3. 財務状況と経営指標
ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2019年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比2,609百万円増加の17,475百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が980百万円増加し、固定資産では投資有価証券が920百万円増加したほか、貸倒引当金が1,383百万円減少した(破産更生債権の貸倒確定による=増加要因)。
負債合計は前期末比1,725百万円増加の10,549百万円となった。会員事業における前受収益及び長期前受収益が433百万円増加したほか、資本業務提携等に向けた資金用として社債を発行したことにより、有利子負債が1,090百万円増加した。前受収益の増加については、「安心入居サポート」「あんしん修理サポート」「学生生活110番」などの会員数が増加したことによるもので、将来の売上・利益につながる「ストック収益」となるため、ポジティブに評価される。
純資産は前期末比883百万円増加の6,926百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益1,012百万円を計上した一方で、配当金210百万円を支出した。また、新株予約権の行使により資本剰余金が215百万円増加している。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前受収益や有利子負債の増加により、前期末の40.6%から39.5%と若干低下し、一方で有利子負債比率は11.6%から25.9%に上昇した。ただ、ネットキャッシュは60億円以上と同社の事業規模からすれば潤沢にあり、財務の健全性は高いと判断される。
なお、同社は2018年10月に第三者割当による新株予約権(行使価額修正選択権付、株式換算で316.7万株、行使可能期限2020年10月2日)を発行しており、2019年4月末時点で46.01万株の行使が進んでいる(行使価額1,500円)。発行する株式は自己株式(2019年3月末時点、322.33万株)から充当し、行使価額1,500円ですべて行使したとすると約46億円を調達できることになる。調達資金は今後のM&Aや資本業務提携等の資金に充当する予定だ。また、行使価額は現在、1,500円で固定されているが、資金調達の必要があると同社が判断した場合は、取締役会決議により行使価額を状況に応じて修正することが可能となっており、その場合の下限行使価額は825円で設定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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