MonotaRO<3064>は物流機能の向上を最重要課題と捉え、配送スピードや品質の改善を行ってきた。物流センターの大型化や東西2拠点化、無人搬送ロボットの導入などは先進的な取り組みの一例である。進行期には、配送サービスで大きな進歩を遂げようとしている。具体的には、(1) 出荷締切時間の延長、(2) 配送日時の指定、(3) 置き配サービス、の3施策である。いずれの施策もヤマト運輸との連携強化によるものだ。特に、「出荷締切時間の延長」については、これまで機会を失っていた注文も少なからずあったと想定されることから、直接的な増収効果が期待できると弊社では考えている。
(1) 出荷締切時間の延長
当日出荷商品の出荷締切時間を、これまでの15時から17時まで延長する取り組みである。同社の顧客には「今日の仕事中に注文して、明日の仕事に間に合わせたい」といった緊急性の高い購入シーンは少なからずあり、15時以降に気づいた場合には近隣のホームセンターなどを利用して急場をしのぐことになる。同社にとっては機会損失が発生していた可能性がある。また、15時から17時までの注文に関しては確実に注文から到着までの期間が短縮されるため、顧客満足度の向上が期待できる。2024年12月期第3四半期には南関東地域で開始し、その後、順次対象地域を拡大する。
(2) 配送日時の指定
建設業や製造業・工事現場などの顧客を想定しており、「使うタイミングに合わせて受け取りたい」「月末は避けて受け取りたい」などの要望に応えるために実現した。2024年7月からヤマト運輸のサイトにて配送日時の指定が可能となり、2025年12月期第1四半期からは同社サイトでの配送日時指定が可能となる予定だ。
(3) 置き配サービス
主に個人事業主や一般消費者を対象としたサービスで、「不在時でも荷物を受け取りたい」「現場で荷物を受け取りたい」というニーズに応えた。また、物流業界の「2024年問題」という社会課題の解決にも貢献する取り組みだ。2023年11月には14都府県の法人・個人事業主を対象に開始しており、2024年6月には全国展開し、対象を一般消費者にも拡大した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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