ADワークスグループ<2982>の株主還元方針については、将来の事業展開に備えるための内部留保を確保したうえで、業績に応じた配当を実施することを基本方針としており、配当性向については30%弱の水準を維持し、利益の成長とともに配当も増額する意向だ。同方針に基づき、2024年12月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の9.0円(同27.3%)と連続増配を予定している。
また、2024年8月に同社として初の自己株式取得(上限の取得総額100百万円、50万株、取得期間は2024年9月30日まで)を発表した。実施の理由は、第2次中期経営計画において示した「毎期EPSで10%以上の成長」の達成確度をさらに高めることに加えて、同社グループの今後の利益成長が株価に十分織り込まれていないと考えたことだ。今後3年間の利益成長率はNOPAT(税引後営業利益)で年率11.7%成長を計画しているのに対して、8月16日終値(212円)の株価水準は期待成長率で-0.4%※と今後の利益成長が全く織り込まれていない。金利の先高懸念を嫌気して不動産セクター全体のバリュエーションが低下したことも要因と考えられるが、既述のとおり同社の2024年12月期業績は過去最高を更新する可能性が高く、業績達成の確度が高まれば株式の価値もいずれ見直されると弊社では考えている。
※ 株主資本コスト8%で算出
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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