2026年2月期通期の業績予想は、営業利益で前期比19.6%増の19,500百万円、事業利益で同14.2%増の28,400百万円、経常利益で同7.5%増の14,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.4%増の16,000百万円、キャッシュ純利益で同5.7%増の20,500百万円、1株当たり当期純利益で同9.4%増の38.13円を見込む(期初予想どおり)。キャッシュ創出を拡大する計画であり、ストック収益・フロー収益ともに最高益更新を見込む。
心築事業では、ストック収益・フロー収益ともに増加し、事業利益は13,400百万円(前期比67.1%増)と大幅な増益を予想しており、上期の進捗率38.4%ではあるが、下期にフロー収益拡大が計画されており順調である。ホテル事業では、リブランド休館(宇都宮、天神)の影響及び前期並みの売却を見込まないため事業利益6,100百万円(前期比33.5%減)を期初に予想したが、上期にストック収益・フロー収益ともに好調に推移し、上期進捗率86.7%となっているため、通期は上振れて着地する可能性が高い。いちごオーナーズ事業では、ファンドや富裕層、セキュリティ・トークン市場など多様なチャネルでの販売を行う方針の下、事業利益で5,600百万円(前期比68.1%増)と大幅な増益を計画しており、上期を終えて順調に推移している(上期進捗率44.6%)。
アセットマネジメント事業では、事業利益で1,800百万円(前期比31.1%減)を期初に予想したが、ストック収益・フロー収益ともに好調であり上期進捗率57.2%と上振れて進捗している。クリーンエネルギー事業では、出力制御及び一時的な大規模メンテナンスにより、事業利益で前期比13.1%減の1,500百万円を期初に予想したが、計画どおりに進捗している。
外部環境においては、日米金利差の縮小傾向はあるものの、運用利回りが主要各国より高い水準にある点などを踏まえ、レジデンス、ホテル、オフィスを含めて国内不動産への投資家の意欲は積極的な状況が続いている。金利の動向や米国通商政策の世界景気への影響などは引き続き注視する必要はあるが、金融機関の融資支援姿勢に変化は見られない。なお、同社のコーポレート借入金の金利に関しては、前期から上昇してはいるものの、半分以上を固定化することで影響を軽減している。支払い利息の増加は相対的に軽微であり(2026年2月期中間期実績で654百万円増)、近年のオーガニックな賃料増加により十分カバーできると推測される。
オフィス分野ではトレードピアお台場やセットアップオフィスが好調に推移し、ホテル分野では保有ホテルの賃料成長と新規取得による増収などが貢献し、ストック収益は過去最高更新に向けて拡大する。ホテル、レジデンス、中規模オフィスや商業施設などすべての分野で売買市場が活況であり、フロー収益の確保もしやすい環境が整っている。同社全体の事業利益の上期進捗率が53.3%と堅調なことも考慮し、弊社では通期目標は余裕を持って達成できると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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