■新生銀 <8303> 1,740円 (+300円、+20.8%) ストップ高
東証1部の上昇率トップ。新生銀行 <8303> がストップ高。SBIホールディングス <8473> が9日の取引終了後、完全子会社のSBI地銀ホールディングスと共同で新生銀に対しTOBを実施すると発表した。TOB価格は1株2000円としており、新生銀株はこの価格を意識した動きとなった。買い付け予定数の上限は5821万1300株(下限設定なし)で、買い付け期間は9月10日から10月25日まで。SBIグループが上限まで買い付けた場合、新生銀株の所有割合は現在の20.32%から48.00%となる見通し。なお、同TOB成立後も新生銀の上場は維持される予定。これを受けて、新生銀はコメントを発表。「SBIホールディングスより事前の連絡を受けておらず、本公開買い付けは当行取締役会の賛同を得て実施されたものではない」としている。
■CRE <3458> 2,450円 (+375円、+18.1%)
東証1部の上昇率2位。シーアールイー <3458> が6連騰、上場来高値圏を突き進む展開となっている。9日の取引終了後に21年7月期決算を発表し、売上高は475億5600万円(前の期比15.4%増)、営業利益は57億7200万円(同36.5%増)で着地。続く22年7月期の連結業績予想も、売上高616億円(前期比29.5%増)、営業利益86億円(同49.0%増)と大幅増収増益見通しで、これを好感した買いが膨らんだようだ。前期は、不動産管理事業においてマスターリース物件が引き続き高い稼働率を維持し、管理面積も堅調に推移したほか、物流投資事業で開発物件やリノベーション物件の売却を行い、業績に寄与した。今期についても、開発物件の順次売却を見込んでいる。あわせて、26年7月期を最終年度とする第2次中期経営計画を発表。最終年度の目標数値として、営業利益に持ち分法投資損益とのれん償却費を加えた事業利益ベースで120億円(21年7月期実績62億円)、自己資本利益率(ROE)15%以上を掲げた。
■日本鋳造 <5609> 1,000円 (+137円、+15.9%) 一時ストップ高
日本鋳造 <5609> [東証2]が大幅高で3日続伸。JFE系の鋳造専業メーカーで、低熱膨張合金の提供では30年以上の高い実績がある。9日取引終了後、宇宙での地球・天文観測衛星の軽量化を目的に2019年度から2年間にわたって進めてきたJAXAとの 3Dプリンターによる低熱膨張合金の軽量化研究で基礎段階が完了したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。なお、同社は今後期待される3Dプリンター品の活用拡大に向け、3Dプリンター独自の機能を活用し、機械的特性や熱膨張率に関する傾斜機能材の開発にも着手していることもあわせて発表している。
■アルファクス <3814> 749円 (+100円、+15.4%) ストップ高
アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]がストップ高。10日午前10時ごろ、サイゼリヤ <7581> がアルファクスの配膳AIロボット「サービスショットα2号機」の実証実験を開始したと発表しており、今後の展開への期待が高まったようだ。実証実験店は「サイゼリヤ台場フロンティアビル店」で、配膳や皿の回収(下げ膳)に関する運用について顧客や従業員の目線で確認し確立させ、店舗拡充していく予定。
■アドウェイズ <2489> 787円 (+100円、+14.6%) ストップ高
東証1部の上昇率3位。アドウェイズ <2489> がストップ高。9日の取引終了後、子会社UNICORNが、日本で初めてApple Search Ads Partnerに認定されたと発表。「Apple Search Ads」は、アップル
■エイシアンS <8946> 99円 (+12円、+13.8%)
ASIAN STAR <8946> [JQ]が急反騰。9日の取引終了後、中国で健康コンサルティングサービスを展開する広東泛華藍十字健康管理と医療健康サービス分野で戦略的提携したと発表。広東泛華藍十字健康管理の所属する泛華金融ホールディングスグループは、中国大手の独立系O2O金融サービスプロバイダーである泛華金融控股集団を親会社とする企業グループで、中国国内の個人・法人顧客に対し、生命保険・損害保険など各種保険の販売代理・仲介・請求代理などのサービスを提供している。今回の戦略的提携は、泛華金融ホールディングスグループの顧客に対して、日本の高水準の医療健康サービスを提供することが目的で、訪日健康診断・先進医療治療・医療ツーリズムなどのコーディネートサービスの提供を計画しているという。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
■ベルテクス <5290> 3,315円 (+220円、+7.1%)
ベルテクスコーポレーション <5290> [東証2]が3連騰し年初来高値を更新した。9日の取引終了後、第2四半期累計(4-9月)連結業績予想について、営業利益を15億円から21億円(前年同期比57.0%増)へ、純利益を13億円から14億8000万円(同27.4%増)へ上方修正した。売上高は従来予想の160億円(同6.3%増)を据え置いたものの、中核事業会社であるベルテクスにおいて、低採算製品の取り扱い見直しなどによる販売単価の上昇や製品売上原価の抑制などの合併によるシナジーがあったことが寄与する。
■タマホーム <1419> 3,095円 (+195円、+6.7%)
タマホーム <1419> が4日続伸。9日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を15万1500株(発行済み株数の0.51%)、または5億円としており、取得期間は9月13日から14日まで。株主還元の強化及び資本効率の向上を図るためとしている。同時に8月度の受注速報を発表し、前年同月比4%減と17ヵ月ぶりに前年実績を下回った。令和3年8月豪雨の影響により8月12日~17日に111店舗が臨時休業となったことなどが響いた。
■杉村倉 <9307> 668円 (+42円、+6.7%)
杉村倉庫 <9307> [東証2]が急反発で年初来高値を更新。10日、横浜市の山中竹春市長が所信表明演説でカジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致撤回を正式表明したことが複数のメディアによって伝えられており、IR誘致レースで大阪が優位との見方が強まったようだ。大阪IR関連に位置づけられる同社株は、既に8月の横浜市長選を受けて動意づいていたが、今回横浜市がIR誘致を正式に撤回したことで改めて物色の矛先が向かったとみられる。同じく関連銘柄の櫻島埠頭 <9353> [東証2]も高い。
■アララ <4015> 1,360円 (+79円、+6.2%)
アララ <4015> [東証M]が急反発。10日午後0時30分ごろ、8月に持ち分法適用関連会社となったバリューデザイン <3960> [東証M]と業務提携の検討を開始したと発表。決済サービス分野をはじめ、店舗の販促・集客を中心としたマーケティング領域でのデジタル化関連サービスの開発・展開などについて検討を行う予定。
■東洋水 <2875> 5,130円 (+255円、+5.2%)
東洋水産 <2875> が続急伸。SMBC日興証券が9日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を4720円から6000円へ引き上げた。今年10月から小麦価格が前年同期比26%の大幅アップになることが確定した(9月8日農水省発表)が、同証券では、これを受けて国内即席めん値上げの可能性が高まってきたと指摘。即席めんは値上げに強いカテゴリーで、15年、19年の値上げも収益性の改善につなげてきたとしており、23年3月期の営業利益予想を345億円から397億円へ引き上げている。
■東エレク <8035> 54,550円 (+2,550円、+4.9%)
東京エレクトロン <8035> が12連騰。目先利益確定売り圧力も拭えないものの、下値では押し目買いニーズが旺盛だ。株価は既に最高値圏で推移しているが、世界的な半導体不足を背景とした半導体大手メーカーの設備投資需要は高水準であり、半導体製造装置国内トップの同社株には海外投資家とみられる買いが継続した。前日9日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合指数ともに下落した一方、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら3日ぶりに反発しており、東京市場でも同社株など半導体セクターにはポジティブ材料となった。
■アステリア <3853> 738円 (+33円、+4.7%)
アステリア <3853> が大幅反発。9日の取引終了後、島津製作所 <7701> の森林保全活動における情報収集ツールの一つとして、同社のモバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」が採用されたと発表。「Platio」は、誰でも簡単に自社の業務にフィットするモバイルアプリを作成・活用できるクラウドサービス。島津製作所では、樹木の種類や生育状況などをPlatioで作成した独自の森林調査アプリに記録することで森の維持・管理を効率化し、計画的な森林保全向けた取り組みを開始するという。
■クレハ <4023> 8,240円 (+340円、+4.3%)
クレハ <4023> が大幅反発。10日付の日本経済新聞朝刊で、「車載リチウムイオン電池の正極材に使うフッ化ビニリデン樹脂の生産能力を現在の2倍となる年2.1万トンに高める」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、中国や欧州で旺盛な電気自動車(EV)向けの需要を取り込むのが狙いで、24年夏に中国で新工場を建設し、26年度中にもフル稼働する予定という。
■ツクルバ <2978> 1,140円 (+46円、+4.2%)
ツクルバ <2978> [東証M]が大幅反発。9日の取引終了後、集計中の21年7月期の単独業績について、売上高が14億7200万円から16億2400万円(前の期比5.5%減)へ、営業損益が5億6300万円の赤字から3億5800万円の赤字(前の期1億5000万円の赤字)へ、最終損益が5億8700万円の赤字から4億8200万円の赤字(同4億3100万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表。主力のカウカモ事業への問い合わせ数・接客数が想定よりも増加し、流通総額(GMV)が拡大したことが売上高・利益を押し上げた。また、固定費その他の経費の削減や生産性向上によるコスト圧縮を行ったことも寄与した。
■積水ハウス <1928> 2,362.5円 (+89円、+3.9%)
積水ハウス <1928> が大幅反発。9日の取引終了後、22年1月期の連結業績予想について、売上高を2兆5520億円から2兆5530億円(前期比4.3%増)へ、営業利益を2000億円から2200億円(同18.0%増)へ、純利益を1350億円から1480億円(同19.8%増)へ上方修正し、あわせて43円を予定していた期末配当予想を45円にすると発表した。上期業績の進捗が順調なことに加えて、国内外の戸建住宅・賃貸住宅関連事業の受注獲得が好調なことが要因。また、1棟当たりの単価が上昇し利益率が改善していることも寄与する。なお、年間配当は88円(従来予想86円)となり、前期に対して4円の増配になる予定だ。同時に発表した第2四半期累計(2-7月)決算は、売上高1兆2236億円(前年同期比4.8%増)、営業利益1096億9300万円(同18.4%増)、純利益725億5200万円(同22.1%増)だった。
■福島銀 <8562> 259円 (+9円、+3.6%)
福島銀行 <8562> が大幅高。9日、SBIホールディングス <8473> が新生銀行 <8303> に対してTOBを実施することが明らかとなり、これを受けてSBIグループと提携関係にある地銀株に思惑的な物色が向かった。福島銀のほか、島根銀行 <7150> やじもとホールディングス <7161> 、筑波銀行 <8338> などが買われた。
■東海ソフト <4430> 1,403円 (+48円、+3.5%)
東海ソフト <4430> が5日続伸。独立系のソフトウェア開発企業で車載ソフトやIoT関連などで高い競争力を有する。車載用では安全性に対応した量産ソフトウェアの開発から試作ソフト開発まで幅広い領域に対応している。電動化戦略を推進するトヨタ自動車 <7203> では、2030年までに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車をグローバルベースで800万台販売する計画を打ち出している。そうしたなか、トヨタは7日にオンラインで電池事業の説明会を開催、30年までに研究開発や生産設備に1兆5000億円を投資すると表明しており、関連銘柄が動意づく背景となった。東海ソフトはトヨタのEV生産本格化にともない、車載用制御ソフトなどの受注拡大が見込まれる状況にある。
■トランスコス <9715> 3,755円 (+125円、+3.4%)
トランス・コスモス <9715> が大幅続伸し年初来高値を更新。9日の取引終了後、韓国子会社と組んで、韓国企業が「楽天市場」に出店する際の業務をワンストップで支援するサービスを開始したと発表。新サービス「Global E-Commerce Service」は、韓国のブランド企業が「楽天市場」に出店する際の申し込み、店舗ページ作成、ブランド展示コンテンツ企画、デザイン、日本語翻訳など、出店に必要なすべてのプロセスを代行し、出店後の広告企画、マーケティング、分析、アフターサポートなどの運用までをワンストップで提供する。第1弾として、バイオベンチャー企業であるネクスモス社の日本向け越境ECを支援するとしている。なお、同件による当面の業績への影響は軽微としている。
■フォーカス <4662> 1,076円 (+35円、+3.4%)
フォーカスシステムズ <4662> が大幅反発。9日の取引終了後、横浜市立大学放射線診断学教室と共同で、脳の核医学検査で「SPECT装置」で生成された画像を人工知能(AI)で高精度化する研究を開始したと発表。現在、認知症やパーキンソン病などの診断にはSPECT検査と呼ばれる検査が必要で、検査を行う「SPECT装置」の中でも、高性能・高価な「SPECT/CT装置」と、CT一体型でない比較的安価な「SPECT装置」がある。同研究では「SPECT装置」でも「SPECT/CT装置」と同等の医用画像を生成することを目指しており、これが実現することで、患者は医療分野において課題視されるCTによる放射線被ばく線量を抑えられるほか、病院やクリニックなどでも高価な「SPECT/CT装置」を導入することなく精度の高い画像診断を行えるようになるとしている。
■テリロジー <3356> 469円 (+14円、+3.1%)
テリロジー <3356> [JQ]が大幅反発。10日午前11時30分ごろ、廃棄物処理業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を手掛けるCBA(東京都目黒区)と資本・業務提携に関する契約を締結したと発表。今回の提携により、廃棄物処理業界にセキュリティーの高い最新のクラウドサービスを提供し、廃棄物処理に必要な一連の業務を合理化、最適化する。更にサービスによって蓄積されるデータを積極活用し、従来焼却処理されていた廃棄物を資源化可能物と処分物に選別し、デジタルのチカラで最適な処理を実施することで資源循環を推進するという。また、資本面ではCBAが発行する第1回J-KISS型新株予約券を5000万円で引き受けるという。なお、22年3月期業績への影響は軽微としている。
■フルスピード <2159> 395円 (+11円、+2.9%)
フルスピード <2159> [東証2]が高い。10日午後0時50分ごろ、海外向け成果報酬型広告「Webridge」の開発運営を行う子会社フォーイットが、ブロックチェーン技術を活用したファンタジーフットボールゲーム「Sorare(ソラーレ)」を展開するフランスのソラーレ社と協業すると発表。Sorareは、現実のサッカーの試合の戦績がゲームのスコアに反映される、新感覚のブロックチェーンゲーム。ユーザーは、世界中のクラブチームから選手(デジタルトレーディングカード)を集めてチームを編成し、他のユーザーとスコアを競い合い、チーム選手が実際の試合で活躍すれば高スコアを獲得し、成績上位にランクインするとイーサリアム(ETH)やレアカードなどの賞品が贈られるという。今回の協業により、Webridge独占でのパフォーマンスマーケティングでの取り扱いを開始した。
■イチネンHD <9619> 1,329円 (+35円、+2.7%)
イチネンホールディングス <9619> が4日続伸。9日の取引終了後、35万株(発行済み株数の1.42%)の自社株を9月24日付で消却すると発表。なお、消却後の発行済み株数は2426万2227株となる予定だ。
■シマノ <7309> 34,480円 (+830円、+2.5%)
シマノ <7309> が反発。9日の取引終了後、33万株の自社株を10日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表したことが好感された。
■ディーエヌエ <2432> 2,095円 (+41円、+2.0%)
ディー・エヌ・エー <2432> が反発。SMBC日興証券が9日付で投資評価を「3」から「2」とし、目標株価を1700円から2500円へ引き上げた。同証券では、ライブストリーミング事業とスマホゲーム「ウマ娘プリティーダービー」ヒットによる持ち分法適用関連会社Cygamesの好調を反映し、22年3月期の営業利益予想を129億円から171億円へ、23年3月期を同132億円から163億円へ上方修正した。主力のゲーム事業で既存タイトルの収益減衰などの懸念があるが、好調なライブストリーミング事業によりカバーし、中期的安定成長の確度が増したと評価している。
※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
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