1. 中期経営計画の概要
2020年5月に策定した中期経営計画「Vision2023」(2021年3月期−2023年3月期)では、目標指標に2023年3月期売上高200億円(システム開発事業80億円、サポート&サービス事業50億円、パーキングシステム事業70億円)、営業利益12億円、営業利益率6.0%、ROE15%以上を掲げている。
基本方針として、ストック(運用)とフロー(開発)の連携強化による更なる付加価値の向上を目指す。アプリケーション・インフラの両領域における運用と開発の標準的なサービスモデルを構築し、ストックとフローの双方間の付加価値創出ループを強化する。さらに、IT関連事業とパーキングシステム事業の連携強化による新たな事業ドメインの創出・拡大、事業部門を超えた全社レベルでの企画管理機能及びガバナンスの強化、機能分担見直しによる最適なグループフォーメーションの確立などを推進する。
なお生産性向上に向けて、従業員の個性と可能性を発揮できる職場環境づくりが重要という考えのもと、職場環境の改善やメンタルヘルス研修なども推進する。
2. 中期的な高収益化を期待
DXの流れも背景として企業のIT投資が旺盛であり、大企業がシステム保守・運用の外部委託化の動きを強めていることや、大企業グループが発注するベンダーを集約する動きを強めていることも同社のビジネス機会拡大につながるだろう。
下條治代表取締役社長は「新中期経営計画の初年度は、安定収益源だったパーキングシステム事業が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるという厳しい状況でのスタートとなったが、基本方針に変化はなく、この試練をポジティブに捉えて、DXや「新しい日常」に対応するため、改革や新分野へのチャレンジを大胆に推進していきたい。引き続き中期経営計画の目標達成に向けて、ストックとフローの連携強化による更なる付加価値の向上を目指し、収益力を向上して株主還元の充実にも取り組みたい。」と語っている。中期的な高収益化を期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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