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2024/05/22 - 中外炉(1964) の関連ニュース。 目次尾崎彰氏:中外炉工業株式会社社長の尾崎です。株主さま、お客さま、協力会社さまをはじめ、ステークホルダーのみなさまには常日頃大変お世話になっており、この場をお借りし感謝申し上げます。はじめに、

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中外炉工業、全項目で前期実績を上回る 脱炭素・半導体等の分野への積極的な営業活動により、受注高は2桁成長を達成

投稿:2024/05/22 19:00

目次

尾崎彰氏:中外炉工業株式会社社長の尾崎です。株主さま、お客さま、協力会社さまをはじめ、ステークホルダーのみなさまには常日頃大変お世話になっており、この場をお借りし感謝申し上げます。

はじめに、目次についてご説明します。当社グループ2023年度の決算概要に加え、2026年度までの5ヶ年の中期経営計画、重要戦略の状況などについてご説明します。

1.2023年度連結業績と2024年度予想の概要

2023年度の連結業績と2024年度予想についてご説明します。2023年度の連結業績は、脱炭素や半導体などの分野への積極的な営業活動により、すべての項目で前年度実績を上回ることができました。

受注高は、前期比119パーセントの387億9,000万円となりました。売上高は、前期比105パーセントの292億8,300万円となりました。

利益面について、営業利益は前期比113パーセントの14億7,700万円、経常利益は前期比109パーセントの17億1,400万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の一部売却により、前期比178パーセントの21億9,700万円となりました。

一方で、期初予想を受注高はほぼ達成できたものの、部品納期の長期化などの影響により、売上高、営業利益および経常利益は達成できませんでした。

2024年度の業績予想については、受注高390億円、売上高376億円、営業利益25億7,000万円、経常利益26億7,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の売却益を合わせて23億円と、増収増益を見込んでいます。

配当額、自己株式の取得額及び総還元性向の推移

2023年度の1株当たりの期末配当金は、前期から10円増の80円の予定です。また、自己株式の取得額は合計5億1,000万円、総還元性向は50.2パーセントとなります。2024年度の期末配当金は、さらに20円増の100円とする予定です。

2.連結受注残高の推移

受注残高の推移です。2023年度期末の受注残高は343億1,300万円と、前期から96億円増加しました。2024年度期末の受注残高は、さらに14億円増の357億1,300万円を確保できる見通しです。

3.2023年度 連結 営業利益の増減要因

営業利益の分析結果です。2023年度の営業利益は増収の影響で3億2,500万円増加し、利益率の増加により1億100万円増加しました。一方で、販管費の増加により2億5,700万円減少し、営業損益は前年比で12.8パーセント増加し、14億7,700万円となりました。

4.連結資産・負債・資本の状況

連結資産・負債・資本の状況です。資産合計は前期末より76億8,500万円増加の488億6,300万円となりました。負債合計および純資産合計はそれぞれ増加し、負債合計は210億9,400万円、純資産合計は過去最高額の277億6,800万円となり、財務健全性の基準としている自己資本比率50パーセント以上を引き続き維持しています。

5.連結研究開発費・設備投資額・減価償却費

研究開発費・設備投資額・減価償却費の状況は、スライドに記載のとおりです。2023年11月に「熱技術創造センター」が完成し、カーボンニュートラルに貢献する水素・アンモニア燃焼試験設備や高機能材熱処理設備などを集約し、設備投資額は大幅に増加しました。

6.連結キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況です。2023年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比で改善しました。しかしながら、受注高の増加に伴い、売上債権および契約資産が増加したことなどにより、8億9,100万円の資金の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加により24億5,100万円の資金が増加しました。これらの結果、現金及び現金同等物期末残高は21億7,400万円増加の100億1,900万円となりました。

7.セグメント情報

セグメント情報です。熱処理事業では、売上高は横ばいながら利益が微増となりました。プラント事業では、売上高は微増しましたが利益が減少しました。開発事業では、売上高が増加し、赤字縮小となりました。主に子会社関連のその他は増収減益となっています。

8.中期経営計画(2022年度~2026年度) 経営理念と中期経営計画

ここからは、2022年5月13日に発表した5ヶ年の中期経営計画「経営ビジョン2026」の重要戦略の状況についてご説明します。

当社の経営理念は「熱技術を核として新しい価値を創造し、これを通じて社会に貢献するとともに企業の繁栄と社員の幸福を実現する。」です。この「新しい価値を創造」に着目し、3つの重要戦略にて計画を推進しています。

1つ目は「カーボンニュートラルを中心に新市場の創出」、2つ目は「既存商品のニーズ適合ブラッシュアップで拡販と利益向上」、3つ目は「働きがいのある職場作り」です。この3つの重要戦略について、現在の状況をご説明します。

中期経営計画の進捗状況:連結業績目標

連結業績目標と進捗についてご説明します。

5ヶ年計画最終年度の連結業績目標として、受注高420億円、売上高415億円、営業利益36億2,000万円、ROE10パーセントを設定しました。2023年度実績については、前期比で受注高が大幅に増加し、ほぼ計画どおりに進捗しました。

ROEも向上した一方で、部材の長納期化などの影響で売上高、営業利益が停滞しました。その結果、受注残高も大幅に増加しており、今期は案件の効率的な消化とコスト削減に努めることで、売上高、営業利益も伸ばしていきます。

重要戦略の指標と達成のための施策(1)

3つの重要戦略の指標と達成のための施策の進捗状況についてご説明します。まずは「カーボンニュートラルを中心に新市場の創出」です。カーボンニュートラル、ゼロエミッション、高機能材対応熱技術の3分野を柱とし、この分野での売上高を2030年には100億円、中期経営計画最終年度の2026年度には40億円とすることを目指しています。

(1)カーボンニュートラルを中心に新市場の創出

当社の脱炭素目標についてご説明します。当社はサプライチェーン排出量の中でも当社製品の使用の部分が大きいことから、当社基準による2050年に向けた脱炭素目標を設定しました。

スライドに記載のグラフの縦軸は、稼働中の当社製品から排出されるCO2の量を示しています。パリ協定の目標基準となる2013年では約1,200万トンであり、日本全体の排出量のおよそ1パーセントに相当します。これを2050年までに実質ゼロにする目標を設定しています。実際に排出をゼロにすることは不可能ですので、当社の既存商品以外でのCO2削減も含め、2050年にはカーボンニュートラルを達成する所存です。

グリーンイノベーション事業の研究成果を活用した電熱・水素・アンモニア関係の脱炭素型工業炉、水素系ガス加熱装置、火力発電所向けアンモニアバーナなどを社会実装し、目標を達成していきます。

2023年度の国内における製造工業の能力指数、稼働率指数を加味した2013年度からの累計削減量は186万トンとなりました。削減割合は16パーセントとなり、2026年度目標の17パーセント削減達成に向け順調に推移しています。

(1)カーボンニュートラルを中心に新市場の創出

このテーマの2023年度実績についてご説明します。主な商品としては、水素還元用加熱技術開発、電炉ダストプロセス開発、水素バーナなどです。本テーマの売上高は17億5,000万円となりました。研究受託したNEDOグリーンイノベーション基金事業案件も、大手鉄鋼メーカーなどのユーザーさまを含むみなさまとともに、水素、アンモニア燃焼、電気による加熱の開発を進めています。

拡充したテスト設備をフルに活用して、カーボンニュートラル実現に向け、技術開発をさらに加速させます。

重要戦略の指標と達成のための施策(2)

2つ目は「既存商品のニーズ適合ブラッシュアップで拡販と利益向上」です。国内外の経済環境が変化していく中で、既存商品もブラッシュアップを行い、顧客のニーズを捉え、売上高の増大を図っていく必要があります。製品の機能改善や応用展開により製品の市場拡大を達成し、2026年度は2021年度から売上高を112億円積み上げ、営業利益は20億6,000万円増加させます。

(2)既存商品のニーズ適合ブラッシュアップで拡販と利益向上

このテーマの2023年度実績についてご説明します。売上高の積み上げは21億円となりました。また、研究開発費は投資を含めて1億9,000万円でした。前期に引き続き、次世代EV用電池向けに開発競争が続く全固体電池向け熱処理設備、及び新型塗布設備「RSコーター」、半導体製造プロセスに必要な部材の高温熱処理炉、EV向け駆動部品サプライチェーンが拡大する中での需要が増しているモータコア熱処理炉、ギア用熱処理炉、海外向けの脱炭素型大型連続焼鈍ラインなど、多数の成約を得ています。

2024年度もこれらの新分野へのお客さまの開発投資は数多く予定されていますので、変化を見据えた対応で受注活動を推進していきます。

重要戦略の指標と達成のための施策(3)

3つ目は「働きがいのある職場作り」です。当社では、「働きがいのある職場」は努力が結果につながる職場と考えています。結果とは顧客満足であり、これが営業利益につながります。この結果の最大化を図ります。

一方、ワークライフバランスの改善は、働き方改革の一環として当社の経営課題となっており、総実労働時間を短縮するために生産性の向上は必須となります。

中期経営計画における施策により、営業利益増と総実労働時間短縮の両立で、当社の生産性を大幅に向上させ、「働きがいのある職場」の実現を目指しています。

(3)働きがいのある職場作り

このテーマの2023年度実績についてご説明します。1人当たり営業利益は、アウトプットとなる収益の拡大により284万8,000円と、前年に比べ増加しました。しかしながら、1人当たり総実労働時間は効率化への過渡期であり、その効果は未だ小さく、前年に比べ若干増加となる2,086時間でした。

システム投資は、2023年度は1億3,000万円となりました。2022年に新設した「業務改革推進室」が価値創造のために、最も重要な設計業務の支援システム開発を進めており、2024年度より運用を開始します。今後も調達支援システムなどを順次導入し、継続的にシステム投資を行います。これにより、中期経営計画の指標、1人当たりの営業利益の拡大と実労働時間の短縮を着実に進めていきます。

さらに、社員福利厚生の一環として、堺市内への社員寮新設を決定しました。生活の質の向上、アクセスの改善といった就業環境を整えることで、社員のモチベーションアップを図ります。完成時期は2026年3月の予定です。

9.資本コストを意識した経営の実現に向けての対応

次に、「資本コストを意識した経営の実現に向けての対応」についてご説明します。この対応における重要な指標であるROEとPBRにおいて、当社は成長戦略と株主還元施策を推進したことで、いずれも改善の方向にあります。

9.資本コストを意識した経営の実現に向けての対応

今後も政策保有株式の継続的な縮減、統合した研究所の活用促進、システム、人的資源への投資、IR活動の強化で企業価値の向上に努めていきます。

10.上場維持基準適合状況について

最後に、上場維持基準の適合に向けた計画の進捗状況についてご説明します。当社グループは、東証プライム市場の維持基準「流通株式時価総額が100億円以上」だけが、2022年度末ではクリアできていませんでした。

そこで、株価の向上と流通株式比率を増加させる施策を適時実施し、2023年度末においてはすべての基準をクリアしています。今後とも、なお一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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