インゲートは「“人”と、“IT”を支援する」をミッションとして2006年の設立以来、人材紹介事業で企業の人事戦略の強化支援を、ITソリューション事業で上流工程から下流工程まで一気通貫の支援を価値としてサービスを提供、両事業が採用や営業面で密接に連携しており、相互のシナジーを活かした利益率の高い独自の事業モデルを構築している。2024年3月期は売上高が前期比3.5%増の1,566百万円、営業利益が同4.5%増の299百万円と増収増益であり、純資産1,060百万円となっている。
インゲートをグループ会社とすることで、クラウドワークスの全社売上総利益の約6割を占めるエンジニア/デザイナー領域において、より付加価値の高い提案が可能となる。クラウドワークスのプラットフォームに登録するクライアント企業は99.0万社、登録ワーカーは654.8 万人を突破し、人材マッチング市場のリーディングカンパニーとしての地位を確立している。当プラットフォームに登録しているフリーランス人材がインゲートの開発・運用案件に参画することで、両社の成長が見込まれることになる。加えて、クラウドワークスの99.0万社の顧客基盤の活用や採用面でのシナジーにより、インゲートの人材紹介事業の収益成長も見込まれる。
今回の取得費用は2,400百万円。インゲートの連結子会社化によるクラウドワークス連結業績への取込みは、2025年9月期第1四半期からとなる。2024年11月に開示予定2024年9月期通期決算説明資料にて、インゲート取込後の2025年9月期業績予想が開示される。クラウドワークスの既存コア事業である人材プラットフォーム事業とのシナジーを鑑みれば、遠くない将来において、のれん償却もこなしての利益貢献が見込まれる。
なお、同社のM&Aを推進する体制は段階的に強化されており、前期2024年9月期は年間5件のM&A・資本業務提携を実行、前々期までの年間2件ペースから倍増した。前期以前のM&Aが比較的うまく同社に融合しているのは数値が示すところであるが、8月からはM&Aの体制を大きく拡充するため、執行役員4名がM&AとPMIの両面で緊密に連携する執行体制に移行した。加えて、M&A等の成長投資枠として120億円(現預金からの拠出分 20億円、借入枠100億円)の原資が確保可能となっており、同社はこれらのM&A推進体制の大幅強化により、これまでとは異なる非連続な成長を目指す方針だ。
同社グループの事業領域は、創業事業のフリーランス市場から、派遣事業・副業事業・コンサル/BPO事業へ拡大している。この成長施策の一環として、7月にUI/UXデザインに強い開発会社(ソニックムーブ社)を買収。同社の高度専門職のフリーランス人材とUI/UXの開発力を組み合わせたDXコンサルティングを強化する方針となっている。今回発表したインゲートの連結子会社化により、同社グループのDXコンサルティング領域がさらに強化される見通しであり、同社の成長加速に向けたM&A戦略の加速が着実に進んでいる。
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