今週の新興市場は大幅下落。同時期の騰落率は、日経平均が-6.21%だったのに対して、グロース市場指数は-6.55%、グロース市場250指数は-7.07%と日経平均を上回る下落となった。プライム市場同様、半導体株下落に伴う米株安や中東情勢の緊迫化などが影響して投資家のモメンタムは急速に悪化。グロース市場Core指数構成銘柄など主力株が総じて売り優勢となった。下落時にも売買代金が膨らまず、押し目を狙う投資家が不在となったことで、グロース市場指数、グロース250指数ともに年初来安値を連日で更新する弱い相場展開に。週末のグロース250指数は昨年の安値圏(昨年安値は618.70)に迫る629.46まで一時売られた。
個別銘柄では、コンヴァノ<6574>が、筆頭株主の青木剛志氏が保有する同社株の全てを青木氏が社長を務める資産管理会社のNTに譲渡したと発表し買われた。また、エコモット<3987>は連結子会社のGRIFFY社(東京都)が大林組<1802>と共同で現場作業員の体調管理ソリューション「GenVital」を開発したと発表し買われた。決算関連銘柄ではギックス<9219>、GRCS<9250>が買われた一方、ジェイドグループ<3558>、バリュエンスホールディングス<9270>が売られた。そのほか、エフ・コード<9211>は、公募・売出による株式価値の希薄化などが嫌気され売りに押された。
■引き続き手掛かり材料難か、IPOは2社
来週の新興市場は、引き続き手掛かり材料難の地合いとなり厳しい展開となりそうだ。来週はシーユーシー<9158>が4月24日に決算発表を控えているものの、グロース市場Core指数構成銘柄など主力処の決算発表は5月中旬に集中している。なお、シーユーシーは難病患者向けホスピスや訪問看護などを手掛けており、テーマ性を考慮すると物色の核とはなりにくいとみられる。
米ハイテク株中心に調整局面を迎えており、プライム市場の主役でもあった半導体株は売り優勢の地合いとなっている。プライム市場の調整入りでグロース市場に資金流入といった展開を期待したいところだが、今週18日のグロース市場の売買代金は955億円と昨年12月11日の937億円以来の低水準となった。投資家のマインド悪化に伴い、下落している主力株への押し目買いは手控えられ、足元急落していたアンジェス<4563>やキャンバス<4575>への自律反発狙いの短期的な売買に留まっている。核となる銘柄が存在しないことから物色は広がらず。来週も、足元の急落銘柄の自律反発か、データセクション<3905>やLaboro.AI<5586>など値動きの大きい銘柄への短期資金流出入といった消去法的な売買が中心となりそうだ。グロース市場指数、グロース市場250指数の年初来安値圏での推移はしばらく続くと考える。
なお、24日に電力供給エネルギー事業者へのBPOなどを通じたDX支援を手掛けるレジル<176A>、25日に細胞加工物の製造受託などを手掛けるコージンバイオ<177A>がグロース市場にそれぞれ上場する。初値形成後のパフォーマンスが厳しい直近IPOが多いことからセカンダリー投資には注意が必要だ。
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