ビーロット<3452>の2023年12月期の連結業績については、営業利益で前期比53.8%増の4,480百万円、経常利益で同50.7%増の3,640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同49.0%増の2,440百万円と過去最高水準の利益を見込んでいる。売上高予想は非開示としているが、これは、取引形態及び事業の多様化に伴い、売上高の計上方法についても総額表示による売上高と純額表示による売上高が混在し、精度の高い売上高の業績予想算定が困難になってきていることによる。
中期経営計画の最終年度となる2023年12月期も、利益の安定成長を図る計画である。重要なKPIである親会社株主に帰属する当期純利益の計画値を達成すべく、各種方針・戦略を着実に実行し、安定収益の拡充等を図りながら利益を積み上げる方針を継続する。なお、2023年12月期については、コロナ禍に伴う行動制限緩和に伴い社会経済活動の正常化が期待される一方で、地政学的問題や各国中央銀行の金融政策など様々なリスクのなかで引き続き不透明な状況が推移していくと同社は想定している。
既述のとおり、2022年12月期末の販売用不動産(仕掛販売用不動産を除く)は23,844百万円、仕掛販売用不動産は15,021百万円、合計38,865百万円(前期は29,536百万円)であり、売却や賃料収入が期待できる。需要が旺盛な住宅系不動産については、同社が得意とする富裕層向けの高級区分マンションの在庫を増やしており、「良いものこそが高く売れる」インフレーションの時代に合わせた売却を進める。開発案件では自社開発のオフィスビル1棟(福岡市2022年10月竣工)とマンション1棟(名古屋市同年12月竣工)のこれからが注目される。コロナ禍で販売を見送っていたホテル系不動産は売却の機会が増えており、2023年12月期に収益改善が予想される。弊社では、販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)が過去最高水準に達していること、都市部の不動産市場は需要が旺盛なこと、若手人材が活躍する営業組織が充実していることなどを勘案すると、利益計画の達成は十分可能であると判断している。なお、同社は2020年12月期から3期連続でホテル系不動産を中心とした一部の販売用不動産評価損を計上しており、将来のリスクをいち早く織り込んでいる点も高く評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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