シュッピン<3179>は、カメラや高級腕時計など「価値あるもの(新品と中古品)」に特化したEC(eコマース)企業である。EC市場の拡大などを追い風として、専門性の高い商材に特化したポジショニングやインターネットを活用した独自の事業モデルの確立により、高い成長を実現してきた。最近ではAIMDやAIコンテンツレコメンドの導入など、テクノロジーを駆使した専門性の高いECサイトとして進化を続けている。
現在のWeb会員数は70万名を超える(2024年9月末時点)。毎月約4,000名ペースで純増を続ける会員獲得により順調に積み上げてきた。店舗数は1商材1店舗を基本方針とし、東京都内に5店舗を構えている。店舗も一定の業績貢献をしているが、情報発信基地としてEC事業を補完する機能を果たしている。同社における「新品」「中古品」はそれぞれに重要な役割を担っており、相互に作用しながら相乗効果を生み出してきた。
事業セグメントは、「カメラ事業」「時計事業」「筆記具事業」「自転車事業」の4つ※で構成されており、主軸の「カメラ事業」が売上高の約77%を占めている。「時計事業」については、世界的な高級腕時計相場の下落により一時的に苦戦したものの、その影響からはすでに回復しており、適切な仕入・在庫投資のための「仕組み化」を進めつつ、戦略的商品ラインナップの拡充とグローバル展開により成長を加速する方針である。
※ カメラ事業は「Map Camera」、時計事業は「GMT」及び「BRILLER」(レディースブランドサロン)、筆記具事業は「KINGDOM NOTE」、自転車事業は「CROWN GEARS」の屋号にて展開している。
■企業特長
独自のEC買取やOne to Oneマーケティング、AI活用など、プラットフォーム型の事業モデルに強み
1. 成長モデル
同社の売上高は、Web会員数の拡大とともに成長してきた。効果的なECマーケティングを通じて新規顧客を会員として囲い込み、継続購入を促すことが売上高の伸びにつながるストック型ビジネスと言える。したがって新規会員獲得数や総会員数に加え、購入会員数及びアクティブ率※が重要なKPIとなっている。現在のWeb会員数は70万名を超えるが、今後も独自の事業モデルを通じて若年層や女性会員の増強、関東圏以外でのシェア拡大など、新規会員獲得(及び会員数拡大)の余地は大きい。アクティブ率の維持・向上による購入会員数の拡大についても、業績の底上げやコスト面でのメリットが期待できる。さらには、商品(中古品在庫)の積み上げも将来の売上増につながる重要なKPIである。類似業種(リユース、リサイクルなど)は多額の広告宣伝費を使って幅広く中古品を集めているが、同社は1) 独自のEC買取の仕組み、2) 専門店としてのブランド力や目利き、3) AIの活用などにより同社のコアバリューである「価値ある財庫」を集めることにより、新規会員獲得や継続購入に結び付けてきた。商品在庫の充実が広告宣伝効果につながるという好循環も働いている。
※ 同社では、各四半期開始時の会員数に対するその四半期の購入会員数(モール購入数は除く)をアクティブ率と定義している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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