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2024/12/19 - ユーグレナ(2931) の関連ニュース。 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「当社」)は、国立大学法人鹿児島大学水産学部 (鹿児島県鹿児島市、学長:佐野輝)の横山佐一郎助教との共同研究を通して、微細藻類ユーグレナ(以下「ユーグレナ」)を配合した飼料の給与により、カンパチ稚魚の成長と自然免疫能※1の向上を示す可能性を確認したことをお知らせします。なお、今回の研究結果は、2024年12月14日・15日に開催された「日本水産学会九州支部 令和6年度支部大会」で発表しました。※1 自然免疫とは、体に侵入してきた病原体をいち早く見つけて排除しようとする働き■ 研究の背景と目的 水産養殖業界では、養

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ユーグレナ配合飼料の給与によりカンパチ稚魚の成長と自然免疫能が向上する可能性を確認しました

配信元:PR TIMES
投稿:2024/12/19 18:48
 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「当社」)は、国立大学法人鹿児島大学水産学部 (鹿児島県鹿児島市、学長:佐野輝)の横山佐一郎助教との共同研究を通して、微細藻類ユーグレナ(以下「ユーグレナ」)を配合した飼料の給与により、カンパチ稚魚の成長と自然免疫能※1の向上を示す可能性を確認したことをお知らせします。なお、今回の研究結果は、2024年12月14日・15日に開催された「日本水産学会九州支部 令和6年度支部大会」で発表しました。
※1 自然免疫とは、体に侵入してきた病原体をいち早く見つけて排除しようとする働き

■ 研究の背景と目的
 水産養殖業界では、養殖魚の健康状態の最適化を目的とした飼料を利用し、その免疫システムを増強して、病気への抵抗力を高める取組みが世界的に行われています。国連食糧農業機関(FAO)においても、抗菌剤の使用を抑え養殖魚の健康を促進する飼料の利用は強く推奨されています※2,3。これらの取り組みは水産養殖の生産過程で使用する抗菌剤の減少から、抗菌剤の環境への残留や耐性菌出現リスクの低減だけでなく、消費者へより安全で安心な水産物提供につながることが期待されています。
 これまで当社は、ユーグレナおよびその希少成分であるパラミロン※4がヒトの免疫維持、調節に機能することを示唆する研究成果を発表してきました※5,6,7。とりわけ、パラミロンはβ-グルカンの一種でヒトや動物が摂取すると粘膜免疫系の免疫細胞に働きかけて免疫賦活作用を発揮すると考えられ、魚に対しても同様にその効果をもたらし、養殖魚の健全な成長をサポートできる可能性があります。
 そこで本研究では、ユーグレナ配合飼料給与によるカンパチ稚魚の免疫、成長および体成分への影響を検討しました。
※2 Antimicrobial Resistance: Fishery and aquaculture(Food and Agriculture Organization of the United Nations:FAO)https://www.fao.org/antimicrobial-resistance/key-sectors/fishery-and-aquaculture/en/
※3 Antimicrobial Resistance: Animal feeding(FAO)https://www.fao.org/antimicrobial-resistance/key-sectors/animal-feeding/en/
※4 ユーグレナ希少の成分で、きのこなどに含まれるβ-グルカンと呼ばれる細胞内貯蔵物質として生成される多糖類であり、食物繊維の一種
※5 2020年3月30日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20200330/
※6 2022年3月23日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20220323-3/
※7 2022年11月1日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20221101-2/

■ 研究内容
 人工種苗カンパチ稚魚に、ユーグレナ粉末無配合飼料(以下、「1.対照区」)あるいはユーグレナ粉末1.0%配合飼料(以下、「2.試験区」)を30日間給与し、下記の測定項目を比較しました(t検定、片側α=0.05)。



※8 試験開始時体重を除き、試験終了時に測定
※9 対象動物の体重と給与飼料量の比率から飼料の体重増加への効率を表したもの
※10 リゾチーム酵素による溶菌活性のことで、自然免疫能を表す指標の一つ
※11 赤血球の凝集活性のことで、赤血球が特定の物質によって凝集する程度を指す

■結果と考察
ユーグレナ給餌によりカンパチ稚魚の成長が促進されました
 飼育終了時における平均体重および増重率は試験区で有意に高い値となり、試験区の魚は対照区よりも優れた成長を示しました(図1)。また、他の成長関連項目には対照区・試験区間に差は認められませんでしたが、体組成成分では粗脂質含量が試験区で有意に高かったことから(図2)、試験区の魚では体内へのエネルギー源の蓄積を伴い成長した可能性が考えられます。




図1:試験開始・終了時体重および増重率 *:有意差あり(p<0.05)



図2:体組成成分 A、B:異符号間に有意差あり(p<0.05)

ユーグレナ給餌により血液中のリゾチーム活性が高まりました
 脂質以外の体組成成分および血中GOTおよびGPT活性、中性脂肪およびグルコース濃度には対照区と試験区との間に差は認められなかったことから、試験区の魚も対照区と同じく健康状態に異常は確認されませんでした。加えて、血中免疫関連項目についてみると、凝集活性には区間差はないものの、リゾチーム活性は対照区よりも試験区で有意に高くなりました(図3)。このことから、ユーグレナを飼料中に配合することで、カンパチ稚魚の自然免疫能を向上できる可能性が考えられます。

図3:血液中のリゾチーム活性 *:有意差あり(p<0.05)

 以上の結果から、ユーグレナ配合飼料の給与がカンパチ稚魚の成長と自然免疫能を向上することが示唆されました。
 本研究結果を踏まえ、今後はカンパチをはじめブリ、マダイ等の養殖魚に対するユーグレナ給餌に関する影響についても研究を進めていきます。また、当社サステナブルアグリテック事業部では事業化に向けて、今後生産者の協力を得てユーグレナ飼料の実証試験も予定しています。

<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。基本戦略として位置付けているバイオマスの5F(Food, Fiber, Feed, Fertilizer, Fuel)に沿って、ヘルスケア事業、バイオ燃料事業を推進。2022年にサステナブルアグリテック領域(Sustainable Agri-Tech:SAT)に本格参入。「人と地球を健康にする」というパーパスのもと、事業成長が社会課題の縮小につながるという「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」体現のため、SAT領域に存在する社会課題縮小を目指し、有機肥料の販売や飼料の研究開発などに取組んでいます。
https://euglena.jp
配信元: PR TIMES

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