「クラウドソリューション事業」(2025年3月期第1四半期売上高に対して69.4%)は、従来から提供している「バンソウSMS」や「リモートメール」をはじめとする、主にSaaS型のサービス群を包含する事業となる。SaaSの利用料となるストック収益がメインとなっており、安定成長につながっている。一方、「DXソリューション事業」(同30.6%)は、新規事業でありながら中核として、今後同社業績に大きな影響を与える事業となる。顧客ごとのニーズに向き合い、データとテクノロジー、顧客のビジネスへの深い理解をもって、企業・社会全体のDX化を推進し顧客と共にビジネスをプロデュースしていく。
2025年3月期第1四半期の売上高は前年同期比36.8%増の235百万円、調整後営業利益(EBITDA)は同2.3倍の49百万円、営業利益は同4.2倍の40百万円で着地した。クラウドソリューション事業・DXソリューション事業の両セグメントともに成長を持続している。また、通期業績の売上高は831百万円から1,269百万円(前期比81.4%増)、営業利益は80百万円から133百万円(同79.1%増)に上方修正しており、第2四半期における合同会社 selfree、グルーコードコミュニケーションズ株式会社、株式会社イー・クラウドサービスを完全子会社化したことによる会計効果を加味した。
同社では、新中期経営計画を開示しており、既存事業の安定成長とコア事業となるDX事業及びM&Aによる中核事業の創造を目指している。数値目標は、2026年3月期に売上高20億円、EBITDAは4億円、エンジニア数100人を見込む。DX・海外事業・M&Aなど様々な分野で知見を持つ取締役陣によって事業・経営体制を強化しており、エンジニア人材の獲得としては国内ソフトウェア開発会社・SES企業や海外オフショア開発企業のM&Aを目指す。業績の高成長が続く中、既存のクラウドソリューション事業の底堅い成長に加えて、DXソリューション事業の成長やM&Aによる非連続的な成長も期待しておきたく、事業の変革期を迎える同社の今後の動向には注目しておきたい。
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