1. クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>のコストコントロールの実施
「店舗人件費」については、休業店舗における社員を一時帰休(休業手当を支給)させる一方で、雇用調整助成金(合計約68億円)の給付を受けるとともに、徹底したシフト管理を実施した。また「家賃」についても、施設オーナーとの減免交渉や売上歩合比率の引き下げ等により約23億円の削減を実現した。さらには、本社経費の削減、役員報酬の自主返納、事業会社の統合※1、シェアードサービス機能を担う新会社の設立※2などにより、損失幅の縮小はもちろん、少ない売上高でも利益の出せる収益構造への転換を図った。
※1 過去のM&Aによりグループ入りした5社を2社に再編(2020年9月1日付)。
※2 SFPホールディングス<3198>と、経理・人事等のコーポレート業務のシェアードサービス機能を担う合弁会社を設立(2020年9月1日付)。
2. 業態変更の実施
コロナ禍での利用シーンの変化へ対応すべく、積極的な業態変更(30店舗)を実施した。具体的には、コロナ禍において運営が難しくなったビュッフェ業態については、女性に人気のチーズ料理やしゃぶしゃぶ業態等のほか、広い店舗スペースを活用し、フードホールへの変更を実施した。特に、業態変更による出店継続については、商業施設オーナー側からの要望も強く、家賃交渉を行う際の切り札にもなっているようだ。また、居酒屋業態についても、デリバリー専門業態と既存店舗のコラボ(併設)や、立地環境等により日常使いを目的とした食堂や寿司屋としてリニューアルしている。
3. テイクアウト&デリバリーへの取り組み
コロナ禍をきっかけとしたライフスタイルや嗜好の変化に柔軟に対応するため、立地や業態に合わせてテイクアウトやデリバリーを順次拡大した。また、既存店舗のキッチンを活用し、デリバリー専門業態も開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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