2Q累計の売上高は前年同期比31.6%増の868百万円、営業利益は同59.1%増の213百万円と大幅増収増益を達成している。ビジネス関連の利用数が堅調に推移したことに加え、コロナ禍を契機に増加したワークボックスやコワーキング施設の利用がコロナ収束後も拡大している。限界利益率の高さと生産性の向上により、増収率を上回る増益率となった。KPIとなる利用数は663千件(業績予想比進捗率51%)、利用総額は2,900百万円(同48%)、掲載スペース数は4.3千件増(同58%)の38.5千件となっている。効果的なオンライン集客でサイトへの流入数が増加しており、特に少人数利用が飛躍的に拡大、平均単価は少人数利用が増えても横ばい、大手企業とのアライアンス拡大(大阪府住宅供給公社、コインスペース、ゴールドジム、東京電力HD、りそなグループ)やグランピングなど新規スペースカテゴリーの増加で掲載数も大幅に伸びている。
インスタベースへの認知とニーズが最も高まる時期は3Qである「10月~12月」であり、通期業績予想に対しては引き続き好調。通期業績予想の売上高は前期比21.2%増の1,806百万円、営業利益は同13.6%増の380百万円で据え置き。
なお、インスタベースは、日本最大級のレンタルスペースのマッチングプラットフォームで、時間単位や1日単位でフレキシブルに使えるレンタルスペースが全国で予約可能となっている。掲載スペース数は2024年9月時点で38,500件を超えている。初期登録料や月額掲載料などはなく、収益はインスタベース上で成立した予約に対する手数料のみで「完全成果報酬モデル」のビジネスモデルを展開している。2023年4月から2024年3月の予約件数において、利用用途別比率はビジネスが34%、趣味・遊び・パーティーが20%、レッスン・講座が13%、勉強・読書11%、スポーツ・フィットネス10%と幅広い利用用途で予約数を最大化している。全体平均リピート率69%。
同社は、特定の利用用途に偏らずに幅広い利用用途としてポートフォリオを広げてきたことで、コロナ禍においても予約数を増加させることができ、さらには、データドリブンな集客でリピート率の高い用途での予約数を大きく増やすことができている。また、2022年3月には旅行業に登録し、大手チェーンホテルをはじめとした宿泊施設の客室を時間貸しとしても数多く掲載し、テレワーク定着等の環境変化に迅速に対応している。今後は、インスタベースの底堅い成長に加えて、新規事業の創出に期待したい。既に新サービスとして「TOIRO」も展開が始まっている。イベントを主催する人にとってイベントの日程調整や出欠管理などができるサービスで、便利な機能を順次開発し実装していく予定。インスタベースとの相乗効果も期待でき、中長期的にどのように売上寄与してくるか注目しておきたい。
<NH>
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