TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業である。約346万件の「顧客基盤」と多彩な商品・サービスをワンストップで提供する「総合力」、顧客ニーズに即応する「営業力」を強みに着実に成長を続けている。
1. 2026年3月期第3四半期累計業績の概要
2026年3月期第3四半期累計(2025年4月~12月)の連結業績は、売上高で前年同期比2.4%増の177,382百万円、営業利益で同27.0%増の12,332百万円となった。グループ顧客件数の増加等による増収や情報通信事業の法人向けストックビジネスの拡大に加えて、建築設備不動産事業の受注増等により、売上高は5期連続の増収かつ過去最高を更新した。利益面でも、グループ顧客件数増加に伴う増益や、法人向け情報通信事業と建築設備不動産事業の増益に加えて、顧客獲得費用の削減等に取り組んだ効果により、過去最高益を更新した。2025年12月末のグループ顧客件数はエネルギー事業やCATV事業、アクア事業を中心に前年同期比1.5%増の3,465千件と着実に増加し、期初計画(3,462千件)を前倒しで達成した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比1.0%増の246,000百万円、営業利益で同8.7%増の18,300百万円と過去最高業績を更新する見通しである。期初計画に対し、売上高は7,000百万円引き下げたものの、営業利益は800百万円上方修正した。エネルギー事業や情報通信事業、CATV事業において顧客獲得費用を想定以上に抑制できたことに加え、クラウドサービスの好調が上振れ要因となる。第4四半期単独では、前年同期比で減収減益を見込んでいる。エネルギー事業が平均気温の上昇前提(前年同期比+0.5℃)及び期末の在庫評価替えによって減益を想定していること及び、前年同期に伸長した建築設備不動産事業の反動減を見込んでいることが要因である。
3. 成長戦略と株主還元方針
2024年3月期からスタートした「中期経営計画2025」では、人的資本投資を強化しながら顧客基盤の拡大と多様なライフスタイル、脱炭素社会の実現に貢献するサービスを提供し、持続的成長を目指してきた。最終年度となる2026年3月期は当初の経営数値目標(売上高2,600億円、営業利益175億円、ROE10.8%、継続取引顧客件数357万件)に対して売上高と継続取引顧客件数の未達を見込むが、営業利益とROEは超過達成を見込む。
2027年3月期以降は、M&Aによる成長投資の加速並びに資本収益性と成長性の2軸でグループ全体最適を実現する事業ポートフォリオの構築に取り組むことで、ROEや企業価値のさらなる向上を目指すものと見られる。主力のLPガス事業については中小零細事業者が多いため、今後数年間はM&Aや商圏買取によるシェア拡大の好機になると見られる。また、クラウドサービス市場の拡大を追い風に、法人向け情報通信事業も引き続き収益をけん引する見通しだ。建築設備不動産事業についても、グループシナジーの創出により東海エリアでのシェア拡大による成長が期待される。
株主還元については、連結配当性向40~50%を目安に安定的かつ継続的な配当と株主優待を継続する方針だ。2026年3月期の1株当たり配当金は、利益の上方修正発表と併せて期初計画比で2.0円増配となる36.0円(配当性向44.2%)とし、3期連続の増配を行うことを発表した。配当金と株主優待を合わせた利回りでは3.9~6.7%(2026年2月6日終値1,180円で試算)の水準となる。
■Key Points
・2026年3月期第3四半期は過去最高業績を更新、費用効率化で収益性も上昇
・2026年3月期は売上高が未達となるものの、利益ベースで上方修正を発表
・2027年3月期以降はM&Aなど成長投資の積極化によりROEの向上を目指す方針
・2026年3月期は2.0円増配の36.0円を予想。3期連続増配へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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