米株安や前日に急反発した反動が意識された日経平均は71.41円安からスタート。序盤は前日に続き短期的な底入れを意識した買いが入ったほか、香港ハンセン指数の大幅高を背景に上昇に転じる場面もあった。しかし、今晩に米雇用統計の発表を控えるほか、国内は3連休前ということもあり様子見ムードが強く、その後は前日終値を挟んだもみ合いに終始した。
大引けの日経平均は前日比80.69円安の30994.67円となった。東証プライム市場の売買高は14億3721万株、売買代金は3兆2001億円だった。セクターでは鉱業、精密機器、電気機器が下落率上位となった一方、海運、パルプ・紙、電気・ガスが上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の28%、対して値上がり銘柄は70%だった。
個別では、原油市況の下落を受けてINPEX<1605>、石油資源開発<1662>が連日で大きく下落。米オープンAI社が独自のAIチップを製造する見込みとの一部報道を受け、米エヌビディアの業績に対する懸念が台頭したか、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、芝浦メカ<6590>、東京精密<7729>、ローツェ<6323>などの半導体関連が大きく下落。為替の円高進行を受けて三菱自動車<7211>など輸送用機器が軟調。三菱UFJ<8306>などの銀行は長期金利の低下で売られた。好決算ながらも出尽くし感が先行したオンワード<8016>やトーセイ<8923>、国内証券が投資判断を引き下げたUBE<4208>が大きく下落。ほか、MSOL<7033>、M&A総研HD<9552>、インソース<6200>などのグロース(成長)株の下落が目立った。
一方、原油安を背景にコスト高懸念が和らいだ三菱製紙<3864>や東北電力<9506>
などのパルプ・紙、電気・ガスが大きく上昇。バリュー(割安)系では川崎汽船<9107>を筆頭とした海運が大幅高。業界再編に対する思惑が続き、マネックスG<8698>
を筆頭にマネーパートナーズ<8732>など証券・商品先物取引が高い。前日戻りの鈍かった三菱商事<8058>、住友商事<8053>の大手商社の一角が大幅高。JAL<9201>、山崎製パン<2212>、武田薬<4502>、JT<2914>などのディフェンシブのほか、金利の上昇一服を背景に住友林業<1911>、住友不動産<8830>の建設・不動産も高い。業績・配当予想を大幅に上方修正した三陽商会<8011>はストップ高まで買われた。好決算が手掛かりとされた薬王堂HD<7679>、キユーピー<2809>、既存店売上高の動向が好感されたジンズHD<3046>も大幅高となった。
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