■株式見通し:売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのスタンスに
■南陽、23/3上方修正 営業利益29億円←27億円
■前場の注目材料:ANA<9202>日本郵船子会社のNCA買収、航空貨物の収益拡大
■売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのスタンスに
8日の日本株市場は、売り優勢の相場展開が見込まれそうだが、売り一巡後は底堅さが意識されそうだ。7日の米国市場はNYダウが574ドル安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委での証言で、想定以上に強い経済でピーク金利引上げや利上げペース加速の可能性に言及したため警戒感から売りが先行した。また、長期金利も上昇し、2年債利回りが2007年来の高水準に達したことから、一段と売りが加速した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の28205円。円相場は1ドル137円10銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。パウエルFRB議長の議会証言を受けて、改めて利上げ長期化への懸念が強まっており、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げ観測が不安視されよう。また、パウエルFRB議長はFOMCにおいて、2月の雇用統計と来週のインフレ指標を重視する姿勢を示していることから、経済指標の結果を見極めるまでは、積極的なポジションを取りづらくさせそうだ。
ただし、日経225先物はナイトセッションで一時28460円まで買われる場面が見られ、昨年11月24日に付けた28420円を突破している。その後は米国市場の下落を受けて軟化したものの、いったんは達成感が意識されやすい水準までの上昇によって、利食いは入りやすいだろう。先物市場では週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることから、ロールオーバーが中心であるため、仕掛け的な動きは限られる。そのため、売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのスタンスに向かわせそうだ。
また、朝方は指数インパクトの大きい値がさ株などが指数の重荷となる可能性はあるだろうが、米国市場では銀行、自動車・同部品、不動産、各種金融、素材の下落が目立っていた。幅広い銘柄が売られるなか、東京市場においてもTOPIX型の売りが意識されやすい。海運などの格下げの動きも観測されており、売り一巡後はハイテクなどグロース銘柄の出遅れ修正に伴う押し目拾いの動きなども意識されそうだ。その他は、個別に材料のある中小型株での個人主体による短期的な値幅取り狙いが中心になりそうだ。
■南陽、23/3上方修正 営業利益29億円←27億円
南陽<7417>は2023年3月期業績予想の修正を発表。営業利益を27億円から29億円に上方修正した。新型コロナウイルスの感染動向や資源価格の上昇、部品不足に伴う長納期化の影響等、不透明な状況を勘案し業績予想を策定していた。ただし、建設機械事業において災害復旧工事需要が継続し、レンタル機械の稼働率が向上したことによって、前回発表予想を上回る見通しとなった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(28309.16、+71.38)
・1ドル=137.00-10円
・米長期金利は低下
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
*ANA<9202>日本郵船子会社のNCA買収、航空貨物の収益拡大
*リコー<7752>新中計、25年度に営業益1300億円、デジタルサービスに軸足
*サワイGHD<4887>子会社の生産計画3倍に、25年度に20億錠以上
*丸紅<8002>ベトナム産白身魚を日本投入、米社と連携
*大阪ガス<9532>豪でメタン製造し日本などに輸出へ、25年度投資意思決定
*丸紅<8002>昆虫由来たんぱく質の仏社と協業、養殖飼料など市場開拓
*双日<2768>双日など、豪社に182億円追加出資、重希土類の供給契約締結
*豊田合成<7282>京大発スタートアップに出資、次世代太陽電池を共同研究
*KDDI<9433>「スターリンク」利用の車載・可搬基地局導入
*ダイセル<4202>カラム・充填剤事業を拡大、全方位で攻勢
*白銅<7637>米でアルミ卸買収、優良顧客基盤生かし事業拡大
*花王<4452>新洗浄技術を開発、塗るだけでメイク落とし
*ポーラオルHD<4927>子会社の化粧品2ブランド年内終了
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1月経常収支(予想:-7850億円、12月:+334億円)
・14:00 1月景気動向指数・先行速報値(予想:96.9、12月:97.2)
・14:00 2月景気ウォッチャー調査・現状判断(予想:49.0、1月:48.5)
<海外>
特になし
<NH>
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