【QAあり】ディジタルメディアプロフェッショナル、製品事業が成長を牽引し、大幅増収増益を達成、通期業績予想を上方修正
目次
大澤剛氏(以下、大澤):代表取締役専務経営企画部長の大澤です。本日は、株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの2024年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2024年3月期第2四半期決算と2024年3月期通期業績予想について私からご説明し、その後、下期以降の課題と取り組みについて山本からご説明します。
会社概要
2024年3月期第2四半期決算のご説明に入る前に、当社の概要・強みについて簡単にご説明します。
当社は、2002年7月に大学発ベンチャー企業として発足以来、グラフィックス技術を核にして事業を行ってきました。GPU IPが任天堂のゲーム機に採用され、アミューズメント市場向けに2D/3D統合グラフィックスLSIを導入するなどの大きな成果を出してきました。
近年は、アルゴリズム・ソフトウェアからハードウェア、ならびにエッジからクラウドにわたる一貫した開発体制、製品・サービスを提供できることを強みとして、お客さまや社会のシリアスな課題の解決に貢献しています。
2024年3月期 第2四半期 - 業績ハイライト
それでは、2024年3月期第2四半期の業績ハイライトからお話しします。売上高は前年同期比56パーセントアップで第2四半期累計として過去最高を更新しました。経常利益も前年同期比2億3,400万円の増益となるなど、各段階利益は黒字転換しました。
分野別では、6.5号機やスマートパチスロ機などパチスロ市場の活況により、アミューズメント分野の売上高が大幅に伸長しました。また、ロボティクス分野は製品売上が拡大、利益率の高いIPコアライセンス事業もGPU関連が好調に推移しました。
2024年3月期 第2四半期決算ハイライト - 損益計算書
P/Lの概要です。主にアミューズメント分野、製品事業の伸長により大幅増収となりました。売上高は14億4,200万円、前年同期比5億1,600万円の増収、増収率は55.8パーセントとなりました。
営業利益は1億3,400万円で、前年同期比2億3,700万円の増益となりました。経常利益は1億4,000万円で、前年同期比2億3,400万円の増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は1億2,100万円で、前年同期比2億1,600万円の増益となるなど、利益面では大幅増益となり、黒字転換しました。
2024年3月期 第2四半期決算ハイライト - 事業/分野別売上高
事業別/分野別の売上高です。
まず、事業別です。IPコアライセンス事業は、売上高9,400万円と、前年同期比40パーセントの増収となりました。安定的なセーフティ分野のリカーリング収益に加えて、デジタル機器向けGPU関連の収益が拡大しました。
製品事業は、主に量産向けのグラフィックス半導体「RS1」の売上が大きく伸長したこと、ならびに「Cambrianビジョンシステム」の売上が拡大したことにより、売上高13億100万円と、前年同期比63パーセントの大幅増収となりました。
プロフェッショナルサービス事業は、セーフティ、ロボティクス、GPU分野の受託開発サービスの売上を計上したものの、セーフティ、ロボティクス分野向けが第1四半期にスローであったことにより、売上高4,600万円と、前年同期比22パーセントの減収となりました。なお、セーフティ、ロボティクス分野向けは第2四半期の7月から9月の3ヶ月間に回復しています。
続いて、分野別です。セーフティ分野は、安定的なリカーリング収益に加えて、ドライブレコーダー関連のプロフェッショナルサービスを提供したものの、製品売上が剥落し、売上高3,400万円と、前年同期比30パーセントの減収となりました。
ロボティクス分野は、「Cambrianビジョンシステム」などの製品事業の収益が拡大したことにより、売上高6,900万円と、前年同期比122パーセントの増収となりました。
アミューズメント分野は、「RS1」の好調な量産出荷により、売上高12億5,700万円と、前年同期比59パーセントの増収となりました。
その他の分野では、GPU関連のライセンス収入の拡大により、売上高8,000万円と、前年同期比46パーセントの増収となりました。
2024年3月期 第2四半期決算ハイライト - 貸借対照表
B/Sの概要です。2023年9月末の資産合計は36億9,100万円で、前年度末から1億5,000万円減少しました。これは主に、売掛金及び契約資産が4億2,900万円減少したこと、現金及び預金が1億800万円増加したこと、投資有価証券が1億9,900万円増加したことによるものです。
2023年9月末の負債合計は4億4,600万円で、前年度末から2億7,100万円減少しました。これは主に、買掛金が2億9,100万円減少したことによるものです。
2023年9月末の純資産は32億4,500万円で、前年度末から1億2,100万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、利益剰余金が1億2,100万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は87.9パーセントとなりました。引き続き、運転資金や研究開発体制の充実に向けた投資資金を十分に確保しています。
2024年3月期 通期業績予想
2024年3月期の通期連結業績予想です。5月12日に公表した予想を上方修正しました。売上高は前回予想26億円に対して29億5,000万円、13.5パーセントの増収を予想しています。
営業利益・経常利益は前回予想1億5,000万円に対して2億4,000万円、60パーセントの増益を予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前回予想1億2,000万円に対して2億円、66.7パーセントの増益を予想しています。
第2四半期累計期間の業績は、主に製品事業、アミューズメント分野の活況により、売上、利益とも当初の想定を上回りました。第3四半期以降も堅調な業績推移を見込んでいます。具体的には、アミューズメント分野では、画像処理半導体「RS1」の量産出荷が好調を維持する見通しです。
セーフティ分野では、ライセンス収入、プロフェッショナルサービス収入を見込んでいます。ロボティクス分野では、「Cambrian」等の製品売上、低速自立運転向けプロフェッショナルサービス収入を見込んでいます。その他分野では、GPU関連の堅調なライセンス収入を見込んでいます。
DMPのパーパス
山本達夫氏(以下、山本):私から課題と取り組みについてお話しします。
当社は今年からパーパスとして、「Making the Image Intelligent」を掲げています。これは日本語で「画像を知能化する」という意味です。画像インテリジェンスの力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造することを目的としています。
例えば、当社のセーフティのビジネスは、車に搭載されたカメラを使い、その画像からさまざまな情報を抽出することによって、「安全」という高い付加価値を生み出しています。これは非常に典型的な「画像の知能化」の例と言えます。
また、従来のロボットは、計算した結果によって、目的の座標まで移動することができましたが、ロボットにカメラを装着することで、リアルタイムでさまざまな情報を得て知能化させ、いろいろな複雑な作業を行うことが可能となりました。まさに、画像を通してロボットを知能化していると言えます。
このように、当社の事業は、画像処理の技術とAIの技術をベースに、「画像を知能化」していると言えます。
画像の知能化 - 現実世界の問題解決
その他にも例えば、農業機械や工事現場、ヘルスケアの分野などで、この「画像の知能化」が、非常に役に立つと考えています。
アミューズメント分野
当社の注力分野及び事業に対する取り組みについてお話しします。当社の注力分野は、アミューズメント分野、ロボティクス分野、セーフティ分野の3つです。
まずは、アミューズメント分野についてご説明します。リアルタイム3Dエンジンと、高性能・高圧縮の2D動画エンジンをワンチップ化した「RS1」で、非常に美しい映像表現と、パチンコ・パチスロの部品を共通化することによる筐体のコスト削減を両立しています。
稼働が好調なパチスロの6.5号機やスマートパチスロによって、需要が非常に伸びており、当社の業績に大きく貢献しています。ZEEG社は、サミー社とユニバーサルエンターテインメント社の合弁会社です。業界標準を目指した同社の「ZEEG筐体」3種類に「RS1」が採用されています。
「ZEEG筐体」の採用は、サミー社とユニバーサルエンターテインメント社以外のお客さまにも広がっていることから、当社の「RS1」のマーケットシェアも増えています。2023年7月末現在で、「RS1」を搭載した「ZEEG筐体」の販売が15機種ならびに26万台に到達しました。
なお、これはホールに出荷された数字であり、それ以降も含めて今日現在まで当社から出荷された「RS1」はこの数量を上回っています。
セーフティ分野
セーフティ分野についてご説明します。JVCケンウッド社、デンソーテン社、住友三井オートサービス社などに対する、エッジからクラウドにわたる、ドライブレコーダーを活用したドライバー(車内)監視ならびにADAS(Advanced Driver Assistance System)と呼ばれる車外監視分野の既存プロジェクトからのリカーリング収益を、引き続き獲得しています。
最近では、デンソーテン社が展開する新しい安全運転管理テレマティクスサービス「Offseg」のドライバーモニタリング機能として、当社の「ZIA SAFE」が採用されています。また、この「ZIA SAFE」の技術を、地方自治体、公共交通機関、エネルギー、ビル・建設などの自動車以外の分野に広げるために、さまざまな取り組みをしています。
その1つとして、ZEB(Net Zero Energy Building)、またはBEMS(Building Energy Management System)と呼ばれているゼロエネルギービル管理に資するAIカメラシステムをザインエレクトロニクス社と共同で開発し、プロモーションを行っています。
安全運転支援システム ZIA SAFE概要
「ZIA SAFE」は、認識精度の高さ及びエッジとクラウドの組み合わせによる、安全運転支援システム向けのさまざまなソフトウェアの集合体です。統合開発プラットフォームとしてお客さまに提供しており、高性能・高品質な安全運転システムを実現するため、さまざまな機能のモジュールを迅速に組み合わせることが可能です。
また、DMS(Driver Monitoring System:ドライバーの挙動の監視システム)とADAS(車の周辺画像から情報を得て安全運転につなげるシステム)の両方の技術を同時に管理することにより、事故リスクをさらに軽減することができます。
ZIA SAFE 採用事例(デンソーテン様)
「ZIA SAFE」の活用事例に、デンソーテン社の「Offseg」というシステムがあります。ドライバーのさまざまな挙動をAIによって解析して、安全運転につなげるシステムです。
デンソーテン社からは、DMPの高い技術に裏付けられたプロフェッショナルサービスと合わせて、CPU低負荷、高信頼性、高機能を両立したAI画像認識機能により、デンソーテン社のサービス実現に大きく貢献したという言葉をいただいています。
ザインエレクトロニクスとの協業
ザインエレクトロニクス社との協業についてお話しします。こちらは、次世代スマートBEMSの実現や、工場などの産業プロセスDX化を加速するために開発しています。ザインエレクトロニクス社のカメラモジュールと、当社のAIを組み合わせることによって、例えばオフィスの中にいる人の位置や人数、属性等を検知して、ビルの空調や照明をスマートに制御するという使い方ができます。
現在、このシステムを、インフラなどのお客さまに対して提案している段階です。
ロボティクス分野
ロボティクス分野では、当社の自律走行ロボット向けの統合ソフトウェア開発プラットフォーム「ZIA MOVE」を、今年の上半期に複数のお客さまにライセンスすることができ、現在評価していただいている状況です。
また、「Cambrianビジョンシステム」は対象部品の認識精度・速度、外乱光に対する堅牢性に強みを持ち、現在は海外だけではなく、国内のロボットメーカーとの接続を進めています。これによって、自動車業界や三品産業などの広い分野での採用が進んでいる状況です。
ZIA MOVEの対象となるロボット
スライドの図は、さまざまなロボットにどのようなセンサーが積まれているかを示したものです。例えば、産業用ロボットやAGV、AMRなどの自律走行のロボット、協働ロボット、ドローン、農業ロボットなどの各種ロボットに、主要センサーとしてカメラが搭載されています。
これらのロボットをカメラを使って知能化すれば、さまざまなことが行えるようになるため、カメラの位置づけが非常に重要になってきます。そこで当社の画像処理技術とAIを組み合わせた「ZIA MOVE」が広く活用されていくと考えています。
ZIA MOVE 自律運転向け統合ソフトウエアプラットフォーム
「ZIA MOVE」は、「Visual SLAM」というカメラを使った自己位置推定のシステムと、経路生成まで含めた自律運転で必要となるソフトウェア機能をパッケージした統合開発環境です。業界標準のオープンソフトウェア「ROS」を使って、モジュールアーキテクチャによる高い機能拡張性を達成しており、約4ミリという非常に高い停止位置精度を実現しています。
こちらは、ソフトウェアの統合プラットフォームと同時に、お客さまの評価用にロボットのハードウェアを当社が開発して提供しているという状況です。
Cambrian Vision System – ロボットベンダーとの協業
Cambrian社のピッキングシステムについてです。こちらは当社が出資して、日本で独占販売権を持って販売しているものです。
海外のロボットアームに加えて、国内の主要ロボットメーカーのデンソーウェーブ社や、ファナック社のロボットアームとの接続が完了しました。このようなロボットを使うお客さまも含めて、今導入を進めていただいている状況です。
Cambrian Vision System 優位性
「Cambrianビジョンシステム」には、いくつか特長があります。
まずは、処理のタクトが非常に短い点です。ロボットに装着したCambrian社のカメラは、ワークといわれる対象部品を認識するスピードが非常に速く、0.2秒から0.3秒、約200ミリsec以内に認識することができます。
スライドには、競合との比較を記載しています。主要な競合のビジョンシステムは同様の認識に2秒くらいかかっているケースが多いのですが、それよりも遥かに速いスピードでワークの認識ができます。
さらに、お客さまから最も高い評価をいただいているのは、外乱光への耐性が非常に高いことです。あらゆる環境条件の中で、ほとんどエラーを起こさずに作業できることが大きな特長となっています。透明な部品を認識してピッキングする能力を持っており、これは競合メーカーに対して非常に大きな優位性です。
当社のパートナーであるSKソリューションが開発した、ABBの双腕ロボットを使った部品ピッキングでも、その優位性を発揮しています。
ユースケース:徳永製作所 ボトル供給の自動化
徳永製作所がボトル供給の自動化に取り組まれており、こちらに「Cambrianビジョンシステム」を採用していただいています。従来は非常に難しかった半透明や光沢のあるボトルを認識して高速に処理でき、お客さまが目指す次世代のボトル供給機のコンセプトにピッタリだったとのことでした。
また、ロボットは導入時のセットアップに多大な労力を要するのですが、「Cambrianビジョンシステム」の場合は導入してすぐに使えることが非常にありがたいという言葉をいただいています。
Cambrian社への追加出資
Cambrian社に対して、戦略的提携関係の強化を目的に、48万USドルを追加出資を決定しており、本日(2023年11月13日)はこの件に関してもリリースしています。
Cambrian社には、2021年に当社が出資して、国内の独占販売権を取得しています。今回、同社の開発力強化に資金面で貢献し、当社の国内シェアの拡大に向けたマーケティング、販売活動、さらに自動車産業を中心とした製造業や三品産業における採用拡大に向けた提携関係強化を目指し、追加出資を決定しています。
セーフティとロボティクス技術の融合
当社の取り組みの中で、非常に力を入れていることについてお話しします。これまで「ZIA SAFE」「ZIA MOVE」などの安全運転支援システム、あるいはロボット分野に対する当社の取り組みについてご説明してきました。今後、さらなる新しい価値を創造することを目指して、「ZIA SAFE」「ZIA MOVE」のセーフティとロボットを統合したかたちでのソリューションを提供していきます。
スライド左側に図で示しているとおり、当社の画像処理技術と人工知能の技術をベースに、事故や災害を防ぐセーフティ技術と、人や物の移動、輸送を効率的に行うロボティクスの技術を融合することによって、さまざまな新しい社会課題の解決と、新しいサービスにつなげていきます。
これは周囲の状況をロボットが走行する上での画像だけではなく、走行中に得られる周囲の状況を正確に認識して、効率的な移動と安全な環境を実現し、そこで得られた認識情報をもとに新たなサービスを創出するということです。例えば、公共交通機関や医療、学校、工場、プラント、物流、農業などのさまざまな場面で課題を解決して、新しいサービスを作り出せるのではないかと考え、取り組んでいる最中です。
その他分野(デジタル機器向けIP)
当社のGPU、AIのIPについてご説明します。主にデジタル機器のアプリケーションに向けて、小サイズ、低消費電力の高性能IPをお客さまに提供しています。スライド下部の図に記載しているとおり、既存のお客さまからのランニングロイヤリティ、メンテナンスサポート収入が堅調に推移しています。
さらに、新規顧客を開拓すると同時に、現行製品の性能を大きく上回るAIの推論プロセッサー「ZIA A3000」を開発して、お客さまに提案している状況です。
AI推論プロセッサーIP A3000
「ZIA A3000」は、すでにREGZA社、HISENSE社などのテレビメーカーや、大手カメラメーカーに提供して量産に使われている、DV700シリーズという当社のAIの推論プロセッサーの次の世代に当たるものです。「DV740」と比べて6倍の性能を持つ、非常に高性能なAIのプロセッサーで、現在ライセンス活動を行っています。
重点施策
当社の重点施策です。「Making the Image Intelligent」のパーパスのもとにビジネスを加速していきます。
まず、アミューズメント市場のシェア拡大で広がる知見による新たな市場機会を取り込んでいきます。当社のアミューズメント市場におけるシェアは、急速に高まっている状態で、新たなお客さまからお声掛けいただくなど、ビジネスチャンスが非常に増えています。
今後、そのような中で見えてくる新しいニーズやビジネスチャンスなどを取り込むことによって、この分野における事業をさらに成長させていきたいと考えています。
また、「ZIA MOVE」「ZIA SAFE」などのプラットフォームビジネスの推進とあわせて、ロボティクスとセーフティの技術を融合することで新たな価値を創出していきます。
さらに、今回追加出資を行うCambrian社との戦略的な提携を強化していくこと、現在新しいライセンス取得に向けて活動している「ZIA A3000」という新しいIPについてもお客さまを獲得していくことが、下半期の大きな重点施策になっています。
質疑応答:アミューズメント市場の中長期的な見通しについて
司会者:「アミューズメント市場が足元で好調なことは理解しましたが、中長期的にはどう見ていますか?」というご質問です。
山本:長期的にはマーケットサイズが縮小してきているものの、2020年以降はまた市場における出荷台数が増えてきている状況です。
その要因としては、6.5号機という新しい規格、あるいはスマートパチンコ、スマートパチスロといった新しいかたちの機種が出てきていることが挙げられます。そのような機種が受け入れられて、市場が再成長していると考えられます。
例えば、スマートパチスロでは、実際にメダルに触ることがなくなり、衛生環境が改善されました。さらに、そのようなメダル投入の手間などが省けることにより、稼働率やプレー効率の向上につながっています。
また、キャッシュレスなども進んでいきますので、新たな取り組みがこの市場の成長を支えていくと考えています。そのため、今後も安定した需要が見込まれると見ています。
質疑応答:海外市場に向けた取り組みについて
司会者:「国内市場だけでは、成長に限界があるのではないでしょうか? 海外市場への取り組みについて教えてください」というご質問です。
山本:例えば、IPライセンスにおいては海外のお客さまもいらっしゃいます。このような海外市場のお客さまの開拓は、今後も続けていきたいと考えています。
また、ロボティクス分野においても、日本はかなり大きなマーケットとなっています。それに加えて、海外のお客さまからも「日本製のロボットを使いたい」というご要望が非常に強くあります。
ヨーロッパやアジアなどにそのような傾向があるのですが、当社は日本の主要なロボットメーカーとの提携を強めることで、今後の海外顧客の開拓に役立てていこうと考え、取り組んでいます。
質疑応答:ロボティクス分野のロイヤリティ収入の見通しについて
司会者:「2021年の中期経営計画では、ロボティクス分野のロイヤリティ収入が伸長する想定でしたが、その見通しについて教えてください」というご質問です。
大澤:ロボティクス分野のロイヤリティ収入ですが、現在は小規模にとどまっています。自律運転向けの統合ソフトウェアプラットフォームである「ZIA MOVE」や、ステレオビジョンIPの「ZIA SV」などの、初期ライセンス案件や量産案件の獲得によってロイヤリティの拡大を図っていきたいと考えています。
質疑応答:「RS1」のコストダウンの見通しについて
司会者:「『RS1』のコストダウンの見通しについて教えてください」というご質問です。
大澤:「RS1」に限らず、製品のトータルコストの削減には取り組んでいるところです。ただし、昨今の為替相場や部材コストの高騰といった要因もありますので、現段階では今後の見通しについて、なかなか明確な回答ができないという状況です。
質疑応答:業績予想の上方修正について
司会者:「上期の利益水準から見ると、今回の業績予想の上方修正は控えめに見えますが、その前提を教えてください」というご質問です。
大澤:今回の予測数字は、現段階で確度の高い商談と、やや保守的な経費見込みをベースに作っています。
質疑応答:自社株買いや株価対策への考えについて
司会者:「第1四半期決算発表以降、株価が低迷していますが、自社株買いや株価対策についての考えを聞かせてください」というご質問です。
大澤:株価については、心配されている株主のみなさまもいらっしゃると思います。今回、上方修正を行っていますが、短期的には業績の向上を図っていこうと考えています。また中期的には、自社株買いも含め、株主還元策を積極的に検討していきたいと考えています。
質疑応答:ガザの紛争が与える影響について
司会者:「イスラエル関連についておうかがいします。ガザにおける紛争が御社に与える影響について教えてください」というご質問です。
山本:半導体業界としては、イスラエルの存在は非常に大きく、少なからず業界全体に与える影響は出てくると考えています。しかし、当社はイスラエル企業との取引や、イスラエルにおける生産、開発等は行っていませんので、当社に対する影響はないと考えています。
質疑応答:セーフティとロボティクス技術の融合について
司会者:「セーフティとロボティクス技術の融合について、もう少し具体的なお話を聞かせてください」というご質問です。
山本:基本的には、ロボットが動いている中で得られる画像を使って地図を作ります。その地図を、障害物などその時々の状況におけるダイナミックな情報を得ることによってリアルタイムにアップデートすることができます。
例えば掃除用ロボットなどもありますが、そのような地図情報に基づいてさまざまなロボットなどを動かすことや、あるいは地図から得られる情報を基にさまざまなサービスを提供することによって、新たな価値を生み出すことを考えています。
質疑応答:「ZIA A3000」の目指す市場や用途について
司会者:「『ZIA A3000』はどのような市場、用途を目指しているのでしょうか?」というご質問です。
山本:これまでどおり、デジタルコンシューマー製品が大きな市場だと考えていますが、それ以外にもロボティクス分野における画像処理などの分野にも使えます。
例えば、先週横浜で開催されたロボットワールドの展示会でデモを行いました。人のジェスチャーを通じて行うロボットの操作に、「ZIA A3000」を使用するデモです。そのような分野も含めて、広く適用できるマーケットがあると考えています。
質疑応答:今後のプロフェッショナルサービス事業の見通しについて
司会者:「プロフェッショナルサービス事業の売上が年々減少していますが、この事業をどのようにしていくつもりなのでしょうか?」というご質問です。
大澤:プロフェッショナルサービスは、ご存じのとおり人工ビジネスです。それ自体の拡大を目的として、積極的に広げていくものではないと考えています。
ただし、当然お客さま製品の量産化につながるような案件は出てきますので、その確度が高いものである場合などは、積極的にビジネスを獲得していきたいと考えています。
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