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2024/01/15 - アンジェス(4563) の関連ニュース。*13:04JST アンジェス Research Memo(4):HGF遺伝子治療用製品は2024年前半に国内で本承認を取得する見通し■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向1. HGF遺伝子治療用製品HGF遺伝子治療用製品は血管新生作用の効果を活用して、閉塞性動脈硬化症のなかでも症状が進行した慢性動脈閉塞症向け治療薬として開発が進められてきた。慢性動脈閉塞症とは、血管が閉塞することによって血流が止まり、組織が潰瘍・壊疽を起こして最終的に下肢切断を余儀なくされることもある重篤な疾患である。治療法としてはカテーテル治療や血管バイパス手術

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アンジェス Research Memo(4):HGF遺伝子治療用製品は2024年前半に国内で本承認を取得する見通し

配信元:フィスコ
投稿:2024/01/15 13:04
*13:04JST アンジェス Research Memo(4):HGF遺伝子治療用製品は2024年前半に国内で本承認を取得する見通し ■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向

1. HGF遺伝子治療用製品
HGF遺伝子治療用製品は血管新生作用の効果を活用して、閉塞性動脈硬化症のなかでも症状が進行した慢性動脈閉塞症向け治療薬として開発が進められてきた。慢性動脈閉塞症とは、血管が閉塞することによって血流が止まり、組織が潰瘍・壊疽を起こして最終的に下肢切断を余儀なくされることもある重篤な疾患である。治療法としてはカテーテル治療や血管バイパス手術などが行われているが、手術ができない状態になっているケースも多く、新たな治療法の開発が望まれている。

HGF遺伝子治療用製品は、血管が詰まっている部位周辺に注射投与することによって新たな血管を作り出し、血流回復によって潰瘍の改善を図るものである。国内では2019年3月に「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能、効果または性能として、条件及び期限付販売承認を取得し※、同年9月より「コラテジェン(R)筋注用4mg」として提携先の田辺三菱製薬を通じて販売を開始した。用法は、虚血部位に対して筋肉内投与を4週間間隔で2回行い(4mg/回)、症状が残存する場合には4週間後に3回目の投与も可能となっている(薬価は約61万円/1瓶(4mg))。

※本承認の条件は、1) 重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること、2) 条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと、の2項である。期限は承認日から5年以内。


条件及び期限付承認となるため、製造販売後承認条件評価を実施※1し、同結果をもって2023年5月に本承認の申請を行った。承認された場合は、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入後、初めて条件解除の承認を受ける製品となる。症例データの有効性に関する再現性については問題がなかったようで、2024年前半にも承認される可能性が高いと弊社では見ている。承認された場合には、薬価の引き上げに関して関係機関と協議を進める意向で、市販後調査のデータ結果次第では価格が見直される可能性もある。また、現在は臨床試験を実施した医療施設でしか「コラテジェン(R)」を使用できなかったが、本承認されればその制限も解除されるため、売上規模も拡大する可能性が高い。国内の慢性動脈閉塞症の患者数は約80万人だが、このうち「コラテジェン(R)」が使用可能な患者数※2は0.5~2万人程度と同社では推計している。現在の薬価(約61万円×2回)を前提にすれば、61~244億円の潜在需要が見込める。

※1 120症例のデータを収集し、非投与群(プラセボ)80症例との比較により有効性を確認した。
※2 投与対象肢の動脈に閉塞又は狭窄部位が認められ、かつ潰瘍を有していること(平均10cm程度、最大約30cmまで)。血行再建術の適応が困難なこと。既存の内科的治療や処置による症状改善が認められないこと。血行動態の指標が一定水準以下であることなど。


一方、米国では2019年6月に公表された包括的高度慢性下肢虚血に関するグローバル治療指針※1を踏まえて、下肢切断リスクの低いステージ1~2の患者を対象とした後期第2相臨床試験を実施している。主要評価項目は「潰瘍の改善」と「血流の改善」で、治験プロトコルはHGF遺伝子治療用製品またはプラセボを4週間の間隔を置いて4回投与するというものである。被験者を4mg/回、8mg/回、プラセボの3群に分けて各20症例について12ヶ月の観察期間を設けてデータ収集する。被験者登録は既に完了しており、2024年5月頃に試験結果が判明する見込みだ。結果が良好であればRMAT※2指定制度を活用して早期承認申請を行うか、または次の開発ステージに進むことになる。いずれにしても、導出先の田辺三菱製薬と協議して方針を決定する。国内では症状が比較的重度の患者が対象だったのに対して、米国では軽度な患者を対象としたため開発に成功すれば大きな需要が見込め、同社の収益に貢献すると期待される。

※1 グローバル治療指針(Global Vascular Guidelines:GVG):包括的高度慢性下肢虚血(CLTI:Chronic limb-threatening ischemia)の初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者のQOLの向上を図ることを推奨している。本ガイドラインでは臨床ステージを4段階(clinical stage1~4)に分け、それぞれのステージにおける治療方針が示されており、今回の試験では下肢切断リスクの低いclinical stage1と2を対象としている。このステージの患者には、まず潰瘍の治療を考慮することがガイドラインで推奨されており、該当する患者数は米国で約90万人、このうち10~20万人が「コラテジェン(R)」による治療対象になると同社では見ている。
※2 RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy):重篤な疾患を開発対象とした再生医療の先端治療法で、臨床試験で一定の効果を示したものに対する指定制度。RMAT指定を受けた品目は優先審査と迅速承認の機会を得られる。


そのほか、2022年12月に提携先のKamada※がイスラエル保健省に製造販売承認申請を行い、現在審査中となっている。イスラエルでは通常、審査期間が1年から1年半程度と言われており、順調に進めば2024年前半にも承認取得が期待されるが、パレスチナとの紛争が続いていることから見通しは不透明となっている。

※2019年2月にKamadaとイスラエルを対象国とした導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結した。


なお、「コラテジェン(R)」は販売承認を条件付きながらも国内で得られたことで、国内初の遺伝子治療用製品となっただけでなく、世界初のプラスミド(DNA分子)製品及びHGF実用化製品、末梢血管を新生する治療用製品、循環器医療領域での治療用製品となり、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す同社にとっては大きな第一歩を踏み出したとして評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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