(4) デジタル教材・ソリューション部門
デジタル教材・ソリューション部門の売上高は、経済産業省主催のEdTech導入補助金対象事業(「未来の教室」実証事業)の関連売上が無くなる影響で前期比3割程度の減収を見込んでいる。このため、城南進学研究社<4720>では学習塾や学童施設、スポーツクラブ、通信サービス事業者などBtoBの販路拡大とサービスメニューの拡充に取り組むことで、「デキタス」のユーザー数を拡大していく方針となっている。サービスメニューについては、2023年4月よりユーザーから要望の強かった学習時間を管理画面上で可視化できる機能を追加したほか、「英語検定」に特化した科目を追加した。利用料金については、従来価格を維持している。
(5) グループ子会社
a) 幼少教育関連
城南ナーサリーや城南フェアリィーで展開している小規模認可保育園(0歳児~3歳児未満対象)については、新規開設予定がなく売上高は若干増で見込んでいる。一方、城南KIDSについては既存校における受入余地があるため、英語検定合格実績等をアピールするなど募集活動を強化して生徒数を獲得し、増収を目指す。
なお、城南ナーサリーで発達障害※を抱えた未就学児童を対象とした児童発達支援施設「フォレストキッズ川崎教室」を2023年6月に新規開設した。専門の資格を持ったスタッフが児童の特性に合わせた個別支援計画を作成し、療育(治療と保育・教育)を行うサービスとなる。障害発達児童の数に対して、児童発達支援施設の数が不足しているのが現状のようで、少子化の進行で保育園事業の拡大が難しくなりつつあるなか、新たな収益源として育成していく考えだ。開設後、約1ヶ月で6~7名の入会申込があり、順調な滑り出しとなっている。定員については、週に何回通うかにもよるが最大で20名程度となる。川崎教室で収益化の目途が立てば、教室数を増やしていくことにしている。なお、利用料金については障害福祉サービスの1つとして提供するため、国の補助金で大半賄われる(3~5歳児は無償)。
※「社会性と対人関係が苦手」「言葉の遅れ」「行動や興味の偏り」「落ち着きがない」「読み書きの習得の遅れ」など生まれつき脳の機能に偏りがあることで、発達に障害が生じていること。
b) 英語教育関連・スポーツ関連・その他
リンゴ・エル・エル・シー及びアイベックの売上高は、コロナ禍の一巡による留学生や海外出張・転勤の需要回復により、増収に転じる見通し。また、久ケ原スポーツクラブについても、耐震工事による休館の影響が無くなることで、若干の増収を見込んでいる。ただ、最近は学校で水泳の授業が実施されなくなってきていることもあり、子どもの入会数が頭打ちとなってきており、今後の経営課題となっている。イオマガジンでは、「デキタス」のコンテンツ制作やシステム開発に注力しており、売上高は前期比横ばい水準を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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