【QAあり】オープンワーク、四半期営業収益は10億円に達し過去最高 契約社数・累計Web履歴書登録者数など各種KPIも順調
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大澤陽樹氏(以下、大澤):オープンワーク代表取締役社長の大澤陽樹です。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。2025年12月期第1四半期の決算説明の後、みなさまからのご質問に回答させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
さっそくですが、スライドを使いながらご説明を始めたいと思います。
すでにスライド資料をお読みいただいた方や、過去のオープンワークのIR説明会をご覧いただいたことがある方は少し重複する部分もあるかと思いますが、基本的には初めてご覧いただく方にも、「オープンワークという会社が何をしているのか」をご理解いただけるようにご説明したいと思います。
2025年12月期 第1四半期 決算トピックス

エグゼクティブサマリーです。四半期全社営業収益が初の10億円台に到達しました。営業収益は10億4,000万円で、前期比34.5パーセントの増加となっています。
後ほどご説明しますが、当社の主力事業は「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の2つになります。「OpenWork」の営業収益については、過去に、「基本的には横ばい、もしくは微減ぐらいで推移していく」とお伝えしていましたが、送客単価の向上により3億円、前期比20.9パーセントの増加となり、今までにはない動きをしています。
「OpenWorkリクルーティング」の営業収益も、主要KPIが堅調に推移したため、6億9,000万円、前期比35.5パーセントの増加と、いずれも過去最高を記録し、順調なスタートを切っています。
営業収益好調を背景に、営業利益も3億2,000万円と非常に好調です。これは、もちろん収益が上がったこともありますが、広告への集中投資により利益が抑制された2024年第1四半期に比べると、だいぶそこが抑えられているため、営業利益が伸びたというところもあります。
また、新サービス「OpenWorkキャリア」については、今画面に映っているQRコードから飛ぶことができますが、まだローンチして、2ヶ月、3ヶ月になるため、これからもいろいろな試行錯誤をして、ユーザーのみなさまに使っていただけるサービスにしていく予定です。ようやくキャリア検討のプラットフォームサービスと、クチコミに次ぐワーキングデータの拡充を本格的に開始することができました。
株主優待制度に関しては、優待品を「QUOカード」から、利便性の観点も含めて「QUOカードPay」や当社のクチコミ閲覧権限も含まれたデジタルギフトに変更しました。
2025年12月期 第1四半期業績サマリー

業績サマリーです。営業収益・営業利益は先ほどお伝えしましたので割愛します。「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」のいずれのKPIも順調に推移しています。
ユーザー数、クチコミ数、Web履歴書登録者数、契約社数、求人数等すべて好調に推移しています。
企業概要

過去にご覧いただいたことがある方、もしくはオープンワークをずっと応援していただいている方はご存知かもしれませんが、会社概要および当社がどのようなサービスを展開しているのか、また、収益モデルがどのようになっているのかについてご説明します。
オープンワークは2007年に創業し、従業員数は2025年3月末時点で134名と、まだ小さな会社です。2022年12月に東証グロース市場に上場しました。
Slogan / Mission

私たちが「何の会社なのか」をお伝えする時に、1つだけ覚えておいていただきたい言葉、かつ、非常に大事にしている言葉があり、それが「働きがい」です。
コーポレートスローガンは、「さあ、自由に生きよう。働きがいをすべての人へ」です。日本の働きがいというのは、グローバルな調査でいくと世界でも最低水準です。一方で、日本の労働人口は減っており、全体の労働生産性を上げていくには労働参加率を上げていくか、1人当たりの労働生産性や効率を上げていくしかありません。
1人当たりの労働生産性を上げていく上で、もちろん知的生産性なども大事ですが、一人ひとりがやりがいや働きがいを感じ、また、時間あたり一生懸命働いて成果を出す方が1人でも増えることが、日本の成長につながっていくと思います。
人生の大半を「働く」ことで占めている人が多いと思いますので、どうせ働くなら楽しく、そして、やりがいを感じて働ける人が多いほうがよいと思います。また、「世界最低水準ということは、ここに大きな伸びしろがあるのではないか」とも思います。オープンワークは「働きがい」を非常に大事にしており、事業やサービスを展開している会社になります。
オープンワークが目指す世界

オープンワークが目指す世界です。現在は、大手企業の中でもたくさんの企業が早期退職制度を導入していたり、「あの有名な企業が」といった企業がリストラに近いことをしていたりするニュースが連日取り沙汰されています。
「大手企業に入ったから一生安泰」という考え方は今後なくなり、人生の中で何回もキャリアチェンジをしていきながら、「自分の人生は自分でデザインしていく」「自分のキャリアは自分でデザインしていく」という時代に変わりつつあります。
一方で、個人が「働く」に関する意思決定をするために、ジョブマーケット(労働市場)が十分な仕組みを提供できているかというと、私はできていないと考えています。
これまでは、企業が非常に優位に立った採用広告等であふれていました。したがって、どうしてもユーザーは、「入社するまでその会社の実態がわからない」「入ってみたらまったくイメージと違った」ということが多く、「自分のキャリアは自分でデザインしろ」という割には、そのような優しいマーケットではありませんでした。
そこで、求職者と企業側の情報の非対称性を解消するためには、マーケットが成り立つ上で「情報の透明性」が非常に大事になります。しかしながら、ジョブマーケットにはこれが足りません。
したがって、まず社員クチコミに注目したことが、「OpenWork」というサービスを始めた当社の創業のきっかけであり、当社が目指している世界観でもあります。
「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の関係

当社のサービス概要についてご説明します。当社の主力サービスは、「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の2つになります。この2つのサービスが売上の97パーセントから98パーセントを占めています。
「OpenWork」は、日本最大級の社員クチコミ情報サービスで、ユーザー数は717万人です。その中で、転職や就職を希望するWeb履歴書登録者数が144万人です。
現在の人材不足は空前絶後な状況です。企業が履歴書登録者にスカウトや求人を送るダイレクトリクルーティングのサービス「OpenWorkリクルーティング」の契約社数は3,950社となっています。
契約した企業は、クチコミだけでなく、自社の会社情報や求人情報を掲載することができます。現在の求人数は9万9,000件です。クチコミだけでなく会社情報や求人情報を知りたいというユーザーが増え、ユーザーが増えると履歴書を登録したい方が増え、履歴書が増えるとその方々に対してスカウトしたい企業が増え、結果的に求人数が増えていきます。
このように、2つのサービスが相互にポジティブな影響を及ぼしながら成長しています。これが、オープンワークの2つの主力サービスです。
日本最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」

「OpenWork」を使ったことがある方も多いかと思います。現在、就活生では3人に2人が使っているサービスになります。実際に働いたことがある、もしくは働いているユーザーの経験に基づく「社員クチコミ」を中心に、あらゆる会社のデータが閲覧可能なサービスになります。
私は「8・8・3」と呼んでいますが、「待遇面の満足度」「風通しの良さ」「20代の成長環境」「法令順守意識」などの8つの定量的な項目について5段階で評価していただきます。
また、「ワーク・ライフ・バランス」「女性の働きやすさ」「組織体制・企業文化」「経営者への提言」「退職検討理由」などの8つの定性的な項目について、500字以上のクチコミを投稿することができます。
さらに、「年収」「残業時間」「有給休暇消化率」といった3つの実情報も投稿いただいています。
これらのクチコミは無料で閲覧することはできません。4つの閲覧方法から1つを選んでいただきます。1つ目の方法として、「OpenWork」上に自身のWeb履歴書を登録すること、2つ目が自身の体験・クチコミを投稿していただくことです。
3つ目は、ここは直接的なオープンワークの収益源になりますが、当社が提携している他社の人材サービスに登録すると、「OpenWork」上でクチコミが見られるようになります。その分、当社は、提携先である人材サービス会社から紹介料をいただいています。
4つ目は、月額1,800円(税別)の有料会員に登録すると、クチコミを自由に閲覧することができます。
この2つのサービスがオープンワークの収益源となっており、10億円前後の売上となっています。
企業向けダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」

「OpenWorkリクルーティング」は、Web履歴書登録者に対して、企業側がスカウトで求人を送ることができるサービスになります。
一般的に今までのサービスは、お金をたくさん使い、広告を出せば出すほどユーザーに認知され、母集団が形成されることで採用につながるという流れでした。
しかし当社は、「お金を使えば採用できる」ではなく、よい会社に人が入っていくことこそが日本の活性化につながっていくと考えています。ですので、「OpenWork」上で評価が高い会社ほど、ユーザーから目立つようになっています。
サービス利用費用についてです。もともと初期費用は無料だったのですが、当社も伸びてきたため、今年から年120万円からの基本利用料をいただいています。
採用成功報酬も、採用が成功した場合にはいただいています。中途採用では1人につき70万円、新卒採用では1人につき30万円となっています。
これに限らず、他にもいろいろなプランはありますが、代表的なプランはこのようなかたちとなっています。
クチコミデータを新たな社会課題解決に活用する「オルタナティブデータサービス」

新規事業の「オルタナティブデータサービス」についてです。こちらは、2年前ぐらいからコツコツと積み上げてきたサービスになり、オープンワークのデータを活用しています。
「オルタナティブデータサービス」は、今まで利活用が進んでこなかった新しいデータを、投資やさまざま社会課題の解決に活用するサービスになります。当社では2つのサービスを運営しています。
まずは、投資家向けの「FIS(Financial Indicator Service)」です。クオンツファンドやヘッジファンド、コピーファンドなどに対して、「OpenWork」のクチコミデータを加工して提供し、投資に活用していただきます。
もう1つは、「DAP(Data Analytics Platform)」です。最近は、人的資本情報の開示が、特に上場している大手企業の中では課題になっています。したがって、企業風土や働きがいなどをクチコミから分析し、従業員満足度調査ではわからない自社のインナーブランディングの課題や、採用ブランディングの課題、組織課題などをレポート化していくサービスになります。
キャリア情報の交換・収集のためのコミュニティサービス「OpenWorkキャリア」

「OpenWorkキャリア」についてです。こちらはまだ収益化には至っていませんが、2025年3月に正式リリースしました。「OpenWork」のユーザー間でキャリアの情報交換ができます。キャリアの悩みに関しては、家庭や職場ではなかなか相談しにくいかと思います。
例えば、職場でキャリアの相談をしたら、「なんだ辞めるのか」と言われて、本音が言いにくかったり、年収のことを友だちに相談したいと思っても、「そんなに稼いでいるの?」「年収低いね」などと言われたりする場合があります。このような悩みを「OpenWork」らしく匿名で、自身のキャリアを相談できます。
また、他の方のキャリア事例をのぞき見することができます。例えば、自分と似たようなキャリアを歩んでいる人がどのような年収を推移してきたのか、年収が非常に上がった時にどのようなキャリアアップがあったのかなど、他の方のキャリアをオープンにするコミュニティです。日本の総合職というかなりふわっとした職種を、よりオープンにしていくことでキャリアをもっと自由にしていこう、デザインしやすくしていこうということで、こちらのサービスを開始しました。
「OpenWork」と比べるとユーザー数や月間PV数は少ないですが、すでに月間PV数は20万件となっています。また、「Yahoo!ニュース」に質問内容が取り上げられており、盛り上がりを見せています。無料ですので、ぜひみなさまに使っていただけると幸いです。
事業系統図

事業系統図です。当社の収入源は、大きく3つあります。1つ目は、スライド上段の「OpenWork」です。有料会員として月額1,800円(税別)を支払っていただくか、クチコミを見るために提携している他サービスに登録してもらい、当社がその紹介料をいただく収益モデルです。
2つ目は、スライド中段の「OpenWorkリクルーティング」です。採用が成功した時にいただく成功報酬になります。
3つ目は、スライド下段の「オルタナティブデータサービス」です。企業がクチコミの加工データを利用したり、クチコミのレポートを導入したりする利用料を、当社にお支払いいただくという収益モデルになっています。
P/Lハイライト

第1四半期の決算概要とトピックについてご説明します。
まず、P/Lのハイライトです。営業収益は10億4,700万円で第1四半期では過去最高の数値をマークしています。
業績推移(四半期ごとのサービス別営業収益の推移)

四半期ごとのサービス別収益も、全体的に伸びています。特に「OpenWork」に関しては、もともとここまで伸ばす計画ではありませんでした。しかしながら現在、人材業界では特に、広告費が非常に高騰しています。したがって、ユーザーの獲得が難しくなっています。人手不足でいろいろな会社が広告を出しているため、どんどん広告単価が上がっている状況です。
「OpenWork」も提携サービス先に送客する際の単価を交渉して上げることができたため、売上として返ってきています。
送客数が減少したり、「OpenWorkリクルーティング」に登録されている職務経歴書が少なくなっていたりしたことではなく、単純に単価が上がったことにより収益が上がったと捉えていただきたいと思います。したがって、「OpenWorkリクルーティング」は順調に成長しています。
「オルタナティブデータサービス」は、波はあると思いますが、特にAIで分析しレポート化するサービス(DAP)に販売が集中したことにより、営業収益4,300万円まで伸びてきています。
営業費用の推移

営業費用の推移についてです。前期は広告宣伝費として第1四半期と第4四半期に3億円ほどを、テレビCMなどに集中して投資していました。今期は四半期ごとにまんべんなく分散して投資していく予定です。しかし、若干下半期に寄る可能性はあります。したがって、前期に比べると広告費を抑えることができています。
その結果、この第1四半期の営業利益の上昇にもつながっています。ただ、こちらは当社の広告戦略の計画どおりとなっており、今出しているガイダンスの進捗としては全体的におおむね順調であると捉えていただければ幸いです。
各種KPI / OpenWorkリクルーティング

各種KPIです。まず、「OpenWorkリクルーティング」に関しては、契約社数・累計Web履歴書登録者数ともに順調です。特に大事なのは、このWeb履歴書登録者数であり、また、スライドには出していませんが、どれだけのユーザーがサイトを訪れたかを表すアクティブユーザー数でもあります。
契約社数に関しては、今年の1月から有料化したこともあり、今後の伸び率は少し減っていくと思います。ただし、これはよいことだと思っています。今までは無料で「OpenWorkリクルーティング」を導入できたため、「使うかどうかはわからないが、契約しておこう」という企業も多く見受けられました。
今後はしっかりとターゲットを絞って、「OpenWorkリクルーティング」を使っていただけるお客さまを開拓していきます。
また、スコアが高く、かつ、ユーザーのみなさまからも「こういった企業からスカウトや求人が来たら嬉しいよね」というような会社を、しっかりサポートしたいと思っています。したがって、第2四半期以降の動き方は変わってくるかと思いますが、そこも計画どおりですので、ご安心いただけると幸いです。
各種KPI / OpenWork

「OpenWork」の累計登録ユーザー数・累計社員クチコミ数・評価スコア数も順調に増加しています。
営業利益の増減要因

営業利益の増減要因としては、広告宣伝費の減少と大きな増収が利益につながっています。
今期業績の進捗と見通し

今期業績の進捗と見通しです。営業収益45億円、営業利益11億3,000万円をガイダンスで出していますが、おおむね順調に進捗しています。
事業トピック - OpenWorkキャリア(コンセプト)

事業トピックです。先ほど「OpenWorkキャリア」についてのご説明をしましたが、もう少し深掘りしてご説明したいと思います。まずは位置づけについてです。
「OpenWork」はクチコミを通じて、企業の内情を透明化して情報の非対称性をなくしていくという位置づけになります。
「OpenWorkリクルーティング」は、その情報の非対称性がなくなった中で、フェアな就業関係、ジョブマーケットを作っていこうという位置づけになります。しかしながら昨今は、職業人生も長くなっており、また、1つの会社で勤め上げることが難しくなりつつあります。
したがって私は、個人が変わり続けていく、個人がキャリアで損をしないといった、よいキャリアを歩んで行けるようなサポートが必要だと思っています。
「よい会社を探そう」という考え方だけだと難しく、自分自身も変わっていく必要があります。そのような中で、キャリア情報が透明化されて、「このようなキャリアの歩み方があるのか」「自分のキャリアには、このような可能性があるのか」など、いろいろなライフステージがあると思います。
そして、キャリアで悩んだ時に、気軽に相談できるようなキャリアプラットフォームを作ることで、よりキャリアに対して、能動的かつポジティブに捉えてくれる方も増えていくのではないかということで、「OpenWorkキャリア」サービスをスタートしました。
事業トピック - OpenWorkキャリア(サービス概要)

「OpenWorkキャリア」には、いろいろな機能があります。実際に見ていただけるとうれしいのですが、例えば、キャリア事例や年収推移が見られたり、質問・コメントの投稿機能があったりします。また、エンジニアの方が集まるチャンネル、法人営業に従事している方のチャンネルなど、チャンネル機能もあります。さらに、自身のキャリアに似ている方にダイレクトに質問できるような機能もあります。
今後は、本当にいろいろな展開があり得ると思っているため、まだ検討中になります。
その中でも、キャリア検討支援機能の拡充を図っていきたいと思っています。要は、AIを活用し、自身のキャリアの可能性をもう少し知れるような機能になります。
もう1つは、「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」との連携強化です。例えば、「OpenWorkキャリア」を使えば使うほど「OpenWorkリクルーティング」上のマッチング精度が上がっていくといったことに活用していけるのではないかと思っています。
自己株式取得の進捗状況

2024年11月に発表した、自己株式取得についても順調に進捗しています。
株主優待制度の変更

株主優待制度の変更についてです。2025年2月13日に導入を発表した株主優待制度に関しては、株主の利便性を考慮し、スライドに記載のとおり変更しました。
株主からは、有料サービスの「OpenWork」に関して、「株主なのだから見せて」というお声をたくさんいただきました。しかし、変更前の「QUOカード」だとそれができないため、デジタルギフトの交換可能商品として、「OpenWork」の閲覧権限である「オープンワーク有料プログラム」を変更後の優待品のうちの1つとしています。
他にも、「QUOカード」は引き続き「QUOカードPay」というデジタルなものに交換可能ですし、それ以外にもたくさんのデジタルギフトに交換できます。
株主の利便性を考慮し、このようなデジタルギフトに変更したことにより、「OpenWork」を使いたいという方に使っていただきたいと思っています。
株主優待制度の変更(参考情報)

株主優待制度の進呈条件に関しては変更していませんので、スライドを参考にしていただければと思います。
Appendix以降は当社の経営方針や、過去にご説明した内容と被る部分になりますので、割愛します。私からのご説明は以上となります。
質疑応答:掲載課金型の求人プラットフォームが好調な要因について

司会者:「既存の掲載報酬型の求人プラットフォームの決算が軒並み不調です。一方、クリック課金型や成果報酬型のプラットフォームは好調なところが多い傾向です。このような業界の大きな変動が起きている要因として、価格面の優位性以外に何か他の要因があるのでしょうか? 大澤社長のお考えをご教示いただけますと幸いです」というご質問です。
大澤:おっしゃるとおりで、2024年頃から各社において、少し明暗が分かれた決算になっていると思っています。クリック課金型に関しては、コストメリットの高さが主要因であると捉えています。
成果報酬型は、エージェントへ相談することができたり、スカウトによる企業との直接対話ができたり、また、クチコミなどの掲載されている情報以外の情報を知ることができたりすることで、会社選びができる点が、ユーザーにとってメリットが大きいと思います。
今はどうしても売り手市場になっており、求職者サイドにしっかりと寄り添ったサービスが選ばれていくと考えています。ですので、クリック課金型なのか、それとも成果報酬型なのかは関係なく、ユーザーにとっていかに利便性があり価値のあるサービスを作ることができているかが、優位性の1つになっていると思います。
そのような中で、「OpenWork」は、クチコミを始めとした企業がなかなか発信していない情報やユーザーにとって知りたい情報が掲載されています。また、信憑性が高いのも特徴です。このようなことから、当社が選ばれているのかと思います。
質疑応答:ブルーワーカー向けの人材紹介市場への参入について
司会者:「ブルーワーカー向けの人材紹介は大きな市場ポテンシャルがあると認識していますが、参入されないのでしょうか? また、参入を検討されていない場合、その理由をご教示いただけますと幸いです」というご質問です。
大澤:毎回近しいご質問をいただきます。スポットワークの領域は非常に注目を浴びており、社会にとっても非常に必要とされているサービスであると思います。もちろん当社は「参入しません」と言い切るわけではないのですが、現時点での優先順位は低いと考えています。
その理由の1つとして、エッセンシャルワーカーの需要は急増していますが、レッドオーシャン化が進んでいるため、当社が今参入することがタイミングとしてどうなのか、ユーザーにとって本当に価値が出せるのかを考えた時に、他にすべきことがたくさんあるというのが、私や経営陣の考え方になっていることが挙げられます。
ただ、今後、社会がどのようになっていくのかはわかりません。当社としても、いろいろなデータを集めていますので、どこかのタイミングで、そのような方々向けにも新しい価値あるサービスを提供していく可能性はあります。したがって、可能性はゼロではないのですが、今のところ優先順位は低いというご回答になります。
質疑応答:「Indeed PLUS」の影響について
司会者:「他社サービスのことで申し訳ありませんが、『Indeed PLUS』についてどのようにお考えでしょうか? 大澤社長の評価と『Indeed PLUS』が今後御社に及ぼし得る影響についてご教示いただけますと幸いです」というご質問です。
大澤:録画されているため、回答するのが難しいところがあります。また、時価総額があまりにも違いすぎるため、私が評価するのは大変おこがましいと思いますが、回答させていただきます。
「Indeed PLUS」の「SHIFT RIGHT(シフトライト)」は正しい方向にシフトしていくというコンセプトであり、母集団形成ではなくて採用成果にこだわります。先ほどお伝えしたクリック課金型の話とは、まさに逆の話になります。
成果にきちんとこだわろうという思想になります。先日も出木場さんが発表されていましたが、AIを活用したキャリアスカウトやタレントスカウトの新機能が、アメリカではすでに運用中であるとのことで、大変すばらしいと思っています。これらの機能が、日本でもしっかりと展開され、より日本にローカライズされたUIやUXが実現されると、当社に影響はないとは言い切れません。
当社を利用していただいているユーザーのみなさまやクライアントのみなさまにも、一定の影響はあるだろうと思っています。
現時点ではユーザーやクライアントが、大きく被っているわけではありません。また、被っていたとしてもクライアント企業が併用しているというケースがほとんどです。
さらに言うと「Indeed PLUS」の掲載先は、正社員だけではない求人なども多く扱っているため、メインターゲットが定まっていません。したがって、当社とは被りにくい部分もあるため、現時点では正直そこまでの影響はないかと思っています。
しかしながら、リクルートがどれだけ日本市場に本気で力を入れてくるか次第では、もちろん影響が出てくる可能性はあると思っています。他社のことですので、ふわっとした回答になり申し訳ありません。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の競合に対する優位性の確保について

司会者:「『OpenWorkリクルーティング』の競合に対する優位性はどのように確保していきますか? また、クチコミを模倣されることも今後は起こり得ると思うのですが、その場合はどのように対応されますか?」というご質問です。
大澤:現在、競合はたくさん出てきています。例えば、当社よりも先に伸びている「ビズリーチ」や、「リクルートダイレクトスカウト」などがあります。その中で、一番の競争優位性は、約2,000万件のクチコミで、その品質は簡単に模倣できるものではないと思っています。また、ネットワークエフェクトがしっかり回っていますので、これを逆に超えていくことは、なかなか難しいのではないかと思っています。
実際に、当社の他にもクチコミサービスを提供している会社があり、当社よりもクチコミ数が多いとアピールしている企業もあります。例えば、トヨタやソニーのクチコミ件数を見比べてみてください。当社のほうが数は多くなっています。
ではなぜ、「『OpenWork』よりもクチコミ数が多い」と謳っているのか、どのようなカウントの仕方をしているのかについてはわかりかねます。「SimilarWeb」などを使ったセッションの数も当社のほうが多くなっています。1件1件の企業との業績や株価と相関があり、査読付きの論文のような社員クチコミを保有している会社は、日本では当社しかありません。このような独自コンテンツを持っていることがユーザーを引きつけ、ユーザーの役に立つサービスを提供していくことができます。
結果として、ユーザーのみなさまが当社を使っていただいたり、クチコミを投稿いただいたりすることでまたコンテンツが増えていきます。これをしっかりと守っていきます。他社が追いつけないぐらい、品質、そして量で圧倒していきます。このことが、当社の優位性を担保し続けられている理由であると思っています。ですので、ここはケチりません。
私は、クチコミを1件1件チェックしていますが、利益を出したいからという理由でそのようなところにかけるコストを減らすようなことはしません。AIなどを活用して、もちろん精度を上げることはしていますが、そこのR&Dにも投資をしていきます。短期的には少しコストがかかる部分にもきちんと投資をして、この優位性を守っていくことが一番大事かと思っています。
質疑応答:意識している競合サービスについて
司会者:「さまざま競合がいる中で、意識している競合サービスはなんですか? それに対する御社の優位性はどこにあるとお考えですか?」というご質問です。
大澤:競争優位性に関しては先ほどお伝えしましたので、競合サービスについてお話しします。
実は、意識している競合サービスは日本にはあまりありません。オンリーワンだと思っていますので、どちらかというと海外になります。例えば、「クチコミ×採用」で非常に伸びている「Indeed」傘下である「Glassdoor(グラスドア)」や、オーストラリアを中心に展開している「SEEK(シーク)」などです。「SEEK」は時価総額が1兆円ぐらいあります。オープンワークもそのぐらいのポテンシャルは本来あると思って事業を展開しています。日本国内で意識しているサービスは、「ビズリーチ」になります。
特に、「ビズリーチ」が優れている点についてお伝えします。当社のユーザー数は現在700万人を超えているのに対して、売上が今年のガイダンスで45億円程度となっています。一方、「ビズリーチ」は当社の3分の1程度のユーザー数である280万人に対して、今年の計画ベースの売上では600億円超えており、正直なところ見事としか言いようがないと思っています。
しかしながら、当社のユーザー数700万人のうちWeb履歴書登録者数だけでも144万人と、「ビズリーチ」の半分ぐらいの数になります。したがって、本来であれば売上が300億円くらいあってもおかしくありません。
どのようにすればよりユーザーのみなさま、クライアントみなさまにマッチングしやすくなるのか、また、マッチングをするだけではなく、よい企業と出会っていただき、よいユーザーと出会っていただけるようにサービスを磨き込んでいくかというところに、まだ改善余地があると思っています。
競争優位性に関してもう少し具体的にお話しします。豊富なユーザーデータと品質の高いCGMによって、低コストで多くの最新のクチコミやユーザーを集めることができています。
「ビズリーチ」が開示している広告費と年間で増えている新規履歴書数と、当社の広告費と年間で増えている新規ユーザー数をCPA換算すると、当社のほうが、四十数倍ほど高くなっています。
したがって、獲得効率は当社のほうが非常に高くなっています。このサイクルを1年1年どんどん回していくとユーザー数も益々増えていきますし、履歴書の数もどこかのタイミングで「ビズリーチ」を追い抜けると私は信じています。
ただ、サービスの磨き込みをしていかなければいけないと思っています。会社の実情が掲載されているということは、企業側からすると苦虫を噛み潰したような思いかもしれませんが、実情を開示している企業のほうが本当によい人を採用できる、ミスマッチのない採用ができると思っています。このような採用が実現できた時に、当社はこの唯一無二のサービスで大きくジョブマーケットをリードしていける存在になるのではないかと思います。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」が好調な理由について

司会者:「『OpenWorkリクルーティング』が好調なのは『履歴書が増えた』『利用する企業が増えた』、どちらの要素が大きいのでしょうか?」というご質問です。
大澤:もちろんどちらも大事なのですが、「履歴書が増えた」のほうが売り手市場においては大事です。もっと言うと、今は開示していませんがアクティブユーザーになります。
現在は、5年や3年に1回転職をする方が出てきているため、「履歴書が増える」だけでなく、過去に登録していたユーザーがアクティブになっていくことがとても大事です。
また、「利用する企業が増える」というよりは、求職者から見て魅力的な企業の利用数が増えることが実はすごく大事です。例えば、「〇〇商事」のような会社からスカウトが来たら、みなさまはわくわくしてうれしくなると思います。
一方で、「OpenWork」上でスコアが高く、非常に魅力的な、その人に合った求人が届くのも大事です。したがって、もちろん両方大事なのですが、単純に数で考えると「履歴書が増える」ほうが大事かと思います。
司会者:「OpenWork」の履歴書がしっかり増えていく中で、求人数が履歴書の増え方に追いついていないといったことはありますか?
大澤:難しいご質問ですが、正直、常にあると言えばあります。「OpenWork」に登録しているユーザーの方は、非常に多様なご経歴をお持ちの方が多く、高年収帯の方から、先ほどお話にあったスポットワークなどを修行にしながらキャリアを積まれているような方もいらっしゃいます。
そのような方に合う適切な求人がまだ見つけられていない、また、そのようなところまでカバーしきれていないということはあります。履歴書が増えすぎて求人数が足りないということはありませんが、登録ユーザーが増えていく中で、もう少しバラエティーに富んだ求人を揃えていかなければいけないという課題は、もちろん常に存在しています。
質疑応答:「オルタナティブデータサービス」の成約までの流れについて

司会者:「『オルタナティブデータサービス』についてですが、こちらは営業もしくは相手方の問い合わせ、どちらで成約が決まることが多いのでしょうか?」というご質問です。
大澤:半々ぐらいになります。私がメディアに出ている影響もあるかもしれませんが、問い合わせも非常に多くなっています。また、「分析してみたい」ということで、引き合わせをいただくケースもあります。
加えて、「OpenWorkリクルーティング」の営業やサポートチームに、お客さまである経営者の方から、もっと採用力を上げたいという理由で、「オープンワークと会っているのだから、何か分析の仕方を教えてよ」といったことを言っていただき、そこから「オルタナティブデータサービス」の営業を行うこともあります。
したがって、半々ぐらいで今伸びているイメージです。
質疑応答:新入社員の配属先について

司会者:「新入社員は、例えば、営業やデータ分析などさまざまな部署があると思いますが、どの部署に重点的に配属されているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:当社の配属先は大きく2つに分かれています。1つはエンジニア職もしくはデータサイエンス、データアナリスト職、もう1つはビジネス職です。エンジニア職に関しては、Webアプリ、ネイティブアプリ、インフラなどさまざまです。
また、エンジニアの志向性にもよります。学生時代に学んできたことや、「フルスクラッチのエンジニアになりたいので、こちらも勉強したいです」など、その方の志向性に合わせた配属を行っています。
ビジネス職は「OpenWorkリクルーティング」が非常に伸びていますので、そちらの営業やコンサルのチームに配属しています。
質疑応答:株主優待制度の変更について

司会者:「2025年2月13日に株主優待制度の導入を発表されてから、同年4月15日に優待内容を『QUOカード』からデジタルギフトに変更されていますが、短期間で変更になった経緯について教えてください」というご質問です。
大澤:「QUOカード」の導入以前から、「OpenWork」の社員クチコミを優待として出してほしいというお声が非常に多くありました。
そして、調査の結果デジタルギフトであれば可能であるということを発見しました。「QUOカードPay」は「QUOカード」のデジタル版になりますので、使い方は一緒です。さらに、他のデジタルギフトへの交換も可能になりますので、利便性が高まります。
したがって、「OpenWork」のサービスを使ってもらえるという点においてもメリットしかありません。株主のみなさまにしっかり報いていきたいため、変更したというのが背景です。
質疑応答:株主優待制度の継続について

司会者:「株主優待制度による販管費増加で、御社の利益率低下を招きませんか? 最近では、他社がこのような高額のデジタルギフトを優待として出し、1回で終了したということが多数発生しています。御社の優待は継続されるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:私もニュースで拝見しました。コメントを差し控えたいところですが、みなさまがご不安になられる点は重々理解しています。
まず、利益率についてです。もちろん一定の販管費が増加することは承知の上です。当社の今の事業計画がしっかりと進捗していく中で、利益率には悪影響が出ないような設計をしています。必ずしもお約束はできませんが、しっかりと当社の計画どおりきちんと成長させていきたいと思っています。
株主還元の更新については、まずは投資家のみなさまに、より多く興味を持っていただきたいと思っています。「OpenWork」は、データベースを溜めていき、それをビジネスに転換しているため、けっこう時間がかかります。「OpenWorkキャリア」に関しては、単体の収益が出るのは相当先の話かと思っています。
長く応援していただいている方はご存知かと思いますが、「オルタナティブデータサービス」の芽が出るまでは、なかなかの時間がかかりました。したがって、オープンワークを長く応援すればするほど、味わい深い事業に成長していくのではないか思っています。
そのような意味合いから、継続保有期間を設けています。株主還元の方針は、もちろん今後の業績推移などを見ながら検討、見直しをしていきたいと思っています。可能な限り株主のみなさまが不利にならないように、継続していきたいと思っています。
質疑応答:ダイレクトリクルーティングによる人材確保について

司会者:「ダイレクトリクルーティングは、『ビズリーチ』でも人気のテーマとなっていますが、こちらは優秀な人材を確保するにはとても有益なサービスであると思います。しかしながら、世の中の全員が優秀だったら世の中が不思議な感じになってしまいます。したがって、優秀な人材は一握りで、普通の人材もより活用するようになれば、おそらく売上も伸びていくと思います。そのような施策はあるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:本質的には一人ひとりに対して適切なキャリアを提案できるようになることが大事になります。私は、人材を「優秀・普通」で分けるのは好きではありませんが、人によって今求めているものはライフステージによっても変わると思います。
例えば、ご病気になってしまったり、介護をされていたり、お子さんが生まれたり、とある理由でお金がたくさん必要だったりといった個々の事情がありますので、本人が今求めているものに対して適切なものを提供していくことが、本質的には大事だと思います。ダイレクトリクルーティングは、昔で言うとヘッドハンティングになります。
売り手市場で人材不足により倒産する企業が出てくる中で、「一握りの優秀な人材」ではなく、企業側からきちんとアプローチして口説いていかないと、これからは人材確保が難しい時代になっていくと思います。
したがって、一握りの層だけではなく、多くの人に対して、きちんとその人に合った提案ができるようになっていくことが、当社が目指していることでもあり、社会はそうなっていくと思っています。そのような中でいくと、ダイレクトリクルーティングのユーザーである求職者に寄り添った人材紹介会社は、これからもどんどんニーズが出てくるのではないかと思っています。
質疑応答:利益が上振れた場合の資金の使途について
司会者:「第1四半期の決算が発表され、純利益の進捗は28.9パーセントとなっていますが、季節性も鑑みて、上振れ余地はあるのでしょうか? 例えば、利益の上振れがある程度見えた段階で、第4四半期に投資を積んで、今の利益に着地するという考え方もあるのではないでしょうか?」というご質問です。
大澤:非常に順調に進捗していると思いますが、まだ第1四半期が終わったところですので、なんとも言えないのが本音です。仮に利益が上振れた時も、考え方は変わりません。今後の成長に向けて、有益に投資できるものがあればしっかりと投資して、翌年以降の成長にきちんとコミットしていきたいと思っています。
投資が計画どおりに進み、ある程度の利益が積み上がれば、みなさまに還元していくことも含めて検討する可能性はあります。現時点ではなんとも言えませんので、そのような状態になったらしっかりと開示します。
質疑応答:今後の成長の鍵となる指標について
司会者:「現在の好調は履歴書の増加が要因とのお話でしたが、今後の成長の鍵になるのは登録者数の増加、履歴書の増加、既存ユーザーの転職率向上のうちどれでしょうか? すべて重要だと思いますが、特に重視している点と現状で最も伸びている指標を教えてください」というご質問です。
大澤:すべて大事なのですが、重視しているのはアクティブユーザーです。こちらは数値を開示していませんが、「OpenWork」を活用いただき、実際に動いている方の数です。開示している数値の中では、履歴書の増加が事業成長に非常に効いてきますし、非常に伸びています。
ほかにも、「OpenWork」を実際に使っていただき、ミスマッチなく転職できた方がどれくらいいるか、転職後にインタビューなどを実施しています。クチコミとの齟齬がなかったかどうかをしっかり確認して、ユーザー満足度を上げ続けていくことも非常に重視しているところです。
質疑応答:クチコミ数と企業評価の信頼性における相関について
司会者:「クチコミの数が多ければ多いほど、企業評価の信頼性が向上すると考えられますが、企業規模に対してどの程度のクチコミ数が必要になるのでしょう? また、クチコミ数が少ない企業の信頼性を向上させるために、なにか施策を行っているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:クチコミの数と企業評価の信頼性の相関はまさにご指摘のとおりです。ただし、単純な量だけではなく、最新性も大事ですので、具体的な閾値の提示は非常に難しいです。同じ10件でも、10年間で10件集まった場合と、3年以内に10件集まった場合とでは、信頼性が違ってきます。そのため、最新性も非常に大事な要素です。
クチコミ数の少ない企業の評価の信頼性については、すでに取り組んでいることとしては、投稿数が少ない間はスコアが中心化されるように設計されています。イメージとしては、例えばクチコミが1件しかなくて、それが5点満点だったとしたら、それだけで評価し、評点を表示してしまうのは危険です。続けて5点のクチコミが来るかもしれませんが、2点のクチコミが来るかもしれません。数が少ないうちはブレ幅が大きいため、最初はスコアリングを中心化させていくようなロジックを入れています。
そもそも、クチコミ以外の情報でもう少し多面的に企業を見られるようにするなど、クチコミ数が少ない会社でも安心して投稿できるような設計について、さまざまなチャレンジをしているところです。より幅広い企業のクチコミ、かつ信頼性が向上するようなデータが載っている状況を目指して取り組んでいます。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の成長について
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』は年率何パーセントくらいで今後も伸びていくイメージなのでしょうか? また、頭打ちになる売上規模を想定している、あるいは、しばらくは伸び続けるイメージをお持ちですか?」というご質問です。
大澤:中期経営計画を出していないため、お約束はできないのですが、いつも20パーセントから30パーセントくらいは着実に伸ばしていきたいとお伝えしています。今は30パーセントを超えていますが、このくらいのイメージでしっかりと伸ばしていきたいと考えています。
その中で、頭打ちになる売上規模についてはご回答が難しいのが実情です。ただし、ユーザー数が「OpenWorkリクルーティング」の3分の1ほどの「ビズリーチ」でも600億円規模であることを考えると、1,000億円くらいまでは日本のキャリア採用や新卒採用の市場だけでも、まだ伸ばしていける感覚を持っています。
もちろん、日本だけだと市場に限界はあると思っていますので、そこから先はまた違う視点を持っていかなければいけないと思っています。
質疑応答:オルタナティブデータサービスについて
司会者:「『オルタナティブデータサービス』はとてもおもしろそうです。現状、売上や利益の比率はどの程度でしょうか? また、現在は大幅な増収となっていますが、今後どの程度の規模まで上昇を見ていますか?」というご質問です。
大澤:売上全体に占めるオルタナティブデータサービスの比率は、まだ数パーセントと非常に小さいものです。
FISとDAPそれぞれの売上比率は開示していませんが、半々くらいとご理解いただけるとよろしいかと思います。利益はFISとDAPいずれも高くなっています。もともと当社が集めているデータを活用したサービスですので、収益性は高くなります。
今後どの程度まで上昇していくかについては、見方が大きく2つあると思っています。オルタナティブデータは世界で数千億円の市場規模がありますが、2030年には十数兆円になるという予測もあります。その中でもクレジットカードデータやPOSデータ、衛星写真データなどは非常に伸び幅があると思っています。
一方で、私の個人的な感覚では、当社は日本語という自然言語で、さらには組織や人というけっこうマニアックなデータに特化していますので、世界では数兆円規模になろうとも、FISとDAPだけではそこまで大きな市場にはならないだろうというのが本音です。
したがって、数億円規模までは伸びていくと思います。なにより機関投資家や名だたる上場企業が当社のクチコミデータを株価の予測や組織改善に使っていることが、クチコミの信頼性を高めていくことにつながります。そのような副次的な効果なども含めて、巨大な市場ではありませんが、価値のある事業なのではないかと捉えています。もちろん、オルタナティブデータは広いため、大きく伸びる可能性もゼロではないと思っています。
質疑応答:看護師のダイレクトリクルーティングについて
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』について、医療機関から看護師の求人依頼はあるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:ご質問の背景には、医療・看護系で急成長している競合他社が多いことがあるかと思います。「OpenWorkリクルーティング」でも実は少しだけ看護師の求人依頼はあります。「OpenWork」上のスコアが高い医療法人が看護師などの求人を出すケースもありますが、かなりレアです。
「OpenWork」では、医療法人のクチコミがけっこう多いのですが、私自身も自分がかかっている病院のスコアが高くて安心したことがあります。そのような医療法人が人手不足で「OpenWorkリクルーティング」を使ったり、医療従事者の方が「OpenWork」のクチコミを見ていたりします。
看護師にユーザーインタビューをしたことがあるのですが、もちろん病院内の風土も大事ですが、報酬や勤務の柔軟性、勤務地、福利厚生なども気になるとのことで、求人数の豊富さが価値になってくると、当社ではまだそこにバリューが出せません。そのため、依頼はありますが、まだ形にできていないのが正直なところです。ただし、目はあると見ており、おもしろい領域だと思っています。
質疑応答:「OpenWork」のブランディング戦略について
司会者:「『OpenWork』はすでにネットワーク効果が発生しており、競争優位性が高いプラットフォームだと認識しています。一方で、認知度は『Indeed』や『ビズリーチ』と比較するとまだ低い状態です。それに対するブランディング戦略を教えてください」というご質問です。
大澤:おっしゃるとおり、大変難しいと感じています。この2年、3年でテレビCMも含めて、私も本を出し、メディアに出て精力的に活動してきたことから、いわゆる助成認知という観点では認知度はかなり上がってきました。しかし、年間で100億円以上広告費を使っているような競合他社と比べると、圧倒的に認知度が低い状態です。私たちの広告宣伝費は年間で数億円ですので、まったく勝てていない状態です。
そう考えた時に、戦略としては2つあります。1つは、認知度を上げていく努力を続けることです。事業もまだ伸びていますし、その分、広告投資できる数も少しずつ増えていきますので、きちんと認知度を上げていき、第一想起されるようになっていきたいと考えています。
もう1つは、助成認知ではなく、転職において「〇〇で役立つとしたら『OpenWork』だ」という、本当の意味で実益があるサービスとして認知されていくことを尖らせていきたいと思っています。そのためにはブランディングだけではなく、機能開発が必要です。AIを活用した、「OpenWork」の自然言語データを使い、「OpenWork」でしか体験できないサービスを開発していますので、ユーザーにとって役立つサービスを提供することとセットで、認知を広げていきたいと考えています。
その上で、現在は関西圏に力を入れています。ランチェスター戦略と言いますか、まずは1つのエリアでしっかりと成果を出していくことも大事かと思っています。「OpenWork」の主戦場は首都圏ですが、違うエリアでも認知を徹底的に高めていき、成果を出そうと取り組んでいるところです。
エゴかもしれませんが、「OpenWork」は本当に良いサービスだと思っています。経営者が自社サービスを良いと思うのは当たり前ですが、絶対に社会になくてはならないサービスだと考えており、他のサービスではなく「OpenWork」を使ったほうが絶対に人生が良くなると思っています。そのため、どうすればもっと利用が広がるか悩んでおり、いろいろ試行錯誤しながら進んでいきたいと思っています。
司会者:先ほど、他社では100億円くらい広告費を投下しており、それに比べて低いというお話がありました。御社も成長する中で広告費を増やしてきているかと思いますが、その効果は感じるものなのでしょうか?
大澤:はい、感じています。ユーザー登録において、職務経歴書や履歴書の登録数はけっこう増えており、その中でも、転職したいタイミングで「OpenWork」の広告に出会った転職顕在層が増えています。
今までは「ビズリーチ」や「リクルート」に登録した2週間後くらいに「OpenWork」に登録するケースが多くありました。これは選考が進んで、最後に2社から内定をもらって、どちらに入社するかを決める時に「OpenWork」のクチコミを見るからです。しかし、この場合は私たちの売上はゼロです。
最近は広告を出稿していたおかげで、「ビズリーチ」や「リクルート」と同じタイミングで「OpenWork」も使ってくれて、横並びで競争できるようになってきています。そのような意味でも、広告の成果は一定程度出ているかと思っています。ただし、競合は非常に大きな会社ばかりですので、そこに対して少ない資本や収益でどう戦っていくかは、知恵を絞ってがんばらないといけないと考えています。
質疑応答:採用市場が冷え込むリスクについて
司会者:「今後、景気後退などで採用市場が冷え込むこともあるかと思いますが、そのようなリスクをどのようにお考えですか?」というご質問です。
大澤:リスクについては、人材サービスに従事する経営者であれば、常に頭に入れておかなければいけないことだと思っています。リーマン・ショックの時も、多くの人材会社で前年比40パーセント減の打撃を受けました。今は人手不足で売り手市場と言われていますが、もう一段と景気後退が進むと、一定程度は採用控えが起きてくると思います。
リスクへの対策は大きく2つあり、1つは景気感応度の違うビジネスをしっかりと立ち上げていくことです。例えば、キャリア採用だけではなく、新卒採用は必ず毎年ありますし、内定承諾率も年々上がっています。この5月のタイミングで、すでに75パーセントの学生が内定を持っている状態です。6月の一斉解禁はどうなったのかという話もありますが、景気感応度の比較的低い新卒採用と、比較的高い中途採用で分けておきます。
また、特に金融向けのオルタナティブデータサービスなど、一度入り込むとなかなか外れにくい事業を増やしていきます。このように景気感応度の違うビジネスをいろいろと組み合わせていくことで、景気後退期でもできるだけ踏みとどまり、下げ幅を小さくしていこうと考えています。
もう1つですが、景気後退は実は人材系企業にとってはチャンスでもあります。コロナ禍の時もそうでしたが、一度採用を控えた後の2022年、2023年はコンサルティング系の会社が思い切って採用を増やし、各社が非常に伸びました。そのタイミングでサービスをきちんと磨き込んで、景気が回復してきた時にしっかりとアジャストできるサービスを作っている会社や、例えばリクルートはグローバルでいろいろな会社を買っていましたが、そのタイミングでM&Aを実行できる会社は大きく伸びています。
景気後退期が来たとしても、その期間をしっかりと耐えられるキャッシュを置いておき、景気感応度を低くすることで耐えられるような事業構成にしておきます。その上で、良いサービスを磨き込んで、M&Aなども実行し、また採用のニーズが増えた時に一気にマスを取っていけると、当社にとってはチャンスでもあると思っています。冷え込みリスクに関してはこのように捉えて、経営を行っています。
質疑応答:営業利益率の適正水準について
司会者:「第1四半期を見てみると、営業利益率が9パーセントから31パーセントと大幅に良くなっていますが、これは昨年度に広告を集中的に投下したからであり、それがなければ通常30パーセントくらいが適正なのでしょうか?」というご質問です。
大澤:おっしゃるとおりです。当社のビジネスは、特に「OpenWorkリクルーティング」では広告だけでなく、人を採用して、営業を行って、求人を集めて、履歴書を増加させて、企業とユーザーが会って、マッチングして、面談して、内定して、入社して初めて課金されるのですが、この期間に8ヶ月かかります。
したがって、投資したものがかなり後に返ってくるビジネスでもあるため、利益は翌年以降の成長に回していかないと、継続的な成長や社会に対する価値を出していくことができなくなってしまいます。利益率は出そうと思えばもっと出せるのですが、きちんと継続的に成長していき、新しいサービスを作り、ユーザーやクライアントに満足していただくことを考えると、20パーセントから30パーセントくらいが適正水準かと捉えています。
質疑応答:関西エリアへの拡大について
司会者:「前回の説明資料に、関西地方など展開エリアの拡大についての記載があったかと思います。状況としては、こちらはうまく進んでいると考えてよろしいのでしょうか?」というご質問です。
大澤:開示していないため、具体的な数値等はお伝えできないのですが、順調に進んでいます。関西拠点も立ち上げて、そちらでの採用もしっかりと進んでいます。まだ言えませんが、来週は私も関西のテレビ番組の収録に行きますし、非常に注目され始めていますので、うまく進んでいると捉えていただいてよろしいかと思います。
来週のメディア出演に向けて、関西のいろいろな会社のクチコミをインプットしているのですが、本当におもしろい会社が多いと感じます。「東京のほうが報酬が高い」「おもしろい会社が多い」と勘違いしている人が多いのですが、関西で働きたいと思っている人も多数います。そのため、ここのマッチングを進めていきます。
これは当社にしかできません。その会社の知名度がなかったとしても、実はキラリと光るおもしろい部分があるのだと世の中に知らせていきます。例えば、関西に帰って働きたいという人もいます。そのような人にきちんと届けていくことが大事だと思っていますし、かなり手応えを感じているところです。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の基本料金への反応について

司会者:「プライシングモデルの見直しで、『OpenWorkリクルーティング』は基本料金120万円を導入しましたが、企業側の受け止め方としてはどのような反応が多いのでしょうか?」というご質問です。
大澤:順調に計画どおり立ち上がっていると感じますが、反応としては3パターンあります。
今まで「OpenWorkリクルーティング」を何度も使っていただいた企業からは、「今までが安すぎたから当然だよね」「これでも安いよね」と言ってもらえています。結局、成功報酬を80万円から70万円に下げているため、たくさん採用している会社からすると、かえって安くなることもあります。1つ目はこのようなポジティブな反応です。
2つ目は、今まで契約したことがなかったお客さまからも「これくらいだよね」「他社と比べたらだいぶ安いため非常によい」という反応をいただき、導入いただいています。
3つ目は、ここをがんばらなければいけませんが、「OpenWorkリクルーティング」は初期費用が無料だったため、「とりあえず導入してみよう」という企業が多くありました。そのような企業に基本利用料をご説明しに行くと、難色を示されます。また、今まで使っていないため、採用成果が出ていないのは当たり前なのですが、「120万円となると二の足を踏むよね」という声もいただきます。
こちらに関しては、ある程度仕方ないと思っています。結局、導入しても求人やスカウトを打たないとユーザーも反応しませんので、無料だからとりあえず導入はしたものの一切使っていなかった企業は、今後もう使わないという選択肢になってもよいかと思います。
ユーザーにとっては、採用に積極的で、スコアも高い企業が「OpenWorkリクルーティング」を使うことが大事だと思っています。反応としてはこの3パターンですが、全体的には順調に推移していると考えています。
質疑応答:現金の使途と配当の可能性について
司会者:「貸借対照表を見ると、第1四半期末で60億円の現金を保有しており、無借金経営となっています。資金について明確な使途はあるのでしょうか?
もしなければ初配当を行うことが容易だと思いますが、検討状況はいかがでしょうか? インフレの中で現金価値は目減りしていると思いますので、本当にもったいないと感じています」というご質問です。
大澤:ご指摘のとおりで、まだ結果は出ていないのですが、以前の決算説明や成長可能性説明資料でも開示したとおり、現金の使途はM&Aを最優先に考えています。人材紹介会社やAI開発の会社など、ワーキングデータを拡充していく上で3社くらいをM&Aのターゲットとしています。
ただし、いい加減なM&Aをするべきではないと思っており、例えば人材紹介会社に「OpenWork」のデータを組み合わせたら本当に新しいキャリアアドバイスのかたちができると思いますし、AIを使えばキャリアアドバイザーの仕事もかなり効率化できます。また、みなさまにもデモをお見せしたいのですが、AIと企業のクチコミデータを掛け合わせて、かなりおもしろいキャリアアドバイスの仕組みも開発しています。
そのような会社とは相性が良いため、しっかりと探して組んでいくことが大事だと思っています。いつもご質問される内容で、そろそろ成果を出さなければいけないと思いますので、がんばって取り組んでいきます。M&Aが成立した後も継続して残存するキャッシュに関しては、還元等も検討したいと思っています。
質疑応答:決算発表後の株価について
司会者:「株価は市場が決めるものですが、決算発表後の直近の株価について、率直なお考えをお聞かせください」というご質問です。
大澤:ストップ高になるなど、当社の株価が上がっていることに対するご質問だと思いますが、株価についてはコントロールできるところではありませんので、ご評価いただけたことは素直にありがたいと思っています。
一方で、当社の価値はこのようなものではないと信じて経営していますので、事業としてはまだ成果を出していきたいですし、日本の働きがいを高めていきたいと考えています。その結果として、企業価値も上げていけるとよいと思っていますので、今まで以上にがんばります。
質疑応答:リンクアンドモチベーションとの関係について
司会者:「競合は大資本とのことですが、親会社であり大株主のリンクアンドモチベーションとの関係について教えてください」というご質問です。
大澤:リンクアンドモチベーションは親会社ではありますが、中身においては目指している世界観が同じで、事業連携等がしやすい関係性だと思っています。リンクアンドモチベーションは働きがいのある会社を増やしていくことを目指していますし、私たちはジョブマーケット全体の働きがいを増やしていきたいと考えています。
リンクアンドモチベーションは組織人事のコンサルティングなどのクラウドサービスを展開していますが、そのようなサービスを使うことで、良い会社が増えていきます。良い会社というのはクチコミスコアが上がっていきますので、「OpenWork」のユーザーにとっては転職先が増えていきます。
そして、「OpenWork」のユーザーが増えれば、良い会社を作らないと採用ができない世の中になっていきますので、組織に対して投資をする会社がもっと増えます。このように目指している世界が一緒ですので、互いに大きなシナジーのある関係性です。
実際に顧客を紹介し合ったり、リンクアンドモチベーションもAI系の開発が非常に強いため、双方でハッカソンを開催して人材の交流を深めたりしており、相互の企業価値に貢献するような関係性です。
司会者:相互にお客さまの紹介を行っているのでしょうか?
大澤:1社だけを紹介するのではありません。例えば、リンクアンドモチベーションは組織人事のコンサルティングを行っていますが、採用に困っている会社に複数の採用サービスを紹介するうちの1つが「OpenWorkリクルーティング」であるといったかたちです。
逆に、当社が営業を行っている中で、「採用だけではなくて『OpenWork』のスコアをどうにかしたい」「スコアの中で人事制度が課題」というニーズがあった際に、紹介するうちの1社がリンクアンドモチベーションであるということです。このように相互に紹介することはあります。
質疑応答:労働人口が減少する中での成長性について
司会者:「今後、日本の労働人口が減少していく中で、御社はどれくらい伸びていくと思っているのでしょうか? 外国人の登録が増えていくなどの見通しがあれば教えてください」というご質問です。
大澤:労働人口もかなりの勢いで減っていますが、日本の人口自体はだいぶ前から減ってきており、流動性が高まっています。海外諸国に比べると、転職の回数は少ないですが、現在は大手企業でも安泰ではなくなってきている中で、1人当たりの生涯転職回数は増えてきています。
そのため、急激に需要が減るようなことはないかと思っています。転職市場にはいろいろな領域がありますが、特にミドルハイキャリア層に関しては今も毎年7パーセントほど伸びています。そのため、ある程度は大きな市場を保てるのではないかと思っています。
「OpenWork」では外国籍の登録はそこまで多くはないのですが、一定数は増えており、「OpenWorkリクルーティング」上には英語の求人もあります。そのような求人情報を目掛けてご登録いただく方もいます。
海外には、「Glassdoor」「SEEK」などで、自分の働き先のクチコミを調べる文化がありますので、そのような意味では日本企業の文化をきちんと知りたいというネイティブの登録も一定数はあります。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の契約企業数の伸びしろについて
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』の契約企業数の今後の伸びしろについて教えてください。御社の強みはクチコミですが、クチコミの品質担保のためにはクチコミ数が大切かと思います。
そうなると、必然的にクチコミ数が集めやすい大企業がメインターゲットになるかと思いますが、日本の大企業数は1万2,000社と言われているため、すでにメインターゲットの3分の1を押さえてしまっているのではないでしょうか? 1万2,000社すべてが顧客になるのは難しいと考えると、もう頭打ちなのではないかと心配しています」というご質問です。
大澤:とても良い質問だと思います。結論から言うと、まったく問題ありません。クチコミ数が多い企業ほど信頼性のある情報になりますし、そのような企業は採用数が多いため、大企業がメインターゲットになるというのはおっしゃるとおりです。
現在の契約社数3,950社のうち、大企業と呼ばれる会社は数百社程度です。「初期費用が無料だからとりあえず使ってみよう」という会社がけっこう多く、ターゲットではない企業も契約社数に入っているのが現状ですので、そのような観点では、当社がメインターゲットにしている大企業の獲得余地はまだ多くあります。
また、これからの時代は大企業だけではなくて、中小・ベンチャー企業の採用も活発化していくと思います。中小企業も合従連衡化していくところが増えていくと思いますし、ベンチャーやスタートアップもまだ元気で報酬水準も上がってきています。ただし、そのような会社はクチコミが集まりにくい傾向があるため、どうすれば安心安全にクチコミを投稿いただけるのか、そしてクチコミ以外でもワーキングデータとして役立つ情報を集めていき、企業の実態を見せていくことについてはいくつか画策しています。
大手も開拓余地がまだたくさんありますし、採用の面では中小・ベンチャーも「OpenWorkリクルーティング」のターゲットに今後なりうると思っていますので、まだ伸び代があると捉えていただけると幸いです。
質疑応答:中期経営計画の開示について
司会者:「本日のセミナーでは開示がありませんでしたが、今後も中期経営計画は出さないのでしょうか?」というご質問です。
大澤:社内ではだいぶ前から中期経営計画があり、毎年きちんと更新しています。しかし、これを開示するかどうか、もし開示するとしたらどの範囲まで開示するかは検討中です。すでに開示している内容としては、例えば「OpenWorkリクルーティング」のプラン変更などもありますが、計画の蓋然性をどのくらい見込めるかが議論になっています。
焦って開示することは、投資家のみなさまのミスリードにもつながります。当社としては中期経営計画を出したい気持ちはあり、わくわくするようなプランニングを考えていますので、もうしばらく検討させてもらえるとうれしいです。
質疑応答:採用状況について
司会者:「御社の採用状況について教えてください。また、4月に新卒採用を行っているようでしたら、どのくらいの期間で一人前になるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:新卒に限らず、非常に活発に採用しています。人件費の増加からある程度推察できると思うのですが、現在は採用人数を増やしています。
これは「OpenWorkリクルーティング」の成長に合わせて営業人員を増やしていることもありますが、「OpenWorkリクルーティング」のサービス改善だけではなく、「OpenWorkキャリア」のような新しいサービスもあります。また近々発表できると思いますが、AIを活用したおもしろい独自のサービスも開発中ですので、それに向けて採用に力を入れ、人員を増やしています。
新卒採用は毎年行い、数名ずつ採用していますが、どのくらいの期間で一人前になるかはビジネスサイドとエンジニアサイドで異なります。
ビジネスサイドでは、戦力化をしっかりとサポートするイネーブルメントの部隊のトップに、もともと「OpenWorkリクルーティング」のマネージャーで一番のエースだった者を置いています。社内で育成を行っていますが、3ヶ月もすると、客先に1人で出ていって、しっかりと営業活動ができるようなところまで標準化が進んでいますので、かなり早く立ち上げができているのではないかと思っています。
エンジニアサイドでは、どちらかというと学生時代にどのくらいチーム開発経験があるかによります。入社前のインターン時代から即戦力としてプロジェクトに入って開発しているメンバーもいれば、入社して3ヶ月、6ヶ月くらいでプロジェクトメンバーとして戦力化していくケースもあるため、人によって差があります。
質疑応答:「オルタナティブデータサービス」の見通しについて
司会者:「『オルタナティブデータサービス』が大きく伸びており、マネタイズが完全に成功して収益化していると聞き驚いています。率直に本サービスの見通しはいかがでしょうか? 企業にとって、とても有用な情報を販売するすばらしいサービスだと思いますので、ぜひとも今後も販売に力を入れていただきたいです」というご質問です。
大澤:グローバルで見た時の市場は非常に大きいのですが、日本語の自然言語かつ人事HRのデータであることを踏まえると、私はけっこう保守的であり、数億円かもう少し上くらいなのではないかと見ています。そのため、ここが伸びていくというよりは、「OpenWorkリクルーティング」のほうが伸び幅はまだ大きいのではないかと思っています。
短期的な見通しですが、FISは一度アルゴリズムを作るための加工データとして入れていただけると、なかなか外れにくく、安定します。一方、DAPの「従業員クチコミレポート」はショットで販売しており、リピートしたとしても1年に1回程度ですので、四半期ごとに波はあると思います。売上が盛り上がる時期もあれば、タイミング的にニーズが合わない時期もあると思いますので、それぞれのサービスで見通しは異なります。
FISとDAPを合わせると、第1四半期に前年比300パーセント増という伸びを示しましたが、どちらかというと、コツコツと少しずつ積み上がっていくサービスだと期待していただけるとありがたいです。販売については、しっかり力を入れていきたいと思います。
質疑応答:大企業でのリストラの影響について
司会者:「最近、大企業での大規模リストラが多くなっています。該当する大企業において、クチコミが増える、履歴書が増えるなど、目に見えた変化はありましたか?」というご質問です。
大澤:率直に言うと、クチコミが増え始めています。私はあらゆる企業のクチコミを読んでいるのですが、クチコミの量というよりも、リストラのニュースが出る前から少しずつネガティブなクチコミが増えてきています。また、該当企業を退職した方や退職を検討し始めた方の履歴書についても、そこまで大きな変化ではありませんが増えています。
ニュースになるような有名な大企業でリストラが起こると、今度はその会社を辞めた方を採用したいという企業が「OpenWorkリクルーティング」を使い始めて、狙い撃ちのようなかたちで採用が進むケースもあります。
質疑応答:売上高や販管費の季節性について
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』経由での入社も1月や4月が多いのでしょうか? 売上の季節性においても、この時期は四半期ベースでピークになると考えてよいのでしょうか? また、販管費についても新卒採用や中途採用などを含め、下期にかけてヘビーテイルになる傾向という認識でよろしいですか?」というご質問です。
大澤:おっしゃるとおり、キャリア採用に関しては1月と4月の期の変わり目で入社する方が多く、そこに売上の波が来る傾向があります。2023年はまさに4月の第2四半期に波が膨れました。2022年、2024年も同様です。
それを上回って成長してくると、第3四半期が第2四半期を超えたり、第4四半期も第2四半期とほぼ変わらなかったりします。2025年も基本的には第1四半期と第2四半期に入社が増えるため売上が伸びていくのですが、第3四半期と第4四半期については詳しくは言えないものの、今のところはそこまで悪くない動きをしているかと思っています。
販管費についてもおっしゃるとおり、ヘビーテイルの傾向にあります。来年もまだ事業成長していく予定ですので、それに向けて人員をどんどん増やしていかないといけません。人を増やして営業したところから実際に売上が上がるのは8ヶ月後ですので、計画に合わせて、The Model型で必要な人員をきちんと確保していきます。
また、今年は広告費も使っていきます。特に下半期に使うケースが多くなるため、そのようなものも含めて、販管費は下期偏重であると捉えていただくとよろしいかと思います。
大澤氏からのご挨拶
たくさんのご質問をいただき、勉強になることも多かったです。毎回同じことをお伝えしていますが、本日のセミナーを聞いてみて「おもしろい」と思っていただいた方には応援していただきたいのはもちろん、その前にぜひ「OpenWork」を使っていただけるとうれしいと思っています。
使ってみると、「本当に良いサービスだな」「おもしろいサービスだな」「応援したいな」と感じていただけると思います。まずは「OpenWork」を使っていただき、それでもなお「おもしろい」と思っていただけた方はぜひ応援いただけると幸いです。本日も長時間ありがとうございました。
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