「国土強靭化」に注目の兆し、社会インフラ補修に政策後押し<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「国土強靭化」が17位にランキングされている。
東京株式市場は米中貿易摩擦問題を背景に米株安や中国景気の減速懸念などが重荷となっており、足もと為替相場でドル安・円高に振れていることなどもあって、輸出株セクターには逆風が強い。内需株に物色の矛先が向きやすくなっているが、そのなか安倍政権の政策フォローが見込まれる「国土強靭化」がテーマ買いの流れに乗りそうだ。
年末にかけて第2次補正予算と来年度予算の規模がどの程度となるかにマーケットの関心が高まっている。来年10月の消費税引き上げに合わせ、景況感の悪化を防ぐための方策として、安倍政権は軽減税率実施や国土強靭化を看板に掲げたインフラ投資に舵を切る。特に国道強靭化は、橋梁やトンネルなど老朽化の進む社会インフラの補修需要を考慮すれば喫緊の課題として、政府も本気モードで取り組む必要がある。
建設後50年を超過する社会インフラでは橋梁が2033年には全体の6割以上、トンネルも4割以上がそれに該当する形となる。また、既に17年3月期末時点でトンネルの97%が補修や修繕が必要とされている状況だ。
老朽化対策の国土交通省予算も急増傾向にあり、18年度は当初予算ベースで4472億円に達し、来年度概算要求ではこれに2割以上も上乗せされた5440億円が提示されている。国交省では補修市場は13年度の3兆6000億円から33年度には4兆6000億~5兆5000億円に拡大するとの予測を示しており、インフラ補修を担う関連企業には中期的にも巨大市場が待つ。このほか、NEXCOなど高速道路会社もリニューアルに傾注、床版取替工事などの補修を進捗させている。NEXCOは東日本、中日本、西日本の3社合計で29年度完工を目標に15年間で3兆円を超える大規模な補修工事を計画している。
こうした収益環境のもとで注目されるのは、大成建設<1801.T>、大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>、鹿島<1812.T>などの大手ゼネコンのほか、プレストレストコンクリート(PC)使用工事で強みを持つピーエス三菱<1871.T>、コンクリート補修最大手のショーボンドホールディングス<1414.T>、港湾施設補修で力を発揮する五洋建設<1893.T>、シールド工法を得意とする大豊建設<1822.T>、トンネルなど大型土木工事に強い熊谷組<1861.T>。さらに巻上機や大型クレーンなどを手掛け、補修工事向けで受注獲得が進むキトー<6409.T>や油圧式杭圧入引抜機のトップメーカーである技研製作所<6289.T>なども合わせてマークしたい。
出所:minkabuPRESS
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