ダイキアクシス<4245>が注力するインドは、市場が好調であることと、新工場の稼働が製造品質の安定化を含め、本格化してきたことで、売上高は328百万円(前年同期は153百万円)、営業損失は20百万円(同90百万円の損失)と大幅な増収となり黒字化も見えてきた。同様に、スリランカについても組立工場の稼働により、売上高は141百万円(同36百万円)、営業利益は9百万円(同9百万円の損失)と黒字化を達成した。インドネシアも、売上高152百万円(同124百万円)、営業損失20百万円(同51百万円の損失)と増収及び損失縮小となった。大型案件は順調に受注するも、完成は下期となるため、通期では黒字化を見込む。一方、日系企業の設備投資需要が減少傾向にある中国は、売上高が66百万円(同164百万円)、営業損失が32百万円(同46百万円の利益)と大きく落ち込み営業損失を計上した。これらから、中国では苦戦を強いられているものの、それを上回る勢いでインド、スリランカが伸びてきたという見方ができる。
活動面でも、インドにおける国有鉄道「駅リニューアルプロジェクト」※1やガンジス川浄化計画※2のほか、スリランカでは、最大手デベロッパーから受注したマンションプロジェクトなどが順調に進んでいる。また、新たに拠点開設したバングラデシュでは、現地政府機関や建設事業者とのリレーションづくりに取り組んだ※3。
※1 デリー周辺10駅分のうち、初回ロットの浄化槽製造を開始した。また、新たに4駅分の浄化槽納入を追加受注し、併せて10年間のメンテナンス契約を行った。
※2 2022年3月に受注したガンジス川浄化計画の支流浄化プロジェクトにおける第1弾の第1工区が完了、第2工区の施工が進行中である(インド下院総選挙の影響により、現在スケジュールの見直し・再構築を行っている)。また、第2弾プロジェクトについても土木工事が完了し、製品出荷の準備中である。
※3 現地政府機関や建設事業者とのパートナーシップ構築を目的とする記念式典の開催や、来日した住宅・公共事業省大臣との意見交換及び工場見学の実施、現地法人として初受注となる政府宿舎への浄化槽納入などである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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