今週の新興市場は大幅下落。同時期の騰落率は、日経平均が-5.84%だったのに対して、グロース市場指数は-3.63%、グロース市場250指数は-3.76%。引き続き売買代金が1000億円少しと商いがさほど膨らまない状況下、米景気後退懸念の再燃でプライム市場の大型株が売られたことで、投資家心理は悪化。グロース市場の主力株も売りに押される展開となった。週末のグロース市場250指数は25日移動平均線水準まで下落した。
時価総額上位銘柄では、円高メリット銘柄のアドベンチャー<6030>がしっかりだったほか、トライアルHD<141A>、タイミー<215A>は国内証券会社のカバレッジ開始などが材料視されて上場来高値を更新した。インテグラル<5842>、弁護士ドットコム<6027>もしっかり。一方、カバー<5253>、ispace<9348>、GENDA<9166>は下落したものの、底堅い動きは見られた。
その他の銘柄では、中国大手眼科用医薬品メーカーと独占的実施許諾契約を発表した坪田ラボ<4890>が大幅高したほか、大型カンファレンス「Best Venture 100 Conference Autumn2024」開催が材料視されたイシン<143A>が短期資金流出入で上下に動いた。一方、フルッタフルッタ<2586>、アンジェス<4563>、ソレイジア・ファーマ<4597>、モダリス<4883>など株価2桁の超低位銘柄が総じて売られた。
■外部環境に振らされやすい地合いか
来週の新興市場は、引き続きプライム市場同様、外部環境に振らされやすい地合いとなりそうだ。週末の米国市場は大幅安で為替も円高推移のため、週初の日経平均は1000円ほど下落する公算が大きい。本来、円高推移は内需銘柄が多いグロース市場にとってポジティブとなる要因だが、投資家心理の悪化が強まっていることで、ネガティブ要因と捉えられよう。8月5日からのリバウンドで上昇していた主力株を中心に売り圧力の強い地合いとなりそうだ。週末のグロース市場250指数は25日移動平均線手前で下げ止まったが、いったんこの水準を下抜ける展開を想定しておきたい。心理的な水準である600ptの攻防を迎えそうだ。9月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表までは、米国市場を注視する地合いとなろう。
先週値持ちがよかったトライアルHD、タイミーや、上場来高値圏で推移しているGENDAなどは売り圧力が強まる展開に警戒したい。主力株が厳しい状況となれば、物色の対象は引き続きフルッタフルッタやアンジェスなど株価2桁の超低位銘柄に向かいそうだ。消去法的な投資かもしれないが、売買代金が膨らまない状況下は仕方ないだろう。
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