株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は、仮説生成に特化したAI創薬支援サービス「FRONTEO Drug Discovery AI Factory」(以下 DDAIF)*1において、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」を活用して生成した、疾患に関連する遺伝子のネットワークを構成するパスウェイの機能を明らかにする新たな技術を開発し、特許出願したことをお知らせします。
【特許概要】
出願番号:特願PCT/JP2024/042419
出願日 :2024年11月29日
FRONTEOは、KIBITの自然言語処理を活用して、既知の文献情報であるPubMed*2に掲載されている3000万報以上の論文情報を解析し、遺伝子と疾患の未報告の関連性を予測する遺伝子ネットワークをマップ化(図)する特許技術を有しています。この特許技術を活用することで、膨大な情報量の解析結果を網羅的に把握し、ネットワークを構成するパスウェイ単位/複数のパスウェイ群の作用や関連性の推定を可能にします。従来、特定の遺伝子セットにおける重要な生物学的経路やパスウェイの特定には、「GO(Gene Ontology) term」と呼ばれる特定の機能を持つ遺伝子の含有率を統計的に算出する「エンリッチメント解析」が用いられています。しかし、この解析手法では、ネットワークの構成遺伝子の一部があるGO termに関わっているものの、ネットワークの構成遺伝子のすべてを加味したものではないので、遺伝子情報が一部欠失した不十分な機能解析結果となることが課題とされていました。
今回開発した新技術は、すべての構成遺伝子を加味した形でGO termを関連付け、疾患に関わる遺伝子ネットワーク上で、個々の遺伝子をつなぎ合わせたパスウェイの機能に加え、複数のパスウェイを合わせたパスウェイ群の機能を精緻に予測するものです。これにより、遺伝子ネットワーク上で優勢な機能のより効果的な特定や、創薬標的に医薬品が作用した場合に生じる生物学的現象の予測などが可能になり、DDAIFにおいて、より適切な創薬標的の発見や仮説生成に貢献することが期待されます。
図:KIBITの描出した疾患にかかわる遺伝子ネットワークの例
FRONTEOは、革新的AI技術の研究開発と社会実装を通じて、クライアント企業の医薬品開発の成功確率向上と人々の健康に貢献してまいります。
*1 AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、KIBITの自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*2 米国国立医学図書館の国立生物科学情報センターが運営する生物医学領域の論文データベース。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
■FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。
KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障、リーガルテックAIの各分野で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金898,618千円(2024年8月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本における登録商標です。
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