前週末29日に「買われた株！」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は？―

■第一生命ＨＤ <8750> 　4,051円　(+138円、+3.5％)

　第一生命ホールディングス <8750> [東証Ｐ]が大幅続伸し、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ <8306> [東証Ｐ]が堅調な値動きとなった。そのほか、しずおかフィナンシャルグループ <5831> [東証Ｐ]や滋賀銀行 <8366> [東証Ｐ]、楽天銀行 <5838> [東証Ｐ]が高かった。29日、総務省が発表した11月の東京都区部の消費者物価指数（CPI）は、生鮮食品を除くコアCPIが前年同月比2.2％の上昇となり、10月の1.8％から伸び率は拡大。市場予想を上回った。これを受け、12月の日銀金融政策決定会合で、追加利上げが実施されるとの観測が広がり、円債市場で債券先物は売られ長期金利に上昇圧力が掛かっている。金融セクターに対しては、金利上昇による事業環境の更なる好転を見込んだ買いを誘う要因となったようだ。

■ウイングアク <4432> 　3,280円　(+105円、+3.3％)

　ウイングアーク１ｓｔ <4432> [東証Ｐ]が大幅続伸。同社は29日、電子帳票ツール「i-Reporter」などを展開するシムトップス（東京都品川区）と資本・業務提携したと発表。これが材料視されたようだ。同社は29日付で、シムトップス株式の75株（発行済み株式総数の22.7％）を取得。今回の提携により、両社は従来の製品連携に加え、組立加工製造業への提案の幅の拡大を図るとともに、現場から経営までデータに基づいた統合型ソリューションの提供を開始するとしている。

■ビジョン <9416> 　1,439円　(+40円、+2.9％)

　ビジョン <9416> [東証Ｐ]が続伸。29日午前11時30分ごろ、海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」に関して、新たにグアム、ブラジルなど8つの国と地域で超高速5Gプランの提供を開始したと発表しており、好材料視された。これにより「グローバルWiFi」で5G を提供するエリアは50の国と地域になったとしており、更に今後も準備が整い次第、提供エリアを拡大する予定という。

■キムラユニテ <9368> 　1,451円　(+32円、+2.3％)

　キムラユニティー <9368> [東証Ｓ]が続伸。28日取引終了後、120万株（自己株式を除く発行済み株数の5.55％）を上限に29日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引（ToSTNeT-3）で自社株を取得すると発表。これが好感された。買い付け価格は28日終値の1419円。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、キムラユニテは29日に買い付けを実施し、108万9700株を取得した。

■日阪製 <6247> 　984円　(+21円、+2.2％)

　日阪製作所 <6247> [東証Ｐ]が続伸。29日午後2時30分ごろ、25年3月期の連結業績予想について、純利益を18億円から24億3000万円（前期比0.4％増）に上方修正したことが好感された。投資有価証券の一部売却や、補助金収入の発生見込みなどが要因という。なお、売上高370億円（同8.2％増）、営業利益22億円（同10.5％減）は従来見通しを据え置いている。

■共立メンテ <9616> 　2,767円　(+51.5円、+1.9％)

　共立メンテナンス <9616> [東証Ｐ]が続伸。ビジネスホテルやリゾートホテルの運営などを全国展開、インバウンド需要を取り込み業績は好調に推移している。25年3月期は売上高、営業利益ともに2ケタ伸長で連続での過去最高更新が見込まれている。10月の訪日外国人観光客数は単月で過去最高を記録するなどビジネス環境への追い風が強まるなか、内需の好業績株として機関投資家とみられる実需買いが観測される状況にある。

■インフォＭＴ <2492> 　285円　(+5円、+1.8％)

　インフォマート <2492> [東証Ｐ]が3日続伸。29日午後1時ごろ、ＪＴＢ（東京都品川区）のグループ企業であるＪＴＢ旅連事業（東京都文京区）と業務提携契約を締結したと発表しており、好材料視された。ＪＴＢ旅連事業は、ＪＴＢ協定旅館ホテル連盟に加盟している旅館・ホテルを中心に宿泊施設の経営をサポートする企業。今回の提携により、インフォMTが提供する「BtoBプラットフォーム　商談」内に、新たに宿泊業界向けの特設ページ「ホテル・旅館向けマーケットプレイス」を開設し、全国の宿泊施設と生産者・加工食品業者とのマッチングや安定した食材需給運用の支援を行うとしている。

■システナ <2317> 　353円　(+5円、+1.4％)

　システナ <2317> [東証Ｐ]が続伸。28日取引終了後、10月度の月次概況（速報）を発表。売上高は前年同月比14.7％増の69億7300万円、営業利益は同19.6％増の9億6700万円だった。「ビジネスソリューション事業」「次世代モビリティ事業」が全体を牽引した。

■ゼリア新薬 <4559> 　2,325円　(+33円、+1.4％)

　ゼリア新薬工業 <4559> [東証Ｐ]が続伸。28日取引終了後、スイスのグループ会社が香港企業と契約を結んだことを明らかにした。香港のＰｉｏｎｅｅｒ　Ｐｈａｒｍａ（Ｈｏｎｇ　Ｋｏｎｇ）との間で、潰瘍性大腸炎治療剤「ASACOL錠800mg」の中国における流通とマーケティングに関する契約を締結したという。

■ロート <4527> 　2,967.5円　(+34.5円、+1.2％)

　ロート製薬 <4527> [東証Ｐ]が続伸。同社は29日、Ｓｐａｃｅ　ＢＤ（東京都中央区）が進める宇宙実験の機会提供に向けた新たな細胞実験システムの開発に参画すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。なお、Ｓｐａｃｅ　ＢＤは宇宙航空研究開発機構（JAXA）が公募した24年度宇宙戦略基金事業において、「低軌道汎用実験システム技術」の開発実施機関として採択されている。

■アスクル <2678> 　1,865円　(+19円、+1.0％)

　アスクル <2678> [東証Ｐ]が続伸。28日の取引終了後に発表した11月度（10月21日-11月20日）の月次業績で、単体売上高が前年同月比7.1％増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好材料視された。主力のASKUL事業が同7.5％増となったことが牽引した。一方のLOHACO事業も同2.9％増となり、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース