3. 収益構造と市場別サービス
同社のビジネスモデルは、販促や社内教育など顧客が動画を利用することで得られる効果の最大化に寄与するため、「J-Stream Equipmedia」「ライブ配信サービス」「J-Stream CDNext」を提供するとともに、周辺サービスで個別の用途に即した機能拡張をする構成になっている。「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream CDNext」は自社製で付加価値の高いサービスであるため、売上の増加以上に利益が拡大する収益構造となっており、「ライブ配信サービス」も同社のなかで比較的好採算なサービスである。こうしたサービスを、戦略市場と設定した医薬業界のEVC(以下、医薬)領域、医薬業界以外の事業会社のEVC(以下、EVC)領域、メディア・コンテンツ業界を中心としたOTT領域の3領域に展開し、事業拡大することを基本方針としている。各領域ではデジタル化ニーズがそれぞれ異なっており、デジタルマーケティングに対して長年課題のある医薬領域には「ライブ配信サービス」を中心にサービスを提供している。一方、比較的DXが進んでいるEVC領域に対しては、オンライン会議やテレワーク、eラーニング、統合型マーケティングなど、「J-Stream Equipmedia」を中心にラインナップを強化して様々なニーズに幅広く対応している。DXが急速に進んでいるOTT領域では、放送事業者の放送同時配信やコンテンツプロバイダの動画配信サービス参入などを支援している。このように同社は、市場別に顧客にとって最適な形にカスタマイズして商品・サービスを提供しているのである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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