研磨材事業の売上高は前年同期比6.3%増の120.39億円、営業利益は同8.7%減の27.04億円となった。主力の超精密加工用研磨材では、ハードディスク用途および液晶ガラス用途が、新型コロナウイルス特需の反動を受け、主要ユーザーの大幅な生産調整および在庫調整により、受注が大きく減少した。また、シリコンウエハー用途および半導体デバイス用途(CMP)などは、世界的な景気後退に加え、データセンター、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの半導体需要減退の影響を受け、稼働が下がり、調整局面に入った。
化学工業品事業の売上高は同7.3%増の90.62億円、営業利益は同10.7%減の9.46億円となった。機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、国内需要の回復に加え、中国における環境規制の影響や新型コロナウイルス感染症拡大による海外生産リスクも顕在化したことで、化学工業品生産の日本国内回帰の傾向が続き、機能性材料用を中心に安定生産を継続することができた。しかし、原材料・原燃料の高騰が続いており、利益は圧迫された。
生活衣料事業の売上高は同4.4%増の56.13億円、営業利益は同2.2%増の6.44億円となった。繊維素材は、ウクライナ情勢を要因とした原油価格上昇に伴う物流や原材料のコスト高と、円安に伴う部材調達や海外製造の高騰がさらなる追い打ちをかけ、厳しい環境が続いた。一方、繊維製品は、より収益性の高い製品への絞り込みに加え、多様化する顧客ニーズや市場動向に応じ、EC販売やデジタルマーケティングを強化し、販売が堅調に推移した。
その他の売上高は同28.4%増の22.74億円、営業利益は同219.6%増の1.49億円となった。化成品部門は、デジタルカメラ用部品および医療機器用部品が、縮小傾向が続いていたデジタルカメラ市場に底打ちの兆しが出始めたことや、医療用プラスチック市場の回復により、受注が堅調に推移した。金型部門では、自動車市場が回復基調になった。また、2022年11月1日付で取得し連結対象となった金型子会社の売上高が増加したが、同社株式の取得関連費用が発生した。貿易部門は、収益性、安全性の高い取引に対象を絞り、採算性を改善した。
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