インフォメーションクリエーティブ<4769>の事業領域は、ソフトウェア開発から、インフラ設計構築、運用支援までのトータルソリューションを提供するITソリューション事業と、自社パッケージソフトの開発・提供と運用を行うITサービス事業の2つである。2019年9月期実績の売上高構成比でみると、ITソリューション事業が98%前後を占めており、そのうち約44%がソフトウェア開発、約55%がシステム運用である。自社開発パッケージソフトウェア主体のITサービス事業は規模的にはまだ2%前後となっている。
1. ITソリューション事業
ソフトウェア開発、インフラ設計構築、システム運用支援の各サービスにわたる。それぞれ、顧客のニーズに合わせて、ユーザーのシステム部門に常駐して行う場合(役務常駐型)と、自社内で行う場合(一括請負型)との2つの受注形態がある。顧客企業は、SI企業(メーカー系ベンダー、独立系ベンダー)の場合と、エンドユーザー企業から直接受注する場合とがある。エンドユーザー企業の業種は、製造、金融・証券・保険、情報・通信・メディアなど多岐にわたる。創業時からの経緯で、現在も日立グループからの受託が全売上高の5割超(2019年9月期実績で56.2%)を占め、今後も日立グループの業務は継続し、エンドユーザー系の受注の推進との兼ね合いで、5割程度をキープするとのことである。
2. ITサービス事業
各種の業界ニーズに合致した自社製パッケージソフトウェアを開発・販売している。現在は主に、チケット業界向けのパッケージを展開しており、今後、他業界のニーズにも対応した開発を進め、ITサービスの拡大に取り組んでいる。主力サービスとして、チケット管理システム「チケット for Windows」(劇団、楽団、球場など向け)、チケットWeb販売システム「チケットGATE」(コミュニティ・ネットワーク(株)と業務提携)を提供している。
また、同社の連結子会社であるLOCOBEEで、訪日外国人用スマートフォン向けコミュニケーションアプリ『LocoBee』を2017年2月1日よりサービス開始した。また、LocoBeeは「ベトナム人」に絞ったサービスの強化を決断し、現在は第2フェーズの展開を進めている。2018年1月にはベトナム語によるウェブマガジン『LocoBee』、同年6月には訪日ベトナム人向け都内観光・ビジネスサポート「Loco-Assist」をリリース、同年8月にはLOCOBEE上でのベトナム語によるEC販売を開始するなど、サービスメニューの拡大を進めている。正式公開から約1年半の2019年9月には、月間のページビュー数が100万を突破した。また、オンライン学習プラットフォームを運営する(株)シェアウィズと提携し、ベトナム人向けに無料のオンライン日本語学習サービス「NIPPON★GO」をリリースした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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