを示した。ただし、コロナ禍影響の残る1Qはともかくとしてかなり保守的な計画であるとみられ、目前に迫る7/31の1Q決算発表が注目される。
【株価動向】
株価は3/13安値753円から多少なりとも回復に転じて5月に1000円台を回復したものの、上記決算見通しにおける大幅な減収減益が嫌気され、5/22以降は軟調に推移。直近では900円割れに突っ込む場面もみられたが、バリュエーションが下支えし見直し買いが入り始めた。足元では再び1000円台回復をめぐる攻防となってきており、次回決算発表を機に業績悪化懸念が織り込み済みと分かれば反発も予想される。
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