研磨材事業の売上高は前年同期比16.0%増の85.07億円、営業利益は同9.7%増の21.78億円となった。主力の超精密加工用研磨材は、ハードディスク用途及び液晶ガラス用途は、巣ごもり需要一巡後の反動減により、主要ユーザーの一部が生産調整及び在庫調整を実施し、受注が減少した。一方、シリコンウエハー用途及び半導体デバイス用途(CMP)などは旺盛な半導体需要に、世界的な半導体不足が拍車をかけ、需要が拡大した。
化学工業品事業の売上高は前年同期比9.9%増の61.30億円、営業利益は同4.5%減の7.01億円となった。機能性材料、医薬中間体及び農薬中間体などの受託製造は、国内需要の回復に加え、中国における環境規制の影響や新型コロナウイルス感染症拡大による海外生産リスクも顕在化したことで、化学工業品生産の日本国内回帰の傾向が続き、農薬用、機能性材料用を中心に安定生産を継続することができた。また、売上高は順調に推移したが、原材料・原燃料の高騰の影響を受け、利益は圧迫された。
生活衣料事業の売上高は前年同期比3.6%増の36.32億円、営業利益は同0.3%増の4.00億円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大と収束を繰り返すなか、繊維素材は、原燃料や物流費の高騰のほか円安の影響を受けてコストが大幅に上昇し、厳しい環境が続いた。一方、繊維製品は、より収益性の高い製品への絞り込みと変化する顧客行動に対応したEC販売のさらなる強化により、需要が堅調に推移した。
その他化成品部門の売上高は前年同期比12.7%増の13.38億円、営業利益は同146.7%増の0.63億円となった。デジタルカメラ用部品及び医療機器用部品は、部品・部材の供給不足が徐々に解消しつつあり、需要が回復した。また、金型部門は、自動車業界が半導体不足による減産が続くなか需要が堅調に推移し、回復した。なお、2022年11月1日付で取得する子会社株式の取得関連費用が発生した。貿易部門は、収益性、安全性の高い取引に対象を絞り、採算性を改善した。
2023年3月期通期については、同日、業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比3.6%増(前回予想比7.00億円増)の372.00億円、営業利益が同5.5%増の62.00億円、経常利益が同5.9%増の64.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.0%増の45.00億円としている。
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