(4) ブレインテック・DTx
「脳(Brain)」と「技術(Technology)」をかけ合わせた造語である「ブレインテック」は、脳神経科学とITを融合し、脳計測や検査によるデータを解析し、脳の機能や活動を分析して新しい技術を開発し応用する。ソフトウェアとしての医療機器(SaMD)の開発や、スマートフォンアプリの開発に重点を置いており、特に慢性疼痛治療のためのエビデンスに基づいたプログラム開発に取り組んでいる。加えて、整骨院やフィットネスジムで使用される自社開発のニューロフィードバックサービスを展開している。ブレインテックは、認知症やうつ病などの中枢神経系の疾患の予防と治療に焦点を当て、医療とヘルスケアへ向けて技術の応用を進めている。同社は2016年からブレインテック領域に積極的に取り組み、「ALPHA SWITCH」及び企業向け「ALPHA SWITCH PRO」などのアプリを開発し、同分野で競合他社との競争を展開している。2022年に医療機器製造業者として認可されたことで、大学や製薬会社との連携を強化し、慢性疼痛、てんかん、認知症、パーキンソン病、うつ病、ALS※などの中枢神経系疾患をターゲットに研究を重ねている。最終的には、治療用アプリの薬事承認と保険適用を目指している。
※ 筋萎縮性側索硬化症のこと。筋肉そのものではなく運動系の神経に障害をきたす病気で、手足などの筋肉や呼吸に必要な筋肉がやせ細っていく。
(5) ベンチャーインキュベーション
同社は、出資したスタートアップ企業やベンチャー企業に対し、投資だけではなく、財務、人材、システム構築などあらゆる必要な支援を行う。厳しいスクリーニングを行ったうえで、年間1、2社に絞って投資を行っている。独自技術を持つ有望なスタートアップ企業やベンチャー企業に対し、IPO実現まで一緒に取り組む支援体制を整えたインキュベーションサービスを提供し、最終的にIPO実現によるキャピタルゲインで収益を得る。
これまで同社グループは、バンダイネットワークス(株)(現在は(株)バンダイナムコエンターテインメントに吸収合併)、トラスト<3347>、ダイヤモンドダイニング(現 DDグループ)、JIG-SAW(ジグソー)<3914>、Link-Uグループ<4446>、デリバリーコンサルティング<9240>の6社を上場へと導き、うち1社をバイアウトした実績がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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