【QAあり】YE DIGITAL、前年度の受注減により減収減益も上期予想は達成 新たに物流向け「AQUA運用監視サービス」を12月リリース予定
2026年2月期第2四半期決算説明会
玉井裕治氏(以下、玉井):株式会社YE DIGITAL代表取締役社長の玉井です。本日はご多用のところ、当社の投資家向け決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
中間期決算の詳細はこの後ご説明しますが、前年度の物流DXにおける品質性能対応による受注減の影響が、今中間期の売上にも及び、前年同期を下回りました。しかし、計画どおりに進んでいます。
物流DXは前年度に品質性能対応が終息し、今年度もお客さまからの引き合いや注文が引き続き旺盛です。受注減の影響を巻き返すことに加え、さらに大きく受注を伸ばせると期待しており、今年度の業績目標達成に向けて邁進しています。
それでは、2026年2月期第2四半期決算の概要と株主還元について、管理本部長の本松からご説明します。
2026年2月期第2四半期 (累計) 連結業績サマリー

本松隆之氏(以下、本松):取締役執行役員管理本部長の本松です。私からは、2026年2月期第2四半期決算の概要と株主還元についてご説明します。
まず、2026年2月期第2四半期の連結業績サマリーです。
売上高は96億6,500万円で、前年同期比マイナス4.1パーセントとなっています。先ほど玉井からご説明したとおり、前年度の受注減の影響により、この上期は減収となりましたが、上期の当初予想である90億円は達成しました。
営業利益は6億4,300万円で、前年同期比マイナス19.3パーセントとなりました。こちらも前年同期比で減収となりましたが、上期予想の営業利益6億円は達成しています。
ROEは13.1パーセントという結果になっています。
2026年2月期第2四半期 (累計) 連結業績

連結業績についてです。スライドには、2026年度2月期第2四半期の実績として、売上高から当期純利益までのデータを記載しています。売上高は96億6,500万円で前年同期比マイナス4.1パーセントですが、当期予想の90億円は達成しています。
売上高の内訳は、ビジネスソリューション事業が78億3,400万円で前年同期比マイナス1.2パーセント、IoTソリューション事業が18億3,100万円で前年同期比マイナス14.8パーセントとなっています。
営業利益は6億4,300万円で前年同期比マイナス19.3パーセントですが、当期予想の6億円は達成しています。
経常利益は7億700万円で前年同期比プラス17.4パーセント、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億4,100万円で前年同期比マイナス21.1パーセントですが、いずれも計画値である6億5,000万円および4億円を達成しています。
1株当たりの四半期純利益は24円46銭となりました。
連結業績推移

連結業績の推移です。スライドのグラフは、左から順に2023年2月期から2026年2月期までの累積業績を示しています。上のグラフは売上高の推移です。2023年2月期の売上高は第2四半期で70億8,300万円でしたが、2024年2月期、2025年2月期、そして今期では100億円近い数字を維持しています。
下のグラフは、営業利益と利益率の推移を示しています。2023年2月期の実績は1億3,900万円でしたが、2024年2月期には7億1,500万円、2025年2月期には7億9,700万円、今年度中間期は6億4,300万円と、2023年2月期と比較して高い数字を維持しています。
また、今期の営業利益率は6.7パーセントで、2024年2月期以降は7パーセント前後の高水準を維持しています。
2026年2月期第2四半期 (連結累計) 事業別の概要 (ビジネスソリューション)

事業別の概要をご説明します。まず、ビジネスソリューション事業についてです。
スライド下側の表に、ビジネスソリューション事業の業績内訳を記載しています。売上実績は78億3,400万円で、そのうちERP・ビジネスDX関連が55億4,100万円となりました。前年同期比で2億3,500万円の増加です。この増加の要因として、当社プライムによるビジネスDXの推進と構築、新規顧客の開拓や案件の獲得が寄与しています。
その他の分野には、移動体通信・自動車向けビジネスシステム開発および健康保険者向けシステム構築が含まれています。売上は22億9,200万円で、前年同期比で3億3,400万円減少し、増減率はマイナス12.7パーセントとなりました。
この減少の要因は、健康保険者向けシステムにおける大型案件が一巡したことです。昨年は実施されていたものの、今期は終了しました。大型の健康保険者向けシステム構築における減少は予定どおりの結果であり、ビジネスソリューション事業の計画は順調に推移しています。
2026年2月期第2四半期 (連結累計) 事業別の概要 (IoTソリューション)

次に、IoTソリューション事業についてです。
IoTソリューション事業の売上高は18億3,100万円でした。このうち、注力している物流DX事業は7億5,800万円となり、前年同期比で1億400万円の減少、増減率はマイナス12.1パーセントでした。この要因として、前年度の品質問題により昨年の受注が減少し、今期の期首における受注残が少なくなり、前年同期と比べて減少しました。
続いて、文教事業についてです。売上高は3億5,700万円で、前年同期比マイナス5,900万円、増減率はマイナス14.4パーセントとなりました。当社はインターネット・セキュリティ関連製品を販売していますが、「セカンドGIGA」が始動した今年度は、端末やタブレット、PCといった整備が重点となり、当社の得意分野であるネットワーク機器は若干遅れ気味で、昨年から減少しています。
その他の分野には、畜産DX、スマートシティ、情報機器が含まれており、売上高は7億1,500万円で前年同期比マイナス1億5,200万円、増減率はマイナス17.6パーセントとなっています。この減少の主な要因は、情報機器における時期ずれの影響で、上期から下期にずれ込んでいます。ただし、年間では計画どおりに推移すると考えています。
取り組み状況については、物流DX、文教、畜産DX、スマートシティの各分野で記載のとおり進めています。
営業利益増減要因分析(前年同期比)

営業利益の増減要因分析です。前年度の営業利益は7億9,700万円、今年度は6億4,300万円で、その差である1億5,400万円についてご説明します。
左から順に見ていきます。まず、ビジネスソリューション事業の売上減による利益減少です。売上高は79億3,300万円から78億3,400万円へ約1億円減少し、利益への影響は5,500万円のマイナスとなっています。
次に、IoTソリューション事業の売上減による利益減です。前年が21億4,800万円、今期が18億3,000万円で、約3億2,000万円減少しました。利益への影響は1億7,800万円です。売上ボリュームの減少によって利益は減少しましたが、一方でその隣に記載している採算性の向上を実現しています。
主にビジネスソリューション事業とIoTソリューション事業では、外注していた業務を内製化し、付加価値を取り込む取り組みを進めています。さらに、今期から全社で生成AIを活用し、生産性の向上にも取り組んでおり、あわせて1億8,000万円のプラス効果を得ています。
総間接費の増加は、主に給与水準の引き上げによる人的投資、つまり労務費の増加が主な要因です。
結果として、営業利益は前年から1億5,400万円減少していますが、採算性は向上しています。今後、量が増加すれば利益も増えると期待しています。
2026年2月期 通期 連結業績見通し

2026年2月期通期の連結業績見通しです。
通期の連結業績見通しについては、当初の見通しから変更はありません。売上高は200億円、営業利益は16億円、経常利益は17億円、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5,000万円、1株当たりの当期純利益は64円6銭、年間配当金は中間配当金が10円、通期で年間20円の計画となっています。
株主還元

株主還元についてご説明します。当社は、スライドに記載のとおり、株主のみなさまに対する利益還元を経営の重要な課題の1つとして認識しています。今後の事業拡大に向けた内部資金を確保しつつ、長期にわたり安定的な配当を実施していく方針です。また、今期からは株主のみなさまへの還元に加え、資本効率の向上を目的とした自己株式の取得も実施しています。
2026年2月期の年間配当予想額は20円です。内訳は中間配当10円、期末配当10円とし、現時点での予想配当性向は31パーセントとなっています。ただし、自己株式50万株、金額にして3億1,000万円分の取得を含めると、総還元性向は58.2パーセントとなります。これにより、株主のみなさまへの還元をしっかりと進めていきます。
以上が、2026年2月期第2四半期の決算概要および株主還元についての説明です。ご清聴ありがとうございました。
司会者:続いて、中期経営計画の2025年度上期遂行状況とトピックスを、玉井社長よりご説明いただきます。
2025-2027年度 中期経営計画の基本方針

玉井:私から、中期経営計画の2025年度上期遂行状況とトピックスについてご説明します。
まず、中期経営計画の2025年度上期遂行状況についてです。「2025-2027 中期経営計画」の基本方針として、プロダクトやサービスの機能的価値から顧客体験価値を軸とした事業モデルへの変革を図り、顧客や社会のDXやCXを加速することで、「最高のエクスペリエンスを支援するデジタルサービス企業」となることを掲げています。
具体的には、4つの方針を立てて進めています。1つ目は、顧客起点のマーケティング戦略の展開です。2つ目は、カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービス力の実現です。
3つ目は、ビジネス拡大を支える投資戦略の推進です。そして、最後の4つ目として、持続的成長を支えるサステナビリティ経営の推進です。
2025-2027年度 中期経営計画の遂行状況

「2025-2027 中期経営計画」における計数面の状況を記載しています。スライド左側が売上高、右側が営業利益です。本中期経営計画では、最終年度の2027年度に売上高250億円、営業利益30億円を目標としており、この3ヶ年での達成を目指しています。その初年度である2025年度の状況が左端に示されています。
記載のとおり、2025年度は上期売上高90億円、下期110億円、通期200億円という計画に基づき、上期が終わった段階で概ね計画どおり遂行している状況です。
営業利益は16億円の計画に対し、上期は概ね計画どおりに遂行しています。
2025-2027年度 中期経営計画 2025年度上期遂行状況

ここからは、2025年度上期の中期経営計画遂行状況について、4つの方針に沿って進捗をご説明します。
1つ目の方針「顧客起点のマーケティング戦略の展開」についてです。ビジネスソリューション事業では、「プライムDXプロジェクト」を通じてお客さまとの連携を強化しています。また、戦略的パートナーである富士通さまとタイムリーに連携し、新たなプロジェクトへの参画もスタートしました。
IoTソリューション事業は、物流分野において「WMS」やマテハン各社との協業が拡大しています。昨年、豊田自動織機さまとの協業をプレス発表し、展示会でも共同PRを開始しました。さらに、ロジザードさま、プラスオートメーションさまとの連携も具体的に進み始めています。
畜産分野では、飼料メーカー向けの点導入から面導入への展開が進み始め、現在市場では累計8,000台が稼働中です。この下期中に1万台を突破することは確実で、さらに1万数千台を目標に鋭意遂行中です。
文教DXでは、先ほど本松からの説明にもあったとおり、今年から向こう3年間は「セカンドGIGA」による特需の年となっています。今年度はタブレットやPCといった整備予算に資金が充てられるため、当社の出番は下期から来年度以降となり、1年ほどずれ込んでいます。
この分野では、当社の得意分野であるデジタル教科書のキャッシュ機能を強みとし、パートナーとの連携を強化することで、「セカンドGIGA」前に獲得した当社のシェアを維持することを目指しています。
最後に、スマートシティでは、大型案件であった岡山市の入札を無事に突破し、上期に新たな受注が決まりました。
2025-2027年度 中期経営計画 2025年度上期遂行状況

2つ目の方針「カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービス力の実現」についてです。ビジネスDX新統合プラットフォームは、ビジネスソリューション事業においてデータ活用を重視しているお客さま向けのツールとして、当社が投資して開発したものです。このプラットフォームのファーストユーザーとなるお客さまを上期に受注しました。
2点目は、物流分野における「MMLogiStation」パッケージです。製品価値を訴求した結果、引き合いが旺盛で、大型製造メーカーから大規模な受注を上期に獲得しました。
3点目は、企業のBCP対応を強化する「AQUA DataFusion」についてです。物流に特化したソリューションを構築し、上期にファーストユーザーを獲得しました。この製品は、下期以降に大規模なお客さまとの契約が間近に迫っており、さらに12月には新たなサービスを市場に投入する計画を進めています。
最後に、品質保証本部についてです。前年度、当社は物流分野において大きな失敗を経験しました。その反省を踏まえ、社長直属の組織として品質保証本部を今年度に立ち上げました。この本部は現場に深く入り込み、きめ細かな品質チェックを進めています。その結果、品質問題の抑制が可能になってきたと感じています。
続いて、3つ目の方針「ビジネス拡大を支える投資戦略の推進」についてです。
1点目について、当社は前年度まで生成AIを外販する計画を進めていましたが、その方針を転換しました。生成AIを担当する部隊を外販から内製に切り替え、社内の開発工数削減や生産性向上に注力しています。
さらに、大型プロジェクトにこのAI部隊を専任として投入する取り組みを始めました。この効果により、上半期では数千万円の利益貢献にとどまりましたが、年間では1億円を超える生産性向上が期待できる段階まで進んでいます。特定の事業部に限らず、全社的にこの中期経営計画において推進していきます。
2点目は、事業ポートフォリオマネジメントの強化についてです。これにより、事業視点で捉えた採算性が明確に見えるようになりました。新たな事業がどれだけ投資を行い、どれだけ利益を生み出すのかが可視化されたことで、事業を継続するか方向修正を行うかといった判断に役立つ「見える化」がようやく実現しました。
3点目に、経営管理システムをIT業界に適したERPへ移行する取り組みを進めています。これは中期経営計画2年目となる来年度の稼働を目指しており、現在、順調に移行が進んでいます。
最後に、人材ポートフォリオの作成も開始しました。
そして、4つ目の方針「継続的成長を支えるサステナビリティ経営の推進」についてです。
当社では、監査等委員会設置などによりガバナンス体制を強化してきました。また、マテリアリティに対するアクションプランの実行を進め、株主還元および資本効率の向上の一環として自己株式の取得を実施しました。こちらについては、先ほど本松から説明があったとおり、2025年7月2日までに上限の50万株の取得を完了しています。
MMLogiStation、運用保守サービス を レベルアップ!

トピックスについてご説明します。先ほど中期経営計画の進捗のところでも少し触れましたが、「『MMLogiStation』、運用保守サービスをレベルアップ」と題し、「MMLogiStation」の運用支援サービスに、データ・AI・人の融合によって実現する運用保守データ活用サービスである「AQUA DataFusion」を活用し、新たに進化した物流向け「AQUA運用監視サービス」を12月にリリースします。
これにより、ナレッジの蓄積やユーザーへのデータ開示が可能となり、当社のDXサービスセンターの品質向上につながります。さらに、お客さまに一部を開放することで、作業の軽減や早期解決、分析状況の把握が可能となる新サービスです。
このサービスは、当社の「MMLogiStation」パッケージを利用しているお客さまのデータをナレッジデータベースに蓄積し、これにAIを活用して迅速に対応するものです。
例えば、あるお客さまで「トラブルシューティングに2時間を要した」というケースが発生したとします。それが別の現場でも同様に発生した場合、そのデータを活用することで、トラブルシューティングの時間を短縮し、通常の半分、さらには4分の1の時間、約30分で対応可能になるといった活用が期待できます。このサービスに関する引き合いも、現在非常に旺盛です。
スマートバス停、岡山市デジタルサイネージ受託

2つ目のトピックスは「スマートバス停、岡山市デジタルサイネージを受託」という内容です。岡山市の「公共交通デジタルサイネージシステム」として、複数の事業者のバス運行状況を、1つの画面で網羅して確認できるシステムを構築しました。これをベースに、当社は「BusOne」という新たなサービスを製品化しました。
全国の主要自治体の駅前には、複数のバス業者が乗り入れているケースが多く存在します。岡山市の「BusOne」、複数事業者バス統合システムを皮切りに、同様の需要がある自治体に向けて営業活動を鋭意進めている状況です。
展示会・セミナーを通じてソリューション提案強化

3つ目のトピックです。「展示会・セミナーを通じてソリューション提案強化」として、今年の9月10日から12日に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2025」に出展しました。
「進化系WES ~データでつなぐ未来の物流~」をテーマに、出展し、多数の来場がありました。これをきっかけに新たなお客さまの獲得を目指し、現在営業活動を進めているところです。
さらに、同じく9月に畜産分野向けの関係者を集めたセミナーを開催しました。本社にお客さまを招き、「飼料流通合理化の最前線~現場の課題と改善のヒント~」をテーマに、トラック協会やJA系団体の有識者に多数参加してもらい、意義のあるセミナーを開催できたと感じています。この取り組みを通じて「Milfee」を点から面へと拡大していきます。
以上がトピックスのご紹介です。私からの説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:物流の自動化における「MMLogiStation」のニーズと市場動向について
司会者:「物流DXの引き合いが好調とのことですが、具体的にどのような業種が多いのでしょうか? また、御社はどのような業種や業界をターゲットとしているのでしょうか?」というご質問です。
玉井:物流センターや製造業の工場内物流といった、物流の自動化ニーズのある分野で、当社の「MMLogiStation」には多数の引き合いをいただいています。
当社はこの物流分野にパッケージを導入した当初、3PL(Third Party Logistics)を主体とした市場に投入していました。しかし昨年あたりから、製造業の工場内物流分野が非常に注目されるようになり、ホットな商談が多数生まれています。これは、昨今の製造業における生産拠点の国内回帰といった動きに追従した結果と考えています。
また、当社が最も得意とする製造業の工場内物流分野において、大きな需要が見込まれるため、受注強化に努めています。
質疑応答:今年度の業績見通しについて
司会者:「今年度の中間期は例年と異なり、前年度実績を下回りますが、通期で前年度を超える業績を達成できるのでしょうか?」というご質問です。
本松:前年度は中間期が非常に好調で、過去最高も記録しました。しかし、年度後半には品質の問題があり、年度通期では売上高199億円、営業利益14億円にとどまりました。
今年度の中間期は、前年度の受注減少の影響が大きく、前年度を下回る結果となりました。しかし年度後半に向けては、物流DXへの引き合いが非常に好調であることや、大型受注があったことから、IoTソリューション事業の充実や促進が進んでいます。
さらに、先ほどご説明した新サービス「AQUA DataFusion」の需要も増加しており、この下期には前年度とは異なる好材料がそろっています。これをもって、通期経営計画の達成に向けて加速していきます。
質疑応答:従業員の人材確保状況と取り組みについて
司会者:「御社の従業員の主な給源と、入社後の育成の概要を教えてください」というご質問です。
本松:従業員の人材確保について、当社は主に新卒採用を中心に行っています。デジタル人材の確保は全国的に困難な状況ですが、当社は本社が九州にあるため、地元九州の学生で当社を希望する方が多く存在しています。これにより、計画どおりの採用を実現できています。
近年、デジタル人材の争奪が非常に厳しくなっています。そのため、新卒学生のみなさまに対し、より魅力的な会社であることをアピールしながら、優秀な学生の確保に引き続き努めていきます。
質疑応答:品質問題への対応と品質保証本部の取り組みについて
司会者:「前期に発生した品質問題によって、ビジネスモデル、組織等はどのように変化していますか?」というご質問です。
玉井:前年度に発生した品質問題は、私がこの会社に入社して以来、過去最悪のトラブルでした。
修復には半年以上を要しましたが、その反省を踏まえ、今年度期初の段階で社長直属の組織として品質保証本部を設立しました。この品質保証本部は、全社的な品質向上を推進するだけでなく、重点プロジェクトにおける管理・検査機能も備えています。不具合発生時には、現地に品質保証本部の部隊が対応することで、お客さまの満足度向上を強化しています。
上期は品質保証本部による積極的かつ客観的な品質管理の取り組みにより、品質問題の発生を抑制できています。
これを継続し、品質の強化に努めるとともに、二度と同様の問題を発生させないよう、経営陣一同が同じ思いで取り組んでいます。
質疑応答:岡山市での「スマートバス停」のオファー状況について
司会者:「『スマートバス停』は、岡山市でもオファーがあるのか教えてください」というご質問です。
玉井:岡山市には、5つ以上のバス事業者が駅構内に乗り入れるという、地方都市としては珍しい環境があります。
その中で、岡山市では地域公共交通の利便性を向上させる計画が進められており、「利便性の高い公共交通」をスローガンに掲げ、2027年度末までに市内各所で「スマートバス停」の設置を進めています。これにより「スマートバス停」の設置場所で公共交通情報がまとめて発信され、スマートフォンなどからも統合接近情報を確認できるようになります。
公共交通の利便性に大いに貢献できると確信しています。
質疑応答:当社の設立経緯とコア技術の進化について
司会者:「御社のビジネスモデルの強みとは、どのようなことですか?」というご質問です。
玉井:当社は、産業用ロボットで世界的に有名な安川電機さまから分社化した会社として誕生しました。
このような経緯から、当社は従来、製造業向けの生産管理システムや業務システム、さらにはモーターやロボットを制御するシステムなどをコア技術として事業拡大してきました。
現在では製造業向けのERPシステムや、物流・搬送機器の制御システムといった分野へと技術が進化し、当社の主力事業となっています。
質疑応答:女性幹部社員・女性役員登用の割合と取り組みについて
司会者:「御社の女性幹部社員および女性役員登用の割合を教えてください」というご質問です。
本松:女性幹部社員および女性役員登用の割合についてですが、女性管理職は現在15名で、管理職比率は8.9パーセントとなります。女性役員については、当社の社外取締役が1名、執行役員が1名の計2名です。
当社では「女性活躍」の取り組みについて、数年前から活動を進めています。女性が働きがいを持ち、活躍できる環境整備を行い、それに向けた方策を展開してきました。
先日は全女性社員を対象とした交流会を実施し、さらにセミナーなども進めて、女性の活躍の場を広げる取り組みを行っています。
目標として女性管理職比率を10パーセントと定めていますが、当社では「女性にやさしい会社は、みんなにやさしい会社」という方針のもと、女性に限らず従業員全体が活躍できる場を目指して取り組んでいます。
質疑応答:IoTソリューション事業および物流分野の事業拡大戦略について
司会者:「御社の成長戦略の基本的な考え方を教えてください」というご質問です。
玉井:「2022-2024 前中期経営計画」においては、当社を支えてきた中心的な事業はビジネスソリューション事業でした。その中で、次の成長の原動力として、IoTソリューション事業を立ち上げる準備を進めてきました。
いよいよこの「2025-2027 中期経営計画」においては、そのIoTソリューション事業の中核として位置づけている物流分野を成長事業とし、事業拡大に取り組んでいます。
その1つとして、当社のWES「MMLogiStation」については、毎週木曜日に『Newsモーニングサテライト(モーサテ)』でもCMを配信しています。このパッケージを主軸とし、これに連携するマテハンメーカーやWMSベンダーなど、他社との協業により事業拡大のスピードを高める戦略に取り組んでいます。
加えて、サービスビジネス事業を大きな事業に育てるべく、前中期経営計画から取り組んできました。この「2025-2027 中期経営計画」の最終年度には、サービス事業の売上拡大を念頭に進めています。その突破口となる新たな商材が、先ほど説明した「AQUA DataFusion」です。この商材がサービス事業を拡大する起爆剤になると考えています。
質疑応答:取得した自己株式の用途と安川電機との株式比率について
司会者:「今期は自己株式の取得を行っていますが、取得した株の使い道について教えてください。償却をする場合には安川電機の持ち株比率上昇となるため、御社にとって制約となっているのでしょうか?」とのご質問です。
本松:取得した自己株式については、現在、具体的な用途は未定です。ただし、当社はストックオプション、従業員の株式報酬、今後の事業拡大に関連する資本業務提携などに有効活用したいと考えています。
株式比率について、安川電機さまとの間に制約等は特にありません。また、当社では現在のところ償却の予定もありません。
質疑応答:2027年度の中期経営計画目標について
司会者:「今回の中期経営計画では、2年後に営業利益がほぼ倍増する計画となっていますが、これは積み上げ目標でしょうか? それとも努力目標でしょうか? 営業利益倍増の具体的なイメージがあれば、可能な範囲でご説明をお願いします」というご質問です。
本松:今回の中期経営計画における目標として、2027年度には売上高を250億円、営業利益を30億円、ROEを25パーセントと設定しています。この目標は各事業の積み上げ目標を照らし合わせた上で、実現可能なものとして設定しました。
努力目標として設定している売上高250億円の内訳は、ビジネスソリューション事業が150億円、IoTソリューション事業が100億円です。利益拡大については、IoTソリューション事業の拡大を確実に進めることで実現可能な目標と考えています。
また、サービスビジネス事業にも「AQUA DataFusion」などがあります。IoTソリューション事業やサービスビジネス事業といった付加価値率の高い事業をしっかりと伸ばすことで、2027年度の営業利益30億円という目標を達成したいと考えています。
この目標の達成に向けて、社長以下、従業員一同、全社一丸となって取り組んでいきます。
質疑応答:安川電機以外の業務について
司会者:「御社は安川電機以外の業務はできないのでしょうか?」というご質問です。
玉井:IoTソリューション事業を中心に、安川電機さま以外の需要拡大に努めています。しかし現在、安川電機さまの大型プロジェクト「YDX(YASKAWA Digital Transformation)」が稼働中で、まさに仕上げの段階に来ています。
この関係から、ビジネスソリューション事業の多くを安川電機さまが占めており、割合が増えている状況です。
質疑応答:運用保守データ活用サービス「AQUA DataFusion」について
司会者:「『AQUA DataFusion』とは、どのようなサービスですか?」というご質問です。
玉井:「AQUA DataFusion」は、運用保守データの活用サービスです。当社のIoTクラウドサービスのノウハウを活かし、運用・保守に関するデータをデータ統合管理プラットフォームで一元管理しています。
さらに、このデータを生成AIが分析し、コールセンターの迅速な対応を支援する「問合せデータ活用サービス」、設備の安定稼働を支援する「設備保全管理サービス」、早期問題解決を支援する「AIナレッジ照会サービス」の3つのサービスを提供しています。
現在、多くの製造設備や搬送設備が稼働する工場での採用に加え、機器やシステムなどの保守サービスを行う企業からの問い合わせも多数あるため、今後のユーザー拡大を大いに期待しています。
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