「量子コンピューター」のテーマ性再燃、米主導で最先端分野への投資積極化へ<注目テーマ>
1 5G
2 人工知能
3 バイオテクノロジー関連
4 キャッシュレス決済
5 全固体電池
6 元号関連
7 再生医療
8 サイバーセキュリティ
9 量子コンピューター
10 RPA
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で「量子コンピューター」が9位にランクされている。
世界で開発競争が先鋭化している半導体の高集積化の動きだが、最近は新たな次世代テクノロジーの出現で流れが少なからず変わる可能性も出ている。コンピューターの基本コンセプトである「01」の世界から離れ、量子力学的な重ね合わせにより、極微の世界で起こり得る物理現象により並列コンピューティングを実現させるという「量子コンピューター」への取り組みがそれだ。
量子コンピューターはスーパーコンピューターですら千年単位の気の遠くなるような時間を要する演算を数時間で完結してしまうという夢のような技術領域で、今後人工知能(AI)の飛躍的発展にも密接に関わってくる。
米国ではグーグルやアマゾン、フェイスブック、アップルなど「GAFA」と呼ばれる時価総額上位の主力IT企業が、AIや自動運転と並んで量子コンピューター分野に積極投資する姿勢をみせている。日本でもこれにキャッチアップするべく、大手電機メーカーや通信メガキャリアが強力に経営資源を投下して開発に取り組んでいる。安倍政権も18年度から大学などの研究支援を拡充する方針を明示、産官学の連携に傾注する構えだ。
国内で民間企業の先頭を走る富士通<6702.T>は昨年11月に、AIや量子コンピューターの先進地域である北米(カナダ・バンクーバー)に世界戦略の拠点となる新会社を設立、同分野に特化して5年間で4000億円規模の売り上げを目指す計画が伝わっている。また、NEC<6701.T>も産業技術総合研究所と共同で量子コンピューターの研究室を今年3月に新設する予定、社会への実装を念頭に同分野の技術開発を加速させる方針だ。
さらに、通信メガキャリアではNTT<9432.T>が同分野に早くから取り組んでいることで知られる。同社の2023年度を最終年度とする中期経営計画ではグループ再編により海外事業を強化し、そのなかで米シリコンバレーに基礎研究の拠点を設立することも発表。AI及び量子コンピューター技術をさらに積極的に深耕する構えをみせている。
こうした動きを背景に株式市場でも量子コンピューター関連株が改めて脚光を浴びる場面が近そうだ。関連銘柄としては、カナダのDウェーブ社と業務提携して各種アニーリングマシンを活用した量子コンピューター導入支援ビジネスに注力するフィックスターズ<3687.T>が最有力。このほか、量子コンピューター開発で使用される可能性が高い微小信号測定器を手掛けるエヌエフ回路設計ブロック<6864.T>や、輸入販売を手掛ける子会社を通じレーザー微細加工システムや世界最高水準のローノイズRFランプなど量子コンピューターにも関連する機器を扱うYKT<2693.T>が常連だ。
これ以外に量子コンピューターの開発で飛躍的にビジネスのキャパシティーが拡大する銘柄として、ブレインパッド<3655.T>、ユビキタス AI コーポレーション<3858.T>、日本ラッド<4736.T>などもマークしておきたい。
出所:minkabuPRESS
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