1. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、期初予想を据え置き、売上高を前期比4.3%増の44,500百万円、営業利益を同10.5%増の730百万円、経常利益を同4.5%減の800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同94.8%増の400百万円と増収増益(経常損益を除く)を見込んでいる。
売上高は、引き続き主力3事業がそれぞれ増収を確保する見通しである。「環境機器関連事業」では、新工場の稼働が本格化するインドやスリランカを中心に海外事業が大きく伸長し、「住宅機器関連事業」は、引き続き商品供給問題の解消やリフォーム市場拡大への対応が業績の伸びをけん引、「再生可能エネルギー関連事業」では、安定した売電収益に加え、バイオディーゼル燃料関連事業における新たな展開や太陽光発電施設の販売により増収となる想定だ。
利益面でも、引き続き国内における仕入価格の高騰や、売電事業における出力制限及び材料不足(ケーブル等)によるコスト増の影響を受けるものの、増収による収益の底上げで営業増益を目指す。特に、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めることで営業利益率の改善を図る考えだ。
2. 弊社の見方
弊社では、外部環境(堅調な設備投資需要等)や各事業の取り組みが順調に進捗している状況から、同社の業績予想の達成は十分に可能であると考えている。特にハイペースで進捗している利益面については、上振れの可能性もあると見ている。注目すべきは、中期経営計画の最終年度となる2025年12月期、さらには2030年ビジョンの達成に向けて、いかに成長基盤を強化していくのかにある。想定外の新型コロナウイルス感染症拡大の長期化やサプライチェーンの混乱、物価上昇による影響に加え、インド新工場の立ち上がりの遅れもあり、中期経営計画(利益計画)の達成は厳しい状況だが、足元では各方面で事業拡大に向けたシーズが育ってきたことから、次のステージに目線を向けて事業の進捗をフォローしていくことが重要となろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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