2. 事業内容
日本電技<1723>の事業は、主力の空調計装関連事業と産業システム関連事業に大別され、2024年3月期の売上高構成比はそれぞれ90%、10%となっている。
(1) 空調計装関連事業
空調計装関連事業では、熱源制御、空調制御、動力制御、中央監視装置などによって、非居住用建築物の空調自動制御システムをトータルでプロデュースしている。最適な自動制御システムにより快適な空間を実現し、設備・機器の更新提案や建物のエネルギー管理のサポート、省エネ化提案などを行うことで、顧客の建物資産の保全やライフサイクルコストの低減を支援している。空調計装関連事業は、新設工事と既設工事に分けられる。新設工事は同社の主軸であり、建物の建築時に導入される空調設備のシステム設計から施工、引き渡し前の試運転・調整、引き渡し時の取扱説明までをワンストップで行っている。また、熱供給設備(地域冷暖房プラント)では、エネルギーを供給するための各設備機器の自動制御に関するシステム構築も行っている。既設工事では、建物の完成後、空調設備の保守・保全や設備更新に携わる一方、エネルギー効率や設備の運用状況の改善によって省エネ化・省コスト化をサポートしている。
(2) 産業システム関連事業
産業システム関連事業は工場全体の自動化・省人化が事業領域で、「計装エンジニアリング」技術を背景に、小規模工場から大規模工場までの生産プロセス(生産工程)や搬送ラインにおいて、計測機器やロボットなどをセットアップし、自動制御するシステムを構築するサービスを提供している。具体的には、1) 電気計装工事のほか特殊仕様のユーティリティ設備(冷温水、蒸気、圧縮空気など)における自動化・省人化、2) 安全性の確保や仕分け作業の精度・効率向上などのサポート、3) 箱詰め・検査・荷捌といった人手のかかる工程へのロボット導入などによる生産性の向上、4) 人が介在しないことによる安心・安全(フードディフェンス)の確保などで、人手を多く使う食品や医薬品を中心に製造現場が抱える様々な課題に応えることで、顧客のバリューチェーンの最適化を支援している。これはまさに工場のスマートファクトリー化と言え、市場が大きく広がり始めているところである。同社もこの市場を取り込むため、AIやIoT、クラウドといった最新技術の活用を積極的に進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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