3. 特長と強み
(1) 顧客に選ばれるニッチナンバーワン
同社の中期経営計画「増強21-25」のあるべき姿の「顧客に選ばれるニッチナンバーワン」が特長及び強みである。「ニッチナンバーワン」には2つの意味があり、1つは一般に使われる「事業領域でのニッチポジション」、もう1つは「顧客のニーズにきめ細かく対応することで高いシェアを獲得するという意味でのニッチ」と称している。研磨材事業では、欧米トップシェア企業のデファクトスタンダード(標準化)戦略に対して、同社は独自開発のソフトパッドにより“小さな池で大きな魚になる”ことに成功している。また、化学工業品事業でも、大手化学メーカーが自社生産しない小ロット品の中間体製品の受託生産で「ニッチナンバーワン」ポジションを築いている。
(2) 利益重視
同社は、「売上規模は追求しない。利益重視」を徹底している。この背景には、2006年から始まった「事業構造改革」を実践した経験が生かされている。実際に、旧 繊維事業は2006年には売上高500億円からリーマンショックの2008年には300億円まで縮小した。その間、合理化と構造改革を推進し、複数の工場を閉鎖して赤字体質から脱却した。今では営業利益率10%台(2023年3月期下期から2024年3月期上期までの半導体不況期は除く)を達成し、高収益事業へ見事変身した。このストーリーを経営層や現場の幹部が体現しているので、新しい経営体制への移行後も、経営の軸はブレないと弊社では見ている。
(3) 繊維技術から派生した技術を応用
レーヨン技術の延長線上でフィルム加工技術や不織布技術へと発展してきた同社の技術は、もともと繊維関連がベースである。研磨材(ソフトパッド)は、高分子材料加工技術(ポリウレタン樹脂)、フィルム加工技術を活用したものである。一方、化学工業品もレーヨン材料(二硫化炭素)の製造工場から発展したものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
この銘柄の最新ニュース
富士紡HDのニュース一覧- 富士紡HD Research Memo(8):2026年3月期は30円増配の年間配当金160円を予定 2025/12/16
- 富士紡HD Research Memo(7):2006年以降の中期経営計画で最高値となる営業利益75億円を見込む 2025/12/16
- 富士紡HD Research Memo(6):EV・スマートフォン向け半導体需要の低調は続くが、引き続き増収増益を見込む 2025/12/16
- 富士紡HD Research Memo(5):研磨材事業と化学工業品事業がともに堅調に推移 2025/12/16
- 富士紡HD Research Memo(3):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ 2025/12/16
マーケットニュース
- 新戦略策定で次の舞台へ、「サイバーセキュリティー」関連に上昇旋風 <株探トップ特集> (12/17)
- 明日の株式相場に向けて=電光石火S高ラッシュ、年の瀬・材料株奇譚 (12/17)
- 本日の【新規公開(IPO)】公開価格決定 (17日大引け後 発表分) (12/17)
- 17日香港・ハンセン指数=終値25468.78(+233.37) (12/17)
おすすめ条件でスクリーニング
富士紡ホールディングスの取引履歴を振り返りませんか?
富士紡ホールディングスの株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは
※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。